スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ

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5話 緊急事態発生

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 「今日はここに泊まろう」
 「家はないのか」
 「ない」

 俺たちは洞窟を出て、地上に戻ってきていた。
 とにかく今は、ハーシュに会うためには準備をしないといけない。
 また何も出来ないのは、もう嫌だ。

 「そうか……」

 俺が家を持っていないと知ると、なぜか哀れみの目を向けてくる。
 そんな反応をするな。
 こっちまで悲しくなる。

 あのパーティーに入っていた頃、俺を含めて6人は皆同じ家に住んでいた。
 他のパーティーも同じことをしていたため、自分達もやろうという話になったのだ。
 そのせいで、俺は1人で住んでいた家を売ったのだが、その金は全てドラウロ達に取られてしまった。
 これはこのパーティーの金だ、とか言われてな。
 本当に最悪だ。

 今はパーティーを追放された身。
 今頃あの家に荷物を取りに行けるわけもなく、お金も少ししかない。
 今持っている所持金では、宿に1泊しかすることが出来ない。

 明日からは金を手に入れなければいけない。

 「なぁ、グラティオラス」
 「それは呼びにくいだろ? 余のことはグラと呼ぶがいい」
 「そうか。じゃあグラ。いきなり召喚しておいて悪いんだけど、向こうに帰りたいとか思わないのか?」

 グラティオ……グラを呼び出したのは俺の勝手だ。
 グラの意思とは関係なく呼び出してしまったのだ。

 「別に思わん。だって、向こうはつまらぬ。ひたすらぼーっとするだけで、何も楽しいことはない。この世界の方が楽しいのだ」
 「そうか。それは良かった」
 「あとそれと、一回この世界に来たら、次帰るのに100年かかる」
 「100!?」
 
 100年もかかるのか!?
 次帰るのに!?
 これからは、このスキルを迂闊に使うのはやめよう。 
 もし、向こうの世界が好きだという神を呼び出してしまったら、100年間帰れなくなってしまうからな。

 「でも、向こうの神達とは連絡出来るぞ。だから特に問題は――」
 「どうした」

 なぜかグラは急に黙り込み、何やら頷いたり首を振ったりしている。
 向こうの世界にいる神と話してるのか?

 「ライ、緊急事態だ」
 「なに?」

 まさか、グラを呼び出したことで、向こうの世界で何か大きな問題が発生してしまったわけではないよな……。

 「余と同じ3大神が、こっちの世界に召喚してほしいそうだ」
 「そうか……それは確かに緊急事態だな……」

 想像していたこととは、全く別の緊急事態だが、それもそれで結構緊急事態だ。
 どうしよう。
 今の所持金だと、1部屋借りるだけでも精一杯なのに、あと2人召喚したら部屋が窮屈になってしまう。
 でも、神の言うことを断るのもなぁ……。

 仕方ない……窮屈になるの覚悟で召喚するか。

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