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1つの国を巡る。

俺らはいわゆる”勇者”ってやつらしいよ?テイク1!

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行為のさなかで突如として現れた青年…とは言ってはいるがどこからどう見ても完璧な金髪美少女であるアラジンはアイドゥと祭が着替え終わったのを見越してからノックをし、そろりと顔を出す。そして謝罪をした。

「先ほどは…その。申し訳ありませんでした!故意では無かったの!わざとではなくて…。」

「えっと…。わざとじゃないのは分かったから…。まぁまあ!!!気にしないで!」

「…本当にごめんなさい。」

アラジンが赤面をしながら2人に謝罪をすれば祭は彼女を許すものの内心ではかなりの違和感を感じている。というか、普通であれば少女であるアラジンの着替え姿を見てしまってこちらが謝るというのがセオリーではないのだろうか?

(…やっぱりこの国は変だ。)

そんなことを思っていれば窓ガラスからトントンと音が鳴ったので目を向ける。するとそこには何処かへと行ってしまっていたエルリアが手を振って声を出していた。

「あぁエルリア。今開けるよ。」

彼女の応答をするアイドゥが窓を開ければエルリアは氷の羽をヒラヒラとさせて宙を舞う。そしてその場に居た少女であるアラジンに驚いてから挨拶をした。

「なんと!??これは可愛らしげな女の子さね~!初めまして!私はエルリアさね!」

「…少女?僕は男…何だけど?」

「「へっ!???」」

アラジンの言葉に祭とエルリアがさらに驚く。すると彼女は上着を脱ぎ始めてしまったのだ。突然のことに祭は慌てふためいては目を覆い隠…そうとはするがやっぱり見たいのでうっすら開けている彼にアイドゥは彼の目をさらに覆い隠す。

「あっ!??てめぇ!すんごいイイチャンスなのに!!!」

「…マツリは見なくていいの。……ムカつくから。」

「ム!ムカつくってなんだよ!おい!」

「このマツリバカはおいて置いて…君もよく知らないけど脱がなくていいから。この童貞さんに刺激強いからさ。」

「きー!!!ムカつく!!!」

祭の目元をしっかりと閉ざしてはアイドゥだけアラジンの裸を見ようとしているのではないかと疑うがそうではないそうだ。そんな彼らに疑問を覚えているアラジンは脱ぐのを止めて服を着替え直す。

「???童貞?よく分からないけど君達は女の子なんじゃ…?僕はアラジン。勇者様を探しにこちらへ参上させて頂いたのです。…この世界では男が胸があって女には…その、アレが付いてるから。」

恥ずかしげにアラジンが言うので察しがついたアイドゥは軽く頷く。

「あ~…。あれね。ツッコミどころが満載だけどこの世界では俺たちは女っていう存在なんだね。」

「ああ。そう…だな。……というか、もう目隠しは止めても良いんじゃ?その灰色の勇者様の顔を見たいのだが…。」

未だにアラジンの顔をしっかりと見れていない祭はそうだそうだと声を上げる。しかしこの後の祭の行動に察しがついているアイドゥは深い深い溜息を吐いてから目元の手を退けた。
祭が目にしたのは金髪碧眼の胸が強調された緑色のジャケットを羽織った少女であった。その美しさと可愛さに祭は目をハートにして彼女に声を掛けようとして…アイドゥがこれ見よがしに彼の耳を引っ張った。強い痛みで祭は目元のハートが崩れ落ちる。

「イテテッ!!!?なんだよ!アラジンちゃんと話しぐらいしても良いじゃねぇか!!!」

「…はぁ。だからこう思ったから嫌だったんだよ。…この浮気魔。」

「う!?浮気だぁ~!???いつ!だれが!お前と!いや!!お前なんかと付き合ったんだよ!」

「…僕に歯向かったら目の前でしゃせい」

「あはは~!アイドゥ様の言う通りです~!ごめんなさ~い!」

さすがに女性の前で射精なんてしたら恥ずかしいどころかトラウマものなので簡単に謝罪をしてからアイドゥの元へと行く祭のいい加減な様に3回目の深い溜息を吐く。そんな彼らを見てアラジンは少々驚きつつも恭しく立膝を立ててお辞儀をして言い放つ。

「勇者様方にはお願いがあります。…この国の戦争を止めて欲しいのです。」

「はい?」

祭が素っ頓狂な声を上げる中でアイドゥとエルリアは真剣に聞く。そんな彼らにアラジンは言葉を続ける。

「…戦争が起こる原因になったのは、国王が側近に殺されてからなんです。僕の話を聞いていただけませんか?」

「……いいよ。聞いてあげる。話によっては協力するよ。」

「…ありがとうございます。」

アラジンは再び恭しく礼をして言葉を綴らせた。
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