14 / 1,014
ルフェールへの道中7
しおりを挟む
ルカは、ズシン…という地を振るわせる響きを感じ目を覚ました。
「ん…?」
最初、気のせいだろうかと思った。しかし、しばらくしてまた、ズシン…という地響き。
「この音は…?」
跳ね起きてテントの外に出る。
「なっ…?」
目に飛び込んできた光景に絶句する。野営地の周囲は包囲されていた。馬ほどの大きさもある爬虫類の群れによって。
「これは…ボグリザード…!」
ボグリザード。やや前傾した姿勢を取る二足歩行の爬虫類系魔物。動きは犬並みに素早く、皮膚の固さはシェルバッファローを上回る。そして何より…肉食性で、獰猛な性質の持ち主だ。魔物ランクはD。
(沼地に住むはずのボグリザードがこんな所に!?それに、どうして夜警のドナルドさんは包囲されるまで気が付かなかったんだ?)
ドナルドの事が頭に浮かんだ瞬間、それは最悪の想像に繋がる。もうすでにドナルドはこの魔物の胃袋の中に入ってしまったのではないかという想像だ。素早く周囲に目を走らせる。すると…いた。焚火の近くで、俯けになって倒れている。
一瞬、死んでるのかと思い背筋が凍り付く。しかし、
「ぐおー…おっ…もう、飲めねえ、よ…」
大きないびきと、間の抜けた寝言。ドナルドは死んではいない。ただ眠りこけているだけだ。よく観察すれば、彼の手にはジョッキが握られており地面にはワインのものらしい赤い液体によるシミが見えた。
(お酒を飲んで酔っ払って…居眠り?それで気が付かなかった…でも、なんで今お酒を?…いや、それどころじゃない!)
今考えるべきは、目の前の魔物にどうやって対応するかだ。ボグリザードは野営地を囲んだまま近付いてこない。おそらく炎を警戒しているのだろう。だが、何匹かはこちらに向かってジリジリと近付いてきている。この均衡が崩れるのも時間の問題だ。
(まずはみんなを起こさないと…!)
ゆっくりとテントへ戻り、その入り口を開け詠唱を行う。
「光よ、行く先を照らせ『ウィル・オー・ザ・ウィスプ』」
初伝形成魔術、『ウィル・オー・ザ・ウィスプ』光を発する球体を作り出す魔術だ。篝火よりは弱いが、テントの中を照らすには十分だった。
「ん…なんじゃ…?」
「んん…?」
テントの中にいた全員が眩しさに目を覚ます。
「みんな、起きてください。そしてテントの外に。…決して騒がないように」
ルカに誘導され、六人がテントの外に出た。全員の瞳に、篝火に照らされるボグリザードの姿が映る。
「おう…」
唸り声をあげるジムケ。
「ひっ…」
両手で口元を覆うデボラ。
三人の隊員は目を丸くし、「わっ」だの「あわわ」だの小さな悲鳴を漏らしている。
アレクシアだけが無言だった。一言も声を発さず…鋭い視線を周囲に向けている。
「…ひとまず、中央の焚火へ」
ルカが全員を促し、焚火の周りへ集まった。ボグリザードが火を恐れているならば、焚火の近くが最も安全なはずだ。ドナルドはというと…まだ眠りこけていた。
「あたしが起こすわ」
そう言って、デボラがしゃがみ込む。
「汚れよ、その身から立ち去れ『エレメンタリー・デトックス』」
初伝魔術、『エレメンタリー・デトックス』人の持つ解毒作用を増幅させる状態回復魔術。本来は体内の毒素を排出させるために使用されるものだが、アルコールによる酩酊にも効果がある。
ドナルドの顔からすっと赤みが引いた。それを見て、デボラが体を揺する。
「あん…?もう朝か…?」
「何言ってんの。起きて…!」
夢でも見ているようなぼんやりとした表情で周囲を見回した後…ドナルドは突然正気を取り戻したかのようにバッと立ち上がる。
