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新たな地へ22
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赤髪の女性とルカ達の間に、打ち解けた空気が流れる。しかし、それも一瞬の事。
「まずい!こうしちゃいられないんだった!」
赤髪の女性は慌てた様子で後ろを振り向く。
「オイフェに助けを求めるつもりだったけど…いないんじゃしょうがない。悪かったね、あんたら!もしオイフェに会ったら、あたしが助けを求めてるって伝えておくれ!」
そう告げて立ち去ろうとする赤髪の女性。ルカはその背に声をかける。
「助けを必要としているんですか?」
「…まあね。あたしの村が襲われてるのさ」
「魔物…ですか?」
「そうさ。けど、ただの魔物じゃない…『邪神』の肉体を取り組んで変異した、『偽神魔獣』さ」
「邪神の…!?」
「とにかく、あんたらには関係ない話さ。あたしが結界を壊しちまったけど、この森の地面に魔力を込めればさっきまであんたらがいたオイフェの工房に戻るはずさ。そこまでは偽神魔獣は追って来ない。――って、クソッ。遅かったかい」
赤髪の女性は何か感じ取ったのか、ギリッを歯噛みする。同時に、ルカ達も気がついていた。この場に迫る、異様な殺意を。
「まずい!こうしちゃいられないんだった!」
赤髪の女性は慌てた様子で後ろを振り向く。
「オイフェに助けを求めるつもりだったけど…いないんじゃしょうがない。悪かったね、あんたら!もしオイフェに会ったら、あたしが助けを求めてるって伝えておくれ!」
そう告げて立ち去ろうとする赤髪の女性。ルカはその背に声をかける。
「助けを必要としているんですか?」
「…まあね。あたしの村が襲われてるのさ」
「魔物…ですか?」
「そうさ。けど、ただの魔物じゃない…『邪神』の肉体を取り組んで変異した、『偽神魔獣』さ」
「邪神の…!?」
「とにかく、あんたらには関係ない話さ。あたしが結界を壊しちまったけど、この森の地面に魔力を込めればさっきまであんたらがいたオイフェの工房に戻るはずさ。そこまでは偽神魔獣は追って来ない。――って、クソッ。遅かったかい」
赤髪の女性は何か感じ取ったのか、ギリッを歯噛みする。同時に、ルカ達も気がついていた。この場に迫る、異様な殺意を。
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