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一次試験~ルカパーティ2~

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「えっ!?ルカ君!?」

 少年の姿を認めるや、セーラー服の少女…安鶴沙は驚きに目を見開いた。その隣にいた女性――アレクシアにしても同様だ。

「二人とも――無事だったんですね…!」

 安鶴沙とアレクシアの前に立ち表情を綻ばせる少年の目尻には、うっすらと涙が浮かんでいる。一方の安鶴沙もまた、驚きの後にすぐさま表情が緩み――安堵とも感動とも言えない表情へと変わっていた。

「ルカ君こそ…ご無事で良かったです…っ!」

 安鶴沙にとってこの世界での生活はルカとの出会いから始まっていた。それまでの数日間は、捕らえられ、監禁されて…と、とても生活とは言えない惨憺たる日々だった。元来の明るい性格故に安鶴沙は深刻には受け止めてはいなかったが、それでも彼女は感じていた。『自分はこの世界に望まれていないのではないか』と。

 世界からの拒絶。絶望しかない未来。それを少年が変えた。――変えてくれた。

 ルカが無事にこの試験を乗り越えると信じていた安鶴沙ではあったが、それでもやはり一抹の不安があった。もしもルカが…自分にこの世界で生きる事を認めてくれた大切な人が、万が一にもこの森で命を落としていたら…と。そう思うだけで胸が張り裂けそうだった。

 気が付けば、感極まった安鶴沙はルカの体を抱きしめていた。普段ならそれを恥ずかしがるルカだったが…今は、ただ無言で抱きしめ返した。

「うう…ルカくぅん…っ」

 涙をにじませながら少年の名を呼ぶ安鶴沙。ルカは、彼女の背を優しく撫でた。
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