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決戦前5

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 会議終了後。ルカ達一行は王宮内与えられた一室で、決戦までの時間を過ごした。

「いや~、王宮で過ごすのにも慣れちゃいましたねぇ」

 ベッドの上でゴロゴロと寝転がりながら安鶴沙が言った。

「最初は凄く緊張したんですけど、今ではもう実家のような安心感ですよ。いやぁ、慣れって不思議ですねぇ」

「そうですね。グニトニルでもずっと王宮にいましたし…僕も少し慣れてきた気がします」

 とルカも頷いた。そんな2人のやり取りを見ながら、クラリスが少し恥ずかしそうに告げる。

「でも…王宮の食事って美味しすぎて…私、食べ過ぎて太ってしまわないか心配です」

「うーむ…太っているかどうか私が確かめてあげましょうっ」

 叫ぶなり、安鶴沙はベッドから飛び起きてクラリスに抱きついた。そしてクラリスの体中をむにむにと揉みしだく」

「ちょ、ちょっと、アヅサさんっ…やっ…やめ…っ」

 ベッドの上でくっつき合う安鶴沙とクラリス。そんな2人を見て、アレクシアは苦笑を浮かべた。

 ここ数日、アレクシア、安鶴沙、クラリスの会話はこのような他愛のない話題が中心となっている。ルカは、彼女達が自分のためにそうしてくれているのだと理解していた。

 決戦前だからこそ――せめて、4人でいる時は和やかな時間を過ごして欲しい。彼女達はそう考えていたのだった。
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