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1つの国を巡る。

テイク3!

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アイドゥに手を握られ連れてかれれば、2人はとある宿へとたどり着いた。カウンターへに顔を見せアイドゥは余裕をかまして宿の主人に挨拶をして泊まれるかどうかを決めている。一方、祭は自分にとってはただの真っ白な紙に見えるデュラムマネーが使えるのかどうかというのと…主人である女性が綺麗であることに鼻を伸ばしていた。

”めちゃくちゃきれーな人…。”

「マツリ…。聞こえてるから。それ。」

「あっ!!すんません!!心の声が!!!」

すると店主は笑ってから言い放つ。


「とんでもないよ。…まぁ、男でもキレイって思われるのは慣れたしね~?」

「えっ!!??お!男??」

どう見ても胸がありくびれて色気があるのに男だったとは。そんなことを思ってはいたが今度は廊下から美青年が現れる。これまた端正な顔立ちをした青年であり彼ににっこりと笑いかけられれば祭は反射的に返してしまう。そんな様子を見てアイドゥはデュラムマネーを渡してから主人に尋ねる。

「ご姉弟で経営されてるんですか?それにしても…弟さんも美人な方で…。」

「??あぁ。妹は僕と同じ双子だからね~。顔が似て当然というか。」

「???えっと…。妹さんなんですか?弟では…無く?」

アイドゥの問い掛けに店主は首を傾げてから軽く自己紹介をするのだ。

「僕は店主のヘンゼル。こっちが妹のグレーテル。…歓迎するよ。美人な青髪さんに可愛らしい妹さん?」

”かまど”と書かれている宿のプレートを掲げた店主ことヘンゼルは2人を歓迎するのであった。


「ほんとここってちょ~っと変なんだよな~?違和感っていうの?アイツアイドゥも変だったし…。」

デュラムにて街の風景を撮影しながら祭は歩いていく。とりあえず今現在分かったことは、デュラムマネーはこの世界では通じるという事実とアイドゥが何故か祭のお金を管理をして彼に手渡していること。まぁデュラムマネーを稼ぐには動画を回さないといけないわけだから仕方ないのだが…それにしてはアイドゥがどこか焦っているような感覚がして祭はそのことが気になっている様子だ。

「なんでか俺を追い出すように宿に閉じこもったし?…まっ!別に良いけど~?ベタベタされるよりはいっか!」

そして祭はとある衣服店へと入った。祭の現在の服装は制服である。さすがに動きづらさを感じていたので軽装備に変えたいのでズラリと並んでいる洋服を試着し気にいった商品を見繕い店員に声を掛ける。すると現れたのは屈強な男であり名前のプレートには”シンデレラ”と書かれていた。驚いて声が出ない祭にシンデレラはガハハと豪快に笑う。

「よう!そこの華奢なお客さん!…ほうほう。そんな服を気にいったとはな~!…なかなか防御力の高い洋服なんじゃないか~?」

「???そうっすか?ジーパンにカラーシャツなだけなんですけど」

「それじゃあ~男は釣れないぞ~?お客さん!これも何かの縁だ!その黒いカーディガンでも買ってくれたら良いもんをあげよう!」

シンデレラの謎発言に首を傾げるが黒のカーディガンは欲しかったので祭は買うことにする。するとシンデレラはにっこりと笑いながら袋に入った何かを祭に手渡した。軽いをモノを渡されて中身を開けようとすれば彼は祭に顔を近づけてにやりと笑う。

「それは来るべき時に開けるんだ。俺のシンデレラフィット…いや、俺の見立ては絶対に当たるから楽しみにしておけよ?…灰色のお嬢さん?」

「お…譲さん?」

シンデレラの謎の言葉に二重の意味で祭は首を傾げた。


服を購入しフラフラとさまよっていれば眼前に何かが突撃されて祭は驚いた。顔を擦ってからなんだと思えば、この国を調査していたエルリアが祭と激突したようであった。

「!!!エルリア?お前、今までどこに?」

「痛たた…。はっ!マツリ!この世界が分かったのさね!…ここは”おとぎの国”さね!そして調査によると…この世界のことわりが分からないとこの国にずっといることになるさね!」

「…この世界のことわり?…なんだそりゃ?」

奇妙な国ではあるとは感じてはいたがことわりだと言われても分かるようで分からない。

(分かるっちゃ分かるけど…。いや…そんなまさか…な?)

そんな祭にエルアは何かを察知したようでその場を離れることになった。急に飛び立つエルリアに祭は彼女を追いかけていく。しかしまたもや誰かとぶつかった。謝罪をしようと顔を見上げればデュラムを片方の耳に飾った青髪の美少女がそこに居たのだ。

「!!!ムーン…ちゃん?」

「…マツリ。お願い!助けて!!!」

祭の胸元に飛び込んだムーンに彼は自身のはち切れそうな鼓動が聞こえぬか心配した。
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