「ど、ど、どうなってんだこりゃ…!」
「どうもこうも、あんたのせいで…いえ、今はいいわ。とにかく、今あたしたちは魔物に囲まれてる。なんとかしないと…!」
「デボラさん、ドナルドさん」
ルカが横目で二人を見る。
「ボグリザードは倒せますか…?」
「そりゃ、あたしもドナルドもDランクだからね。一対一なら勝てる自信はあるさ。でも…数が多すぎる」
魔物ランクは、どのレベルの冒険者なら対処可能であるかを表している。Dランクの冒険者ならDランクの魔物に対処できる、という事だ。もっとも、それは状況や相性によっても変わるためあくまで目安でしかないが。
ルカは状況を分析する。
ボグリザードの数はおよそ20匹。対してこちら側で戦力になるのは、まずデボラとドナルド。二人合わせれば3、4匹は倒せるだろう。
(隊員の人たちは…)
見れば、三人の隊員はがくがくと震え今にもへたり込みそうだった。一応護身用のナイフを持っているが、それも取り落としそうだ。
「みなさん、ナイフはしまってください。それより…これを」
そう言って、焚き木の中から先端に火のついた薪を拾って手渡す。
「こ、こんなんで身を守れんのか…?」
「ナイフよりこっちの方がリーチがあります。それに、ボグリザードは火を苦手としています。…もっとも、この程度の火では気休めにしかなりませんけど」
(ジムケさんは…)
ジムケは、さすが隊長だけあって他の隊員たちより落ち着いていた。だが、彼の顔も青ざめている。年齢も鑑み、戦力に数えない方がいいだろう。
馬車に繋がれている馬は、荷引き用の馬で足が遅い。あれに乗って逃げる事もできない。
(あとは、アレクシアさんと僕か…)
アレクシアの戦闘力は未知数。とはいえ、Fランクでしかないためあまり期待はできない。
(そういう僕もFランクだけど)
頑張った所で、なんとかボグリザードを1匹仕留めるのが限界だろう。それがルカの自己評価だった。
結局、戦力になるのはデボラとドナルドがボグリザード3、4匹分。ルカが1匹分。アレクシアも同等の実力と見た場合、1匹分。こちらが同時に相手できるボグリザードは6匹が限界だ。
(全員で攻め込まれたら…僕らには、なす術はない)
そして、ボグリザードが一匹ずつかかって来るなどという想定は甘い幻想だろう。つまり…待ち受けるのは、ボグリザード20匹による商隊の蹂躙だ。それを防ぐ方法は…、
(ひとつしか、ない)
しかしそのひとつを選んでしまった場合、ルカの夢は潰える事となる。冒険者の最高位になり多くの人を助けるという夢は。
そんな選択を選ぶくらいなら、がむしゃらに逃げた方がまだマシだろう。全員が散らばって逃げれば、運よくひとりかふたりは助かるかもしれない。そして自分がそのひとりやふたりになれる可能性もあるのだ。だが――、
(目の前の人間を救えなくて…何が冒険者の最高位だ)
ルカは歯を食いしばる。少年は、決断を下した。
「デボラさん…炎属性の攻撃魔術を使って、ボグリザードの包囲に穴を開けてください」
「え…でも、包囲を破ってもすぐに追いつかれるよ」
「もし敵が追いすがってきたら、ドナルドさんと一緒に振り払ってください。他のみなさんも…デボラさんやドナルドさんと一緒に、逃げて」
「みなさんって…あ、あんたはどうするんだい!?」
「僕は、囮になります」
その時だった。ボグリザードが一匹、前へ進み出たのは。火への警戒と自身の空腹を天秤にかけ、空腹の方が上回ったのだろう。その一匹に釣られるように、二匹、三匹とボグリザードが動き出した。
(詳しく説明してる暇はない…!)
