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第十三章 真実を知る者
神殿の遺跡
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その後、戦いの準備を整えたシュウゴたちは紹介所を訪れた。
ブリッツバスターと隼、デュラの装備はオリハルコンで強化し、メイとニアの服はユミルクラーケンの素材で強度を上げていた。
紹介所の受付で遺跡のことを話すと、ユリはすぐに手続きを始めた。並行してユラが神殿の遺跡について説明してくれる。
~~神殿の遺跡~~
遥か昔に建てられた古代神殿。
かなり風化はしているのものの、今もなお内部へ進める。しかし半倒壊してるため、常に崩落の危険性があるという。
調査に入った討伐隊は、入ってすぐの広間のような場所でゴルゴタウロスと遭遇した。
造りを見るに、奥へ続く道は一つしかなく、ゴルゴタウロスを倒して進む以外の方法はない。
しかし古代の権力者たちが金銀財宝をそこに隠したという古い記録があり、開拓できれば得られるものは大きいはずだ。
「――危険な魔物がいると聞いています。どうかお気をつけて」
不安そうに声を震わせ、愛しい男を見送るかのように、ユリは瞳を潤ませる。
ユラとユナも瞳を揺らしてシュウゴたちに熱い視線を送っていた。
「大丈夫、すぐに帰ってきますよ」
シュウゴはそう言って微笑み、仲間たちを連れ死地へと赴くのだった。
転移石で転移した先は、遺跡の手前の森だった。
「おっきい~」
ニアが興奮したように声を上げ、漆黒の翼を大きく広げて飛び上がる。
シュウゴも目の前の遺跡の大きさに圧倒されていた。
確かに巨大な石柱が倒れかけていたり、岩の壁に大きな亀裂が入っていたりと、危険な状態にあることは分かるが、それでもそう簡単に崩れなさそうな安定感を感じることができる。
だが、この遺跡が大きく感じる理由はそれだけではない。
「お兄様……」
メイが不安に震える声で呟き、シュウゴの左手を握る。
デュラもただならぬ雰囲気に警戒し、腰を落として周囲をゆっくりと見回していた。
神殿の遺跡から漏れ出るのは、覇者の圧倒的な気配。
それこそ、鵺や謎の魔神、そして先日の砂漠で感じた気配と同等かそれ以上の覇気を放っている。
「とにかく、今は先に進もう」
シュウゴはそう言ってゆっくりと歩き出した。
神殿の遺跡内部は、想像していた通り風化していた。
全体的に色褪せた黄土色。おそらく、かつては輝いていたのだろう。
上へ続く階段は途中で崩れ、奥に立っている二体の像は頭がなかったり、両腕が落ちていたりと、酷い有様だ。
いたるところに新緑の植物が生え、石柱や瓦礫の上を這っている。
慎重に歩いていても、足元からなにかが割れる音が絶え間なく響いていた。
メイが握っていたシュウゴの手に力を込め、小さな声で呟く。
「気味が悪いです……」
「まあ、遺跡と言ったらこんなもんだろう」
シュウゴは案外落ち着いてた。
こういった場所に初めて足を踏み入れるが、ゲームなどでは定番。
重度なゲーマーだったシュウゴの心を揺らすには、ギミックがまだ足りていないのだ。
横に倒れた石柱や苔の生えた巨大な岩など、行く手を遮る障害物を乗り越えて先へ進んでいくと、ようやく広間へ辿り着いた。そこが広く感じるのは、天井が今までよりも高いためだろう。だがところどころで、小さな破片と砂埃がパラパラと降り、遺跡倒壊の危険性を再認識させられる。
シュウゴたちが足を止めると、頭上を飛んでいたニアもシュウゴの横に着地する。
デュラは先頭に出た。
ブリッツバスターと隼、デュラの装備はオリハルコンで強化し、メイとニアの服はユミルクラーケンの素材で強度を上げていた。
紹介所の受付で遺跡のことを話すと、ユリはすぐに手続きを始めた。並行してユラが神殿の遺跡について説明してくれる。
~~神殿の遺跡~~
遥か昔に建てられた古代神殿。
かなり風化はしているのものの、今もなお内部へ進める。しかし半倒壊してるため、常に崩落の危険性があるという。
調査に入った討伐隊は、入ってすぐの広間のような場所でゴルゴタウロスと遭遇した。
造りを見るに、奥へ続く道は一つしかなく、ゴルゴタウロスを倒して進む以外の方法はない。
しかし古代の権力者たちが金銀財宝をそこに隠したという古い記録があり、開拓できれば得られるものは大きいはずだ。
「――危険な魔物がいると聞いています。どうかお気をつけて」
不安そうに声を震わせ、愛しい男を見送るかのように、ユリは瞳を潤ませる。
ユラとユナも瞳を揺らしてシュウゴたちに熱い視線を送っていた。
「大丈夫、すぐに帰ってきますよ」
シュウゴはそう言って微笑み、仲間たちを連れ死地へと赴くのだった。
転移石で転移した先は、遺跡の手前の森だった。
「おっきい~」
ニアが興奮したように声を上げ、漆黒の翼を大きく広げて飛び上がる。
シュウゴも目の前の遺跡の大きさに圧倒されていた。
確かに巨大な石柱が倒れかけていたり、岩の壁に大きな亀裂が入っていたりと、危険な状態にあることは分かるが、それでもそう簡単に崩れなさそうな安定感を感じることができる。
だが、この遺跡が大きく感じる理由はそれだけではない。
「お兄様……」
メイが不安に震える声で呟き、シュウゴの左手を握る。
デュラもただならぬ雰囲気に警戒し、腰を落として周囲をゆっくりと見回していた。
神殿の遺跡から漏れ出るのは、覇者の圧倒的な気配。
それこそ、鵺や謎の魔神、そして先日の砂漠で感じた気配と同等かそれ以上の覇気を放っている。
「とにかく、今は先に進もう」
シュウゴはそう言ってゆっくりと歩き出した。
神殿の遺跡内部は、想像していた通り風化していた。
全体的に色褪せた黄土色。おそらく、かつては輝いていたのだろう。
上へ続く階段は途中で崩れ、奥に立っている二体の像は頭がなかったり、両腕が落ちていたりと、酷い有様だ。
いたるところに新緑の植物が生え、石柱や瓦礫の上を這っている。
慎重に歩いていても、足元からなにかが割れる音が絶え間なく響いていた。
メイが握っていたシュウゴの手に力を込め、小さな声で呟く。
「気味が悪いです……」
「まあ、遺跡と言ったらこんなもんだろう」
シュウゴは案外落ち着いてた。
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重度なゲーマーだったシュウゴの心を揺らすには、ギミックがまだ足りていないのだ。
横に倒れた石柱や苔の生えた巨大な岩など、行く手を遮る障害物を乗り越えて先へ進んでいくと、ようやく広間へ辿り着いた。そこが広く感じるのは、天井が今までよりも高いためだろう。だがところどころで、小さな破片と砂埃がパラパラと降り、遺跡倒壊の危険性を再認識させられる。
シュウゴたちが足を止めると、頭上を飛んでいたニアもシュウゴの横に着地する。
デュラは先頭に出た。
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