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最終試験21

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「アレクシアさんにとって厳しい戦い…?あのドロテアさんって方、そんなにお強いんですか?」

 安鶴沙は試合場でアレクシアと対峙するドロテアに目を向ける。

「はい、かなりの使い手です。ですがそれよりも…」

 ルカが言い終わらない内に、ドロテアが動いた。瞬きひとつの間にその距離を詰める。アルトゥース流修伝体技、『雷足』だ。そこからさらに高速の斬り降ろし、修伝剣技『瞬雷しゅんらい』を放つ。高速接近からの高速斬撃。アルトゥース流剣士が得意とする攻めの形のひとつだ。

 その剣がアレクシアの体を捉えた――と思った瞬間、彼女は体を僅かに横に傾けていた。アレクシアの体の僅か数ミリ先をドロテアの剣が通り過ぎる。神技とも言うべきアレクシアの完璧なる見切り。

「さすがですわね…!」

 速攻が失敗したと見るや、ドロテアはすぐさまバックステップで距離を取った。

「え…?アレクシアさん、どうして…?」

 いつもの彼女なら、ここでドロテアにカウンターの斬撃を叩き込んでいたはず。しかし、アレクシアは…動かない。

「なんで攻めないんでしょうか、アレクシアさん…?」

「攻めれないんです…きっと」

「へっ…?」

「攻めるだけの体力がない…つまりアレクシアさんの体には、練気プネウマがほとんど残っていないはずなんです」
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