きっとこの世はニャンだふる♪

Ete

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心機一転!

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「だぁ~かぁ~らぁ~。一緒に入ろうよ。なぁ?」

「何度も言うように、ここの決まりなんですよぉ~」

「あーもー!ごちゃごちゃごちゃごちゃ!」


一体俺らが何を揉めてるかって?
それが…


今から遡ることほんの数分前。
俺は【転生コース】に変更することが出来て、墓から外の世界へ飛び出した!

その後、俺は高い空へと案内人に連れて行かれた。
墓も家もどんどん小さくなって行く。

しかも雲の上に昇ったらしく、所々に下界が見えている。

正直 怖っ‼︎

一体どこまで行くんだ?
魂ってやつはほんと自由だな。


「着きましたよ♪」

「な…なんじゃこりゃ?」


案内人が俺を連れてきた場所。
それはものすご~くでっかい《扉》の前だった。

こんな扉は見たことない。
見上げると、自然と口が開いてしまう。
それほど高くてめちゃくちゃデカい‼︎
一体どうやって開閉するんだ⁉︎

「こちらが転生コースの入り口になります」
案内人はにこやかに右手で扉を示している。

「転生コースと言いましても、生まれ変わるにはちゃんと手順が必要なんですよ」
案内人はピンクのファイルを取り出した。

「ぷっ!今度はピンク」
思わず吹き出した。

「えっへん!」
案内人は咳払いをすると、いつものように説明を始める。

「今回那智様が選ばれた【転生コース】は、この扉の向こうに準備してございます。扉を開けて中に入って頂きますと、専門スタッフがお待ちしております。それに従って頂ければ那智様ご希望の転生ができるようになっているはずです。多分」

「あんたは一緒に入らないのか?」

「私の役目は成仏するまでのサポート。ここから先は特別な場所なので、我々案内人は入れない決まりなのですよ」

「さっきの説明、『はず』とか『多分』ってのはどーゆーこと?気になるんだけど」
俺はまた顔をグッと近づけながら質問した。

「そ、それにつきましてはぁ~。わたくし、ここから先に入った事がありませんので、多分…としか申し上げられません」
案内人はダラダラと汗をかきはじめた。

「はぁ~⁉︎じゃなにか?こっから先は、入ってみないと分からないってことか?」

「その通りでござい…ぐえぇっっええええ‼︎」

男が言い終わるまでに、俺はまた思いっきりネクタイを引っ張った!

「そんないい加減な案内ってあるか?知らない場所まで連れてきて、はい、さようならってか?」

「し、しかしですね…」



という感じで ここから冒頭に戻る。


「だぁ~かぁ~らぁ~。一緒に入ろうよ。なぁ?」

「何度も言うように、ここの決まりなんですよぉ~」

「あーもー!ごちゃごちゃごちゃごちゃ!」

またもやネクタイを跳ね返す。

「いったぁあああ!も~やめてくださいよぉ~」

そう言いながら、あまり嫌そうに見えない。
こいつ相当慣れてるとみた。

そもそも、転生って言ってもどんな風にされるのか、こっちは全く分からない。
せめて知った人間が一人でも居れば安心できるのだが。
しかしこの様子だと、本当に案内人はここまでのようだ。

仕方ない。
あまり虐めても可哀想だ。
ここは腹をくくるしかないか。

「よし!分かった!あんたにも都合があるんだろうし。今まで俺のわがままに付き合っってくれてありがとう。ここまでほんと世話になった。マジで感謝する」

確かにこの男がいなかったら、俺は路頭に迷う魂になってたかもしれないし。

「那智様~!ありがとうございます!こちらこそお手伝いできて良かったです」
案内人は感激したのか?サングラスの下を、ハンカチで拭いている。

こいつ、嘘泣きしてる。
涙が出てないな。

「で?ここはどうやって開けるんだ?」

「簡単です。押してみてください」

え?これ押す⁉︎
どんだけ力がいると思ってるんだ⁉︎

俺は言われた通りにやってみた。
「押すって、こうか?」

俺は案内人の顔を見ながら左手を扉に当ててみた。

するとどうだ⁉︎


ゴゴゴゴゴォオオオオオオオオオオオ‼︎



あ…?え???
はぁあああああああ⁉︎

こんなに大きい扉が…あっさり開いたんですけど…?

俺は案内人を見たまま固まった。

「ね、簡単でしょ?ささ、どうぞ中へ」

「お、おう…」


扉の向こうは光り輝いていて、大層眩しかった。
サングラスが欲しかったが、案内人のを取り上げるわけにもいかない。

そのうち目が慣れてきて、少し向こうが見えてきた。

誰かが立っている?

金髪の…長い髪を後ろで束ねて、白いスーツを着た男。

俺は案内人を見て、またその金髪の男を見て、また案内人を見て…

「この人…あんた?」
金髪の男を指して、案内人に尋ねる。

どう言うこと?

すると、今度は金髪の男が話しかけてきた。

「那智様、お待ちしていました。初めまして。私はこう言う者です」

胸ポケットから名刺を出してくる。


【転生コース】専門員

担当者氏名 GO  ENN


GO  ENN…ご…えん…

ご縁か⁉︎

名前無いの次はご縁ときたかぁ~(笑)
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