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最終試験12

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「さぁて、それじゃぁ第三試合に行こうかぁ」

 レームの声が響く。と同時に、ウォルターはルカに背を向けて歩き出した。

「第三試合――フーベルト・ムニエ、マリエナ・ビーリィ…試合場へ」

「えっ…」

 ルカは告げられた名に些か驚きを覚えた。そして、驚き以上の悦びも。

(マリエナさん…ここまで残ってたんだ…!)

 マリエナ・ビーリィ…ルカと共に一次試験を乗り越えた。少女である。もっとも、正確に言えば『ルカがマリエナを助けた』と言うべきだろうが。

 レームのアナウンスからしばらく後、槍を持った小柄な老人が試合場に姿を現した。奥伝槍使い、フーベルト・ムニエである。だが…、

「マリエナ・ビーリィお姉さぁん?試合場に現れないと失格だよぉ?」

 そんなレームの声が闘技場に鳴り響く。だが…肝心のマリエナは姿を現さない。

「ううん…困ったねぇ…それじゃぁ、第三試合はマリエナ・ビーリィの不戦敗って事で…」

 と、決着が付こうとしたその時、

「ままま、待ってぇ…!待って待ってぇ…!」

 そう叫びながら闘技場に向かって駆けてくる少女の姿がルカの目に入った。
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