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追跡12

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「ちょ、ちょっと!アレクシアさんを殺すとか何言ってるんですか…っ!?」

 レオンゼーレの言葉に、安鶴沙は驚きを隠せない。

「な、なんで…?ティネンで会った時はわたし達を助けてくれたじゃないですか、レオンゼーレさん…!」

「悪いな、お嬢ちゃん。俺達は実は――悪者だったって事さ。絵物語とかでもよくあるだろ?いい奴だと思ってたのが悪者だったって事が。ああいや、お嬢ちゃんは異世界人だから絵物語とか見ないか…?」

「わ、わたしが異世界から来たって…知ってたんですか…?」

「…」

 安鶴沙の問いには答えず立ち去ろうとするレオンゼーレ。

「ま、待ってください!待っ…!」

 安鶴沙はレオンゼーレを追おうと試みる。だが、やはり体は起き上がらない。何か縄のようなもので体が固定されているようだ。

「無駄だよ。あんたの体を縛ってるのは私が魔術で作り出した物質だからね。到底人間の力じゃ…」

 レイミアがそう言い終わらない内に、

「ふぬっ…!」

 安鶴沙が叫ぶ。と同時に、彼女は体を覆っていた魔術製の縄を引きちぎった。
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