28 / 93
27話 何があったか
しおりを挟む
敵の数が五万って……何でそんなに大勢いるんだよ……?
エンファに教えてもらった情報だと10位から1位のギルドが追加されただけだぞ。
俺の姿が見えた途端、どこかへ走っていたファイアーウルフたちは足を止めて俺たちの周りで休んでいた。
「どうやらさらに話が変わった見てぇだな」
いつのまにか俺たちのすぐそばまで近づいて来ていたエンファは、長い牙をはやす魔獣のから飛び降りた。
「リウス様、このお方は?」
「こいつは……」
「俺の名前はエンファだ。今さっきリウスと友達になったところだ。よろしくな」
「は?友達ってなんだ……」
「そうでしたか!俺の名前はアマウスと申します。こちらこそよろしく……」
俺の側で勝手に話が進行していると、一匹のファイアーウルフがこちらに向かって走ってきた。
「あれは……」
そのファイアーウルフは四足歩行の姿から人型の姿に変化した。
「リウス様ー!」
長く赤い髪を揺らし、こちらに走ってくる正体はフェイだった。
「フェイ!怪我はないか!?」
「はい、心配をかけ申し訳ございませんわ」
「いや、怪我がないならそれでいい。ていうかカロスはどこにいるんだ?さっきから全然見当たらないけど」
カロスのことだから俺の気配を察知してすぐに駆けつけてくるだろうと思っていたが、今は全くそれと逆だ。
「リウス様、実はカロス様は現在、俺たちの村の近くで五万の敵と交戦中でございます」
は?嘘だろ?カロスだけで五万という数の敵と戦ってるっていうのか?
「はい、アマウスの言う通り、カロス様は現在敵勢力と交戦中でございますわ」
ん?なんだ……この謎の違和感……。特別おかしいような感じではないけど何かがいつもと違うような……。まあいいか。
それにしても、ファイアーウルフ達が逃げることができているってことは誰かが足止めをしているからというのは思っていたけどまさかカロスだけとはな……。
「そうか、わかった。ならこれから俺たちは獣人の国へ向かう」
「獣人の国?一体なぜそこに行くのですの?」
俺が獣人の国に行くと言ったことが意外だったのか、それとも別の何かなのか、驚いたような表情を見せるフェイに俺は説明することにした。
「どうやら俺が聞いた話によると……」
「教えてやったの、俺だからな」
エンファから教えてもらったんだけど、と前振りしなかったのが気に入らなかったのか、エンファは横から訂正を入れてきた。
「はいはい。それでこいつから教えてもらった情報なんだが、どうやらマラオス王国は魔獣を殺すだけでなく、獣人の国にも戦争を仕掛けるらしい」
俺の話にさらに驚いたような表情をすると、顔を左右に振り真剣な表情に戻した。
「獣人の国に戦争……。リウス様、この男は本当に信用できるのですの?」
フェイはエンファを鋭い目で睨み、威嚇するような空気を作り出した。
「おいおいお嬢ちゃん、そんな怖い顔すんなよ。俺は信用できる男だぜ」
そんなこと言ったら余計怪しいやつだろ……。
「まあこんなやつだが俺は信用する。だからフェイたちもエンファのことを……まあ信じることは難しいかなぁ」
「はぁー?それはひどくねーかぁ?」
俺たちのやりとりを見て、フェイは少しため息をついた。
「リウス様。こいつはいかにも怪しいですわよ。でも……リウス様が信じるのであれば私も信用いたしますわ」
そう言ってファイは俺に向かって微笑んだ。
だけどなぁ、フェイ。お前の方が……怪しいだよな。
エンファに教えてもらった情報だと10位から1位のギルドが追加されただけだぞ。
俺の姿が見えた途端、どこかへ走っていたファイアーウルフたちは足を止めて俺たちの周りで休んでいた。
「どうやらさらに話が変わった見てぇだな」
いつのまにか俺たちのすぐそばまで近づいて来ていたエンファは、長い牙をはやす魔獣のから飛び降りた。
「リウス様、このお方は?」
「こいつは……」
「俺の名前はエンファだ。今さっきリウスと友達になったところだ。よろしくな」
「は?友達ってなんだ……」
「そうでしたか!俺の名前はアマウスと申します。こちらこそよろしく……」
俺の側で勝手に話が進行していると、一匹のファイアーウルフがこちらに向かって走ってきた。
「あれは……」
そのファイアーウルフは四足歩行の姿から人型の姿に変化した。
「リウス様ー!」
長く赤い髪を揺らし、こちらに走ってくる正体はフェイだった。
「フェイ!怪我はないか!?」
「はい、心配をかけ申し訳ございませんわ」
「いや、怪我がないならそれでいい。ていうかカロスはどこにいるんだ?さっきから全然見当たらないけど」
カロスのことだから俺の気配を察知してすぐに駆けつけてくるだろうと思っていたが、今は全くそれと逆だ。
「リウス様、実はカロス様は現在、俺たちの村の近くで五万の敵と交戦中でございます」
は?嘘だろ?カロスだけで五万という数の敵と戦ってるっていうのか?
