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第4章 迷宮都市
第51話 貴族
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「お前さんがオレ達の主人となる人ですかい?」
「ふんっ、あまりできる男には見えんのぅ」
「そう?アタイにはすごく強そうに見えるけど」
「さて、ウチを満足させれるアルか?」
上から順に巨人族、天狗、虫人、花人の言葉である。現在、オークション会場のステージ裏まで来たところだ。そこで何故か、落札した側が品定めをされている状況ではあるのだが、どの道、納得してもらってから仲間になってもらいたかった為、そこら辺は割とどうでも良かった。
「お前ら、言いたい放題は結構だが、要するに認めさせればいいんだろ?」
「こんなこと言えた立場かは分かりやせんが、不満があったら良くないと思いやす」
「お前のような青二才を認めるなど、天地がひっくり返ってもないわい」
「なんでだろう?なんか、虫の知らせがするんだよな~」
「ウチの査定は厳しいアルヨ?」
「よし、なら4人いっぺんにかかって来い……………すぐに分からせてやるから」
「参りやした………」
「なんという強さ………思わず、天地がひっくり返りおった」
「やっぱりか~」
「ウチが査定される立場だったアルヨ」
「これで満足か?なら、これからのことを説明するから、一緒に来い」
――――――――――――――――――――
オークションを終えてから1週間程が経った。新たに増えた10人のレベル上げもある程度は完了し、全員でシリスティラビンの冒険者ギルドまで来たのはいいんだが、現在、よく分からない事態に直面していた。それは…………
「おい、聞いているのか!貴様、シンヤとかいう"ヘナチョコ"冒険者だろう?一丁前に"黒締"とか言われて、大して強くもないクランのリーダーらしいな?」
「全くだ!この雑魚!アホ!ドジ!」
「け、け、けしからん!」
よく分からない奴らに絡まれていることである。当然、無視をしようとしたのだが、新人の何人かは武器に手をかけ、今にも飛び出しそうな勢いだった為、俺はそれを手で制し、前へと出た。ちなみにギルドへは10人の冒険者・クラン登録、また魔物の買い取りをしてもらいに来たのだが、その手続きを今、ティアにやってもらっている最中で俺達はそれを待っていたら、絡まれたのだ。
「用件は何だ?時間がもったいないから、簡潔に言え」
「な、な、なんという無礼な物言い!貴様、我々が一体、何者か分かって言っているのか?」
「知らんし、興味もない。そんなこといいから、早く用件を言え」
「黙って聞いておれば、調子に乗りおって…………よいか?私はな、とある国の偉い貴族なんだぞ!お前なんかが簡単に口を………っ!!」
「俺は早くしろと言ったはずだぞ?これは俺の為だけに言ってるんじゃない。お前の為にもそうした方がいいと思ったから、言ったんだ。見ろ。仲間達の我慢がそろそろ切れそうだ…………だから、早くしろ。殺気で分かっただろ。俺達には絶対に勝てないということが」
「ふ、ふ、ふんっ!仕方ない!なら、単刀直入に言ってやろう!………お前がオークションで落札した品物を全てよこせ!」
「は?」
「もちろん、タダでだ!偉い貴族である私がお前みたいな小汚い冒険者に相応しくないものを優しさで受け取ってやろうというんだ。感謝しろよ」
「無理に決まってんだろ。馬鹿と話す時間はない。今すぐ消えろ」
「な、な、なんて口の利き方だ!どんな手を使って手に入れたか知らないが、お前などが持っていても意味のない品物を私が有意義に使ってやろうというのに」
「ちゃんと正規の方法で手に入れたから、違法ではないし、あとお前が使うのはもっと無意味だ。それにオークションで不正なんかしてみろ。大変なことになるだろうが」
「むむぅ…………」
「何を言い出すのかと思えば、とんだ時間の無駄遣いだったな。いいか?ここはお前らみたいなガキが来るところじゃないんだ。今すぐ帰って、搔いた恥をママにでも慰めてもらえ」
「ガキじゃないわ!どう見てもゴリゴリのおっさんじゃろうが!」
「全くだ!最近、頭皮の進行が激しいんだぞ!」
「けしからん………ううっ」
「何だ、こいつら」
「お前が生んだ波紋じゃろうが!…………まぁ、よい。交渉がダメなら、力づくじゃ!くらえ!」