「行きます!逃げてください!」
ルカはボグリザードの群れに向かって走り出した。
「ん…?」
最初、気のせいだろうかと思った。しかし、しばらくしてまた、ズシン…という地響き。
「この音は…?」
跳ね起きてテントの外に出る。
「なっ…?」
目に飛び込んできた光景に絶句する。野営地の周囲は包囲されていた。馬ほどの大きさもある爬虫類の群れによって。
「これは…ボグリザード…!」
ボグリザード。やや前傾した姿勢を取る二足歩行の爬虫類系魔物。動きは犬並みに素早く、皮膚の固さはシェルバッファローを上回る。そして何より…肉食性で、獰猛な性質の持ち主だ。魔物ランクはD。
(沼地に住むはずのボグリザードがこんな所に!?それに、どうして夜警のドナルドさんは包囲されるまで気が付かなかったんだ?)
ドナルドの事が頭に浮かんだ瞬間、それは最悪の想像に繋がる。もうすでにドナルドはこの魔物の胃袋の中に入ってしまったのではないかという想像だ。素早く周囲に目を走らせる。すると…いた。焚火の近くで、俯けになって倒れている。
一瞬、死んでるのかと思い背筋が凍り付く。しかし、
「ぐおー…おっ…もう、飲めねえ、よ…」
大きないびきと、間の抜けた寝言。ドナルドは死んではいない。ただ眠りこけているだけだ。よく観察すれば、彼の手にはジョッキが握られており地面にはワインのものらしい赤い液体によるシミが見えた。
(お酒を飲んで酔っ払って…居眠り?それで気が付かなかった…でも、なんで今お酒を?…いや、それどころじゃない!)
今考えるべきは、目の前の魔物にどうやって対応するかだ。ボグリザードは野営地を囲んだまま近付いてこない。おそらく炎を警戒しているのだろう。だが、何匹かはこちらに向かってジリジリと近付いてきている。この均衡が崩れるのも時間の問題だ。
(まずはみんなを起こさないと…!)
ゆっくりとテントへ戻り、その入り口を開け詠唱を行う。
「光よ、行く先を照らせ『ウィル・オー・ザ・ウィスプ』」
初伝形成魔術、『ウィル・オー・ザ・ウィスプ』光を発する球体を作り出す魔術だ。篝火よりは弱いが、テントの中を照らすには十分だった。
「ん…なんじゃ…?」
「んん…?」
テントの中にいた全員が眩しさに目を覚ます。
「みんな、起きてください。そしてテントの外に。…決して騒がないように」
ルカに誘導され、六人がテントの外に出た。全員の瞳に、篝火に照らされるボグリザードの姿が映る。
「おう…」
唸り声をあげるジムケ。
「ひっ…」
両手で口元を覆うデボラ。
三人の隊員は目を丸くし、「わっ」だの「あわわ」だの小さな悲鳴を漏らしている。
アレクシアだけが無言だった。一言も声を発さず…鋭い視線を周囲に向けている。
「…ひとまず、中央の焚火へ」
ルカが全員を促し、焚火の周りへ集まった。ボグリザードが火を恐れているならば、焚火の近くが最も安全なはずだ。ドナルドはというと…まだ眠りこけていた。
「あたしが起こすわ」
そう言って、デボラがしゃがみ込む。
「汚れよ、その身から立ち去れ『エレメンタリー・デトックス』」
初伝魔術、『エレメンタリー・デトックス』人の持つ解毒作用を増幅させる状態回復魔術。本来は体内の毒素を排出させるために使用されるものだが、アルコールによる酩酊にも効果がある。
ドナルドの顔からすっと赤みが引いた。それを見て、デボラが体を揺する。
「あん…?もう朝か…?」
「何言ってんの。起きて…!」
夢でも見ているようなぼんやりとした表情で周囲を見回した後…ドナルドは突然正気を取り戻したかのようにバッと立ち上がる。
「ど、ど、どうなってんだこりゃ…!」
「どうもこうも、あんたのせいで…いえ、今はいいわ。とにかく、今あたしたちは魔物に囲まれてる。なんとかしないと…!」
「デボラさん、ドナルドさん」
ルカが横目で二人を見る。
「ボグリザードは倒せますか…?」