「はい、アマウスの言う通り、カロス様は現在敵勢力と交戦中でございますわ」
ん?なんだ……この謎の違和感……。特別おかしいような感じではないけど何かがいつもと違うような……。まあいいか。
それにしても、ファイアーウルフ達が逃げることができているってことは誰かが足止めをしているからというのは思っていたけどまさかカロスだけとはな……。
「そうか、わかった。ならこれから俺たちは獣人の国へ向かう」
「獣人の国?一体なぜそこに行くのですの?」
俺が獣人の国に行くと言ったことが意外だったのか、それとも別の何かなのか、驚いたような表情を見せるフェイに俺は説明することにした。
「どうやら俺が聞いた話によると……」
「教えてやったの、俺だからな」
エンファから教えてもらったんだけど、と前振りしなかったのが気に入らなかったのか、エンファは横から訂正を入れてきた。
「はいはい。それでこいつから教えてもらった情報なんだが、どうやらマラオス王国は魔獣を殺すだけでなく、獣人の国にも戦争を仕掛けるらしい」
俺の話にさらに驚いたような表情をすると、顔を左右に振り真剣な表情に戻した。
「獣人の国に戦争……。リウス様、この男は本当に信用できるのですの?」
フェイはエンファを鋭い目で睨み、威嚇するような空気を作り出した。
「おいおいお嬢ちゃん、そんな怖い顔すんなよ。俺は信用できる男だぜ」
そんなこと言ったら余計怪しいやつだろ……。
「まあこんなやつだが俺は信用する。だからフェイたちもエンファのことを……まあ信じることは難しいかなぁ」
「はぁー?それはひどくねーかぁ?」
俺たちのやりとりを見て、フェイは少しため息をついた。
「リウス様。こいつはいかにも怪しいですわよ。でも……リウス様が信じるのであれば私も信用いたしますわ」
そう言ってファイは俺に向かって微笑んだ。
だけどなぁ、フェイ。お前の方が……怪しいだよな。
0
お気に入りに追加
1,092
あなたにおすすめの小説
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった
ぐうのすけ
ファンタジー
日本の社会人として暮らす|大倉潤《おおくらじゅん》は女神に英雄【ジュン】として18才に若返り異世界に召喚される。
ジュンがチートスキルを持たず、他の転移者はチートスキルを保持している為、転移してすぐにジュンはパーティーを追放された。
ジュンは最弱ジョブの投資家でロクなスキルが無いと絶望するが【経験値投資】スキルは規格外の力を持っていた。
この力でレベルを上げつつ助けたみんなに感謝され、更に超絶美少女が俺の眷属になっていく。
一方俺を追放した勇者パーティーは横暴な態度で味方に嫌われ、素行の悪さから幸運値が下がり、敵にマークされる事で衰退していく。
女神から英雄の役目は世界を救う事で、どんな手を使っても構わないし人格は問わないと聞くが、ジュンは気づく。
あのゆるふわ女神の世界管理に問題があるんじゃね?
あの女神の完璧な美貌と笑顔に騙されていたが、あいつの性格はゆるふわJKだ!
あいつの管理を変えないと世界が滅びる!
ゲームのように普通の動きをしたら駄目だ!
ジュンは世界を救う為【深刻な女神力不足】の改善を進める。
念のためR15にしてます。
カクヨムにも先行投稿中
朝チュン転生 ~地味に異世界を楽しみたいのに女神サマが邪魔をします~
なる
ファンタジー
いつのまにか異世界に転生する事になっていた"オレ"。
「仲良く」し過ぎたせいか、目立たない転生をしたいオレに、無理矢理チートを授けようとしてくる女神サマ。
なんとかチートを拒否し、転生したものの、後々に発覚していく女神サマのやらかし…
破天荒にはなりきれない、おっさん思考のリアル冒険譚!
ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
転生獣医師、テイマースキルが覚醒したので戦わずしてモンスターを仲間にして世界平和を目指します
burazu
ファンタジー
子供の頃より動物が好きで動物に好かれる性質を持つ獣医師西田浩司は過労がたたり命を落とし異世界で新たにボールト王国クッキ領主の嫡男ニック・テリナンとして性を受ける。
ボールト王国は近隣諸国との緊張状態、そしてモンスターの脅威にさらされるがニックはテイマースキルが覚醒しモンスターの凶暴性を打ち消し難を逃れる。
モンスターの凶暴性を打ち消せるスキルを活かしつつ近隣諸国との緊張を緩和する為にニックはモンスターと人間両方の仲間と共に奮闘する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる