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俺はギタリストなんだが、なぜか満腹中枢が変になってるベーシストにメシを奢ったりする
パーりナイっ!に行こうよ
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おモテ参道ビルズに着いたのは開場時間の少し前だった。
少し迷ったが、そこまで荷物にもならないしダグからもらった”エロサーファー”Tシャツは紙袋ごと持ってきていた。
パーティ会場内にコインロッカーもあるだろう。
しかし、シブ谷からミナトミライに行く電車内でいつのまにか俺は寝てしまったので結局のところ誰一人として誘う事は出来ていなかった。
その後の実家でもおモテ参道に来る電車の中でも今更誰かに連絡をしてドレスコードを説明したり誘ったりするのが面倒になってしまった。
今夜は一人でもその雰囲気を楽しめばそれでいっか。という気分に途中でなりそのつもりで会場に来ていた。
何かの音楽ライブとかDJくらいは出るはずだ。ドリンクを飲みながらそれを見ているだけでも俺としては退屈はしないし、何かSorrys!の音楽活動の参考にもなるかもしれない。
俺は紙袋の中からチケット用封筒を取り出し、手に取った。。。
手に取った紙を見ると、それはバイト先のレストランの紙オシボリだった。
あれ??
なんでだ??紙袋を引っくり返して、Tシャツもばさばさ振ってみたがチケットはどこにもない。
おーいっっっぅぅっ!!!!どゆことーーー!!???
どっかに置いてきたんか?落としたんか?
もしかして俺が着替えている間母さんとか佳棲が触ったのか?
いや、ずっと入っているものだとばっかり思っていたが。。。
っつーー!。。。ヘタこいたーーー。。。。
俺は入り口前のセキュリティの強面お兄さんがいる前でしゃがみ込み、どこまであのチケットの入った封筒があったかを記憶の中でスキャンしようとしていた。
っていうか誰が紙オシボリなんか入れたんだ?入ってなかっただろ。絶対。
ところが、全く変な事に今日の昼時から今までの記憶はゆっくりとは思い出す事は出来ず、ものすごい速さ多分50倍速くらいで再生されてしまい、その細部を思い出す事が出来なかった。
「おーい!!麻生田川ーーー!おっまたせー。」
聞き覚えのある声だった。ハラ宿方面の歩道橋を降りてくる人影、見た事のあるどかどかとした歩き方、ちんちくりんのシルエット。
なんだ。七九間。。。?
「え。どうしたんだよ。七九間?」
「どうしたってなにが??あ。金色のものなら身に着けてきたよー。ほらほらー。どお?どお?いいだろ?」
七九間は金色のネックレスとブレスレットを見せた。そのせいかいつもと違いかなりヒップホップ系ノリのファッションをしている。
「ってか七九間。今日のパーティお前も呼ばれてたのか?もしかしてお前もダグに店で会ったの?」
俺はしゃがんだままの体勢で七九間に言った。
あ。
そっか、そうだ!
確か一枚のチケットで4人入れたはずだ!!
「七九間、チケット持ってるの?もしあれなら俺もそれで入れてくれよ。」
「は?なに。その感じ?面白くないぞ?麻生田川。こないだRッポン木のバーで飲んだ時に麻生田川が私を誘っただろ!ほらチケット持ってきてやったぞ。」
七九間がバッグからチケットの封筒を取り出して見せた。その封筒は俺が持っていた物と全く同じだった。
「???え。それ誰にもらったんだ?あれか、ガタイの良い日系人か?ダグっていう。」俺は立ち上がって聞き返した。
「はぁー??なに言ってんの。私は麻生田川から預かったろ?なんだ。麻生田川あの日そんなに酔ってなかっただろ?」
「いや、お前はべろんべろんだったし、まああれだと記憶が変になるのもわからんではないが。。。」
「誰がべろんべろんだったんだよ。私はいつも通りそこまで飲んではなかったぞ。記憶もちゃんとしてるし。」
七九間がかなり心外そうに反論してくる。
あれ。こういう場合テレながら素直に謝ってくるタイプなんだが、、、。
「お前、、あんなに酔っ払ってただろ。ま、まあ、、なにか事情もあるんだろうし。それは別に詮索しないけどな。」俺は七九間が恋だ何だと言ってたのを思い出して口ごもった。七九間なりにほじくり返されたくない事もあるだろう。。。
俺は紙袋からTシャツを取り出して大きく広げて見せながら言った。
「俺がそれと同じチケットをもらったのは今日の昼で、このTシャツ着たダグって言うマウヰのサーファーがくれたんだ。お前もそのチケット、ダグからもらったんだろ?」
「ふはははっ。なんなんだよそのTシャツっ!!”エロサーファー”って!?いっきなし面っ白いなー!!麻生田川。
ったく。真面目な顔してやる事かよ。どこまでがネタなんだよそれ。もう時間だし外寒いしこんなとこでギャグかましてないでさっさと中に入ろうぜ。ドリンクもなんかあるんだろうし。そのTシャツのギャグは私にしっかり刺さったからさ。安心しろよ。な。ふふつ。」
七九間はまだ笑いが収まらないながら俺に構わず入り口の受付にチケットを持っていった。
いや、、、そうじゃなくって。。
「早く来いよー。麻生田川ー。」
少し迷ったが、そこまで荷物にもならないしダグからもらった”エロサーファー”Tシャツは紙袋ごと持ってきていた。
パーティ会場内にコインロッカーもあるだろう。
しかし、シブ谷からミナトミライに行く電車内でいつのまにか俺は寝てしまったので結局のところ誰一人として誘う事は出来ていなかった。
その後の実家でもおモテ参道に来る電車の中でも今更誰かに連絡をしてドレスコードを説明したり誘ったりするのが面倒になってしまった。
今夜は一人でもその雰囲気を楽しめばそれでいっか。という気分に途中でなりそのつもりで会場に来ていた。
何かの音楽ライブとかDJくらいは出るはずだ。ドリンクを飲みながらそれを見ているだけでも俺としては退屈はしないし、何かSorrys!の音楽活動の参考にもなるかもしれない。
俺は紙袋の中からチケット用封筒を取り出し、手に取った。。。
手に取った紙を見ると、それはバイト先のレストランの紙オシボリだった。
あれ??
なんでだ??紙袋を引っくり返して、Tシャツもばさばさ振ってみたがチケットはどこにもない。
おーいっっっぅぅっ!!!!どゆことーーー!!???
どっかに置いてきたんか?落としたんか?
もしかして俺が着替えている間母さんとか佳棲が触ったのか?
いや、ずっと入っているものだとばっかり思っていたが。。。
っつーー!。。。ヘタこいたーーー。。。。
俺は入り口前のセキュリティの強面お兄さんがいる前でしゃがみ込み、どこまであのチケットの入った封筒があったかを記憶の中でスキャンしようとしていた。
っていうか誰が紙オシボリなんか入れたんだ?入ってなかっただろ。絶対。
ところが、全く変な事に今日の昼時から今までの記憶はゆっくりとは思い出す事は出来ず、ものすごい速さ多分50倍速くらいで再生されてしまい、その細部を思い出す事が出来なかった。
「おーい!!麻生田川ーーー!おっまたせー。」
聞き覚えのある声だった。ハラ宿方面の歩道橋を降りてくる人影、見た事のあるどかどかとした歩き方、ちんちくりんのシルエット。
なんだ。七九間。。。?
「え。どうしたんだよ。七九間?」
「どうしたってなにが??あ。金色のものなら身に着けてきたよー。ほらほらー。どお?どお?いいだろ?」
七九間は金色のネックレスとブレスレットを見せた。そのせいかいつもと違いかなりヒップホップ系ノリのファッションをしている。
「ってか七九間。今日のパーティお前も呼ばれてたのか?もしかしてお前もダグに店で会ったの?」
俺はしゃがんだままの体勢で七九間に言った。
あ。
そっか、そうだ!
確か一枚のチケットで4人入れたはずだ!!
「七九間、チケット持ってるの?もしあれなら俺もそれで入れてくれよ。」
「は?なに。その感じ?面白くないぞ?麻生田川。こないだRッポン木のバーで飲んだ時に麻生田川が私を誘っただろ!ほらチケット持ってきてやったぞ。」
七九間がバッグからチケットの封筒を取り出して見せた。その封筒は俺が持っていた物と全く同じだった。
「???え。それ誰にもらったんだ?あれか、ガタイの良い日系人か?ダグっていう。」俺は立ち上がって聞き返した。
「はぁー??なに言ってんの。私は麻生田川から預かったろ?なんだ。麻生田川あの日そんなに酔ってなかっただろ?」
「いや、お前はべろんべろんだったし、まああれだと記憶が変になるのもわからんではないが。。。」
「誰がべろんべろんだったんだよ。私はいつも通りそこまで飲んではなかったぞ。記憶もちゃんとしてるし。」
七九間がかなり心外そうに反論してくる。
あれ。こういう場合テレながら素直に謝ってくるタイプなんだが、、、。
「お前、、あんなに酔っ払ってただろ。ま、まあ、、なにか事情もあるんだろうし。それは別に詮索しないけどな。」俺は七九間が恋だ何だと言ってたのを思い出して口ごもった。七九間なりにほじくり返されたくない事もあるだろう。。。
俺は紙袋からTシャツを取り出して大きく広げて見せながら言った。
「俺がそれと同じチケットをもらったのは今日の昼で、このTシャツ着たダグって言うマウヰのサーファーがくれたんだ。お前もそのチケット、ダグからもらったんだろ?」
「ふはははっ。なんなんだよそのTシャツっ!!”エロサーファー”って!?いっきなし面っ白いなー!!麻生田川。
ったく。真面目な顔してやる事かよ。どこまでがネタなんだよそれ。もう時間だし外寒いしこんなとこでギャグかましてないでさっさと中に入ろうぜ。ドリンクもなんかあるんだろうし。そのTシャツのギャグは私にしっかり刺さったからさ。安心しろよ。な。ふふつ。」
七九間はまだ笑いが収まらないながら俺に構わず入り口の受付にチケットを持っていった。
いや、、、そうじゃなくって。。
「早く来いよー。麻生田川ー。」
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