そう言って、懐からナイフを取り出す貴族A。それを徐に俺へ向けて突き刺そうとしてきた。しかし…………
「貴様、主君に対して一体、何をしている?」
「っ!!………ぐばあっ」
それが叶うことはなかった。新人の1人であるケンタウロス族のケープが殺気とともに貴族Aへと舶刀を振るったからだ。それによって、宙を舞う首は残り2人の貴族の足元へと落下した。
「ひ、ひぃ!」
「けし……けしか………けけけけ」
「俺は何度も忠告したはずだ。それも守らず、ましてや殺しにかかるとか、笑えないな。貴族ってのは自分の思い通りにならないことがあるとこういう手段まで講じてくるのか」
「……………」
「何か言いたそうだな、そこの従者。お前の主人を殺った俺達が憎いか?」
「いえ、正直やっと解放されたとホッとしています。こいつには散々、迷惑をかけられましたから…………今回みたいなことも多々ありましたし。でも、大丈夫ですか?貴族にこんなことをして…………」
「知るか、そんなの。仲間達には襲われたら、殺って構わないと事前に言ってある。今回の件もこいつがやらなかったら、他の奴がやっていた。相手が誰であろうとな」
「………ゴクンっ」
「おい、そこの貴族どももこれで分かっただろ。俺達に余計なことをしたら、相手が誰であろうが関係なく反撃するということが。別に帰国しても俺達のことを話すなとか言う訳じゃない。話した上でまた余計なことをしに来るんだったら、覚悟をしておけよ?命の保障はできないからな」
「「た、大変申し訳ございませんでした!!」」
「それから、さっきの仲間のケンタウロス族だが、こいつは現状、クランの幹部ですらないからな?」
「「「「「え!?」」」」」
――――――――――――――――――――
「シンヤさん、手続きが完了致しました」
「おう、ご苦労様」
「あれ?誰かとお話していませんでした?」
「ああ、そいつらなら、もう帰ったわ」
「そうなんですか…………あ、そういえば」
「どうした?」
「先程、受付でライムさんから、ダンジョンの攻略を薦められまして…………どうでしょうか?」
「お、ダンジョンか。そういえば、ここに来た目的の1つでもあったな…………よし、いくか」
こうして、急遽、ダンジョンへと向かうことになった俺達。これから、一体何が出てくるのだろうか…………非常に楽しみである。
「ふんっ、あまりできる男には見えんのぅ」
「そう?アタイにはすごく強そうに見えるけど」
「さて、ウチを満足させれるアルか?」
上から順に巨人族、天狗、虫人、花人の言葉である。現在、オークション会場のステージ裏まで来たところだ。そこで何故か、落札した側が品定めをされている状況ではあるのだが、どの道、納得してもらってから仲間になってもらいたかった為、そこら辺は割とどうでも良かった。
「お前ら、言いたい放題は結構だが、要するに認めさせればいいんだろ?」
「こんなこと言えた立場かは分かりやせんが、不満があったら良くないと思いやす」
「お前のような青二才を認めるなど、天地がひっくり返ってもないわい」
「なんでだろう?なんか、虫の知らせがするんだよな~」
「ウチの査定は厳しいアルヨ?」
「よし、なら4人いっぺんにかかって来い……………すぐに分からせてやるから」
「参りやした………」
「なんという強さ………思わず、天地がひっくり返りおった」
「やっぱりか~」
「ウチが査定される立場だったアルヨ」
「これで満足か?なら、これからのことを説明するから、一緒に来い」
――――――――――――――――――――
オークションを終えてから1週間程が経った。新たに増えた10人のレベル上げもある程度は完了し、全員でシリスティラビンの冒険者ギルドまで来たのはいいんだが、現在、よく分からない事態に直面していた。それは…………
「おい、聞いているのか!貴様、シンヤとかいう"ヘナチョコ"冒険者だろう?一丁前に"黒締"とか言われて、大して強くもないクランのリーダーらしいな?」
「全くだ!この雑魚!アホ!ドジ!」
「け、け、けしからん!」
よく分からない奴らに絡まれていることである。当然、無視をしようとしたのだが、新人の何人かは武器に手をかけ、今にも飛び出しそうな勢いだった為、俺はそれを手で制し、前へと出た。ちなみにギルドへは10人の冒険者・クラン登録、また魔物の買い取りをしてもらいに来たのだが、その手続きを今、ティアにやってもらっている最中で俺達はそれを待っていたら、絡まれたのだ。