「そりゃ、あたしもドナルドもDランクだからね。一対一なら勝てる自信はあるさ。でも…数が多すぎる」
魔物ランクは、どのレベルの冒険者なら対処可能であるかを表している。Dランクの冒険者ならDランクの魔物に対処できる、という事だ。もっとも、それは状況や相性によっても変わるためあくまで目安でしかないが。
ルカは状況を分析する。
ボグリザードの数はおよそ20匹。対してこちら側で戦力になるのは、まずデボラとドナルド。二人合わせれば3、4匹は倒せるだろう。
(隊員の人たちは…)
見れば、三人の隊員はがくがくと震え今にもへたり込みそうだった。一応護身用のナイフを持っているが、それも取り落としそうだ。
「みなさん、ナイフはしまってください。それより…これを」
そう言って、焚き木の中から先端に火のついた薪を拾って手渡す。
「こ、こんなんで身を守れんのか…?」
「ナイフよりこっちの方がリーチがあります。それに、ボグリザードは火を苦手としています。…もっとも、この程度の火では気休めにしかなりませんけど」
(ジムケさんは…)
ジムケは、さすが隊長だけあって他の隊員たちより落ち着いていた。だが、彼の顔も青ざめている。年齢も鑑み、戦力に数えない方がいいだろう。
馬車に繋がれている馬は、荷引き用の馬で足が遅い。あれに乗って逃げる事もできない。
(あとは、アレクシアさんと僕か…)
アレクシアの戦闘力は未知数。とはいえ、Fランクでしかないためあまり期待はできない。
(そういう僕もFランクだけど)
頑張った所で、なんとかボグリザードを1匹仕留めるのが限界だろう。それがルカの自己評価だった。
結局、戦力になるのはデボラとドナルドがボグリザード3、4匹分。ルカが1匹分。アレクシアも同等の実力と見た場合、1匹分。こちらが同時に相手できるボグリザードは6匹が限界だ。
(全員で攻め込まれたら…僕らには、なす術はない)
そして、ボグリザードが一匹ずつかかって来るなどという想定は甘い幻想だろう。つまり…待ち受けるのは、ボグリザード20匹による商隊の蹂躙だ。それを防ぐ方法は…、
(ひとつしか、ない)
しかしそのひとつを選んでしまった場合、ルカの夢は潰える事となる。冒険者の最高位になり多くの人を助けるという夢は。
そんな選択を選ぶくらいなら、がむしゃらに逃げた方がまだマシだろう。全員が散らばって逃げれば、運よくひとりかふたりは助かるかもしれない。そして自分がそのひとりやふたりになれる可能性もあるのだ。だが――、
(目の前の人間を救えなくて…何が冒険者の最高位だ)
ルカは歯を食いしばる。少年は、決断を下した。
「デボラさん…炎属性の攻撃魔術を使って、ボグリザードの包囲に穴を開けてください」
「え…でも、包囲を破ってもすぐに追いつかれるよ」
「もし敵が追いすがってきたら、ドナルドさんと一緒に振り払ってください。他のみなさんも…デボラさんやドナルドさんと一緒に、逃げて」
「みなさんって…あ、あんたはどうするんだい!?」
「僕は、囮になります」
その時だった。ボグリザードが一匹、前へ進み出たのは。火への警戒と自身の空腹を天秤にかけ、空腹の方が上回ったのだろう。その一匹に釣られるように、二匹、三匹とボグリザードが動き出した。
(詳しく説明してる暇はない…!)
「行きます!逃げてください!」
ルカはボグリザードの群れに向かって走り出した。
29
お気に入りに追加
304
あなたにおすすめの小説
BL短篇集
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
BLで全年齢の短篇集。SF(少し不思議)だったり妖(あやかし)だったり、その他いろいろ。1話完結、お好みのものをつまみ食いのようにお楽しみいただければ幸いです。他サイトからのんびり転載中。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる