上 下
50 / 75
”狼”の舞台挨拶

【閑話休題】不幸ヤンキー、"狼"に躾けられる。

しおりを挟む
金曜日。幸の家にて。
来週は哉太や麗永、そして撫子の母校である大学のオープンキャンパスへ行くことになった幸は、スマホで調べている。そして原稿を書いている哉太に話しかけるのだ。

「ふーん…。こういう所かぁ~…って!偏差値高くね!?…俺、こんなとこ入れる訳ないじゃん!」

異様な偏差値の高さに驚愕をする幸に哉太はパソコンと向き合いながら話していく。

「目標は高い方が良いじゃ~ん?それに"塞翁が馬"って言葉があるくらいなんだよ?…今は無理かもしれないけど、入れるかもしれないじゃん?」

「サイオウガ…ウマ?…あっ!どう転ぶか分からないって意味だ!良かった~!フライに教えてもらったことが覚えてて!」

幸の嬉しそうな声に哉太も微笑む。

「伸び代があるってことは良いことだよ?…あのクソもやしチビ助が教えてんのはムカつくけどね。」

そして哉太は原稿を一旦辞めて休憩に入ろうとすれば幸は思い出すような言葉を発する。

「そういえば…。オープンキャンパスも初めてだけど…俺、彼女居たことなかったからキスとか…哉太さんが初めてだ。」

幸の言葉に哉太はパソコンの画面を強く閉めて幸の方へ向く。その反応に驚く幸ではあるが何にも気にせずに哉太はデリカシーの無いことを聞いてくる。

「キスしたのも?エッチしたのも??じゃあじゃあ!あ~んなことや、こ~んなことをしたのも…俺が初めて?」

「…あんなことやこんなこと?…まぁ、そこは分かんねぇけど、キスも…エッチ…したのも、哉太さんが初めてだな。…うん。」

恥ずかしそうに頷く幸に哉太は立ち上がって雄叫びを上げている。さすがに夜なので声は抑えてはいるが、真紅の燃えるような瞳がさらに燃え上がるような感覚を幸は抱く。…しかし幸はとんでもない失態を犯してしまった。

「ということは俺、どーてい?卒業?は無理か~。…したかったなぁ~。」

「……はぁ?」

一気に冷め切った声色に幸がビクつき哉太の方を見た途端、彼は幸に覆い被さってから手を一回叩いて能力を発動させて幸の両腕を床と密着させる。驚く幸に哉太は先ほどの楽しげな炎のような瞳ではなく、罪人を炙るような冷たい炎へと化していた。喉元から声が出てしまいそうな感覚に陥る幸に哉太は不気味なほどにっこりと微笑んで問いかける。

「幸はさ~