「用件は何だ?時間がもったいないから、簡潔に言え」
「な、な、なんという無礼な物言い!貴様、我々が一体、何者か分かって言っているのか?」
「知らんし、興味もない。そんなこといいから、早く用件を言え」
「黙って聞いておれば、調子に乗りおって…………よいか?私はな、とある国の偉い貴族なんだぞ!お前なんかが簡単に口を………っ!!」
「俺は早くしろと言ったはずだぞ?これは俺の為だけに言ってるんじゃない。お前の為にもそうした方がいいと思ったから、言ったんだ。見ろ。仲間達の我慢がそろそろ切れそうだ…………だから、早くしろ。殺気で分かっただろ。俺達には絶対に勝てないということが」
「ふ、ふ、ふんっ!仕方ない!なら、単刀直入に言ってやろう!………お前がオークションで落札した品物を全てよこせ!」
「は?」
「もちろん、タダでだ!偉い貴族である私がお前みたいな小汚い冒険者に相応しくないものを優しさで受け取ってやろうというんだ。感謝しろよ」
「無理に決まってんだろ。馬鹿と話す時間はない。今すぐ消えろ」
「な、な、なんて口の利き方だ!どんな手を使って手に入れたか知らないが、お前などが持っていても意味のない品物を私が有意義に使ってやろうというのに」
「ちゃんと正規の方法で手に入れたから、違法ではないし、あとお前が使うのはもっと無意味だ。それにオークションで不正なんかしてみろ。大変なことになるだろうが」
「むむぅ…………」
「何を言い出すのかと思えば、とんだ時間の無駄遣いだったな。いいか?ここはお前らみたいなガキが来るところじゃないんだ。今すぐ帰って、搔いた恥をママにでも慰めてもらえ」
「ガキじゃないわ!どう見てもゴリゴリのおっさんじゃろうが!」
「全くだ!最近、頭皮の進行が激しいんだぞ!」
「けしからん………ううっ」
「何だ、こいつら」
「お前が生んだ波紋じゃろうが!…………まぁ、よい。交渉がダメなら、力づくじゃ!くらえ!」
そう言って、懐からナイフを取り出す貴族A。それを徐に俺へ向けて突き刺そうとしてきた。しかし…………
「貴様、主君に対して一体、何をしている?」
「っ!!………ぐばあっ」
それが叶うことはなかった。新人の1人であるケンタウロス族のケープが殺気とともに貴族Aへと舶刀を振るったからだ。それによって、宙を舞う首は残り2人の貴族の足元へと落下した。
「ひ、ひぃ!」
「けし……けしか………けけけけ」
「俺は何度も忠告したはずだ。それも守らず、ましてや殺しにかかるとか、笑えないな。貴族ってのは自分の思い通りにならないことがあるとこういう手段まで講じてくるのか」
「……………」
「何か言いたそうだな、そこの従者。お前の主人を殺った俺達が憎いか?」
「いえ、正直やっと解放されたとホッとしています。こいつには散々、迷惑をかけられましたから…………今回みたいなことも多々ありましたし。でも、大丈夫ですか?貴族にこんなことをして…………」
「知るか、そんなの。仲間達には襲われたら、殺って構わないと事前に言ってある。今回の件もこいつがやらなかったら、他の奴がやっていた。相手が誰であろうとな」
「………ゴクンっ」
「おい、そこの貴族どももこれで分かっただろ。俺達に余計なことをしたら、相手が誰であろうが関係なく反撃するということが。別に帰国しても俺達のことを話すなとか言う訳じゃない。話した上でまた余計なことをしに来るんだったら、覚悟をしておけよ?命の保障はできないからな」
「「た、大変申し訳ございませんでした!!」」
「それから、さっきの仲間のケンタウロス族だが、こいつは現状、クランの幹部ですらないからな?」
「「「「「え!?」」」」」
――――――――――――――――――――
「シンヤさん、手続きが完了致しました」
「おう、ご苦労様」
「あれ?誰かとお話していませんでした?」
「ああ、そいつらなら、もう帰ったわ」
「そうなんですか…………あ、そういえば」
「どうした?」
「先程、受付でライムさんから、ダンジョンの攻略を薦められまして…………どうでしょうか?」
「お、ダンジョンか。そういえば、ここに来た目的の1つでもあったな…………よし、いくか」
こうして、急遽、ダンジョンへと向かうことになった俺達。これから、一体何が出てくるのだろうか…………非常に楽しみである。
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