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優勝4
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(僕が…レオンフォルテさんと…?)
「おおっと!まさか優勝者ルカ・ハークレイ選手とレオンフォルテ閣下の特別試合が実現か!?」
ニコニスはルカに音の魔鉱石を向けた。
「どうされますか?ルカ選手!?レオンフォルテ閣下の申し出を受けられますか!?」
「棄権しても構わんぞ?余と戦い、みじめな姿を晒すのが怖いと言うのであればな」
貴賓席からルカを見下ろし、口元に嗜虐的な笑みを浮かべるレオンフォルテ。ルカはその視線を真っ向から受け止める。
「――分かりました。その申し出、受けさせていただきます」
「…なに?」
迷いない少年の言葉に驚いたのはレオンフォルテの方だ。
「ただし、条件があります」
「なんだ?負ける姿を見られるのが恥ずかしいから観客には見せるな、とでも言うつもりか?」
「いいえ。僕が勝ったら…アレクシアさんは自由にさせてください」
「なんだと、貴様…」
レオンフォルテの声音に怒りの感情が混ざる。
「よもや、余に勝てるとでも思っているのか?」
レオンフォルテは自分から戦いを申し出たにも関わらず、ルカがこの対決を承諾する可能性は低いと思っていた。彼は皆伝剣士。このトーナメントの参加者とは次元の違う存在だ。普通に考えて、ルカに勝てる訳がない。だが…ルカはレオンフォルテに対して闘志を燃やしている。――自分に勝つつもりでいる。それがレオンフォルテの怒りを加速させる。
「…必ず勝てる、とは言いません。でも…アレクシアさんの自由を約束してくれると言うなら、僕は全力で挑みます」
「いいだろう!ならばこうしよう。貴様が勝てば今後一切アレクシアには関わらん。だが…貴様が負けた場合、シュタインベルグ王家から冒険者ギルドに働きかけ貴様の冒険者としての資格を剥奪させてやる。…いいな?」
「――はい、構いません」
「こ、こ、これは凄い事になりました!詳しい事情は分かりませんが…アレクシアという女性の自由と冒険者としての資格をかけ、ルカ選手とレオンフォルテ殿下の対決が決定――!」
「おおっと!まさか優勝者ルカ・ハークレイ選手とレオンフォルテ閣下の特別試合が実現か!?」
ニコニスはルカに音の魔鉱石を向けた。
「どうされますか?ルカ選手!?レオンフォルテ閣下の申し出を受けられますか!?」
「棄権しても構わんぞ?余と戦い、みじめな姿を晒すのが怖いと言うのであればな」
貴賓席からルカを見下ろし、口元に嗜虐的な笑みを浮かべるレオンフォルテ。ルカはその視線を真っ向から受け止める。
「――分かりました。その申し出、受けさせていただきます」
「…なに?」
迷いない少年の言葉に驚いたのはレオンフォルテの方だ。
「ただし、条件があります」
「なんだ?負ける姿を見られるのが恥ずかしいから観客には見せるな、とでも言うつもりか?」
「いいえ。僕が勝ったら…アレクシアさんは自由にさせてください」
「なんだと、貴様…」
レオンフォルテの声音に怒りの感情が混ざる。
「よもや、余に勝てるとでも思っているのか?」
レオンフォルテは自分から戦いを申し出たにも関わらず、ルカがこの対決を承諾する可能性は低いと思っていた。彼は皆伝剣士。このトーナメントの参加者とは次元の違う存在だ。普通に考えて、ルカに勝てる訳がない。だが…ルカはレオンフォルテに対して闘志を燃やしている。――自分に勝つつもりでいる。それがレオンフォルテの怒りを加速させる。
「…必ず勝てる、とは言いません。でも…アレクシアさんの自由を約束してくれると言うなら、僕は全力で挑みます」
「いいだろう!ならばこうしよう。貴様が勝てば今後一切アレクシアには関わらん。だが…貴様が負けた場合、シュタインベルグ王家から冒険者ギルドに働きかけ貴様の冒険者としての資格を剥奪させてやる。…いいな?」
「――はい、構いません」
「こ、こ、これは凄い事になりました!詳しい事情は分かりませんが…アレクシアという女性の自由と冒険者としての資格をかけ、ルカ選手とレオンフォルテ殿下の対決が決定――!」
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