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準決勝第一試合8
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「ふう…」
ローエングリンとの戦いを終えたルカは試合場を後にし、観客席へと続く通路を進む。そんな彼の目の前にふたつの人影が現れた。
「ルカ君…」
「ルカ君!」
駆け寄ってきたのはアレクシア、そして安鶴沙だ。
「あれ…二人とも、どうしたんですか?観客席にいたんじゃ…」
「どうしたもこうしたもないですよぅ!」
安鶴沙が心配そうにルカを覗き込む。
「か、体の方は大丈夫なんですか?」
「ああ、すみません…心配させてしまって」
安鶴沙の言葉で、彼女たちが来た理由が分かった。準決勝で負傷したルカの体を気にかけてくれたのだ。
「でも安心してください。試合場にかけられた付与魔術のおかげで傷は回復してますから」
そう言って、先ほどまで槍に貫かれていた左掌を差し出して見せる。
「そ、そうですか…治ったならいいですけど…」
ホッと胸を撫で下ろす安鶴沙。対して、アレクシアは神妙な面持ちのままだ。
「アレクシアさん…どうかしましたか…?」
「正直な所、私は…」
アレクシアは言った。
「君にあのような無茶な戦い方はして欲しくない。傷は治ると言っても、負傷した際の痛みは本物のはずだ」
「…はい」
「けれど同時に、私はひとりの剣士として君の事を認めている。君が勝つために必要だと判断した以上、私はそれを尊重したい。だけどね、ルカ君」
アレクシアはルカに歩み寄り、左掌をそっと握りしめた。
「私やアヅサのように、君を大切に思っている人間がいる事…それは忘れないでいて欲しい」
「…分かりました」
少年は頷いた。その様子を見て、アレクシアはふっと笑みを作る。
「せっかくの勝利なのに、なんだかしんみりするような事を言ってしまったね。それでは、改めて――」
アレクシアはチラリと目配せする。それに応じ、いつの間にかルカの背後に回っていた安鶴沙が頷いた。
「「準決勝突破、おめでとう…ルカ君」」
「わ…!」
前からアレクシアに、後ろからは安鶴沙に抱きつかれ祝福の抱擁を受けるルカだった。
ローエングリンとの戦いを終えたルカは試合場を後にし、観客席へと続く通路を進む。そんな彼の目の前にふたつの人影が現れた。
「ルカ君…」
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「あれ…二人とも、どうしたんですか?観客席にいたんじゃ…」
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安鶴沙の言葉で、彼女たちが来た理由が分かった。準決勝で負傷したルカの体を気にかけてくれたのだ。
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アレクシアは言った。
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「…はい」
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「…分かりました」
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「せっかくの勝利なのに、なんだかしんみりするような事を言ってしまったね。それでは、改めて――」
アレクシアはチラリと目配せする。それに応じ、いつの間にかルカの背後に回っていた安鶴沙が頷いた。
「「準決勝突破、おめでとう…ルカ君」」
「わ…!」
前からアレクシアに、後ろからは安鶴沙に抱きつかれ祝福の抱擁を受けるルカだった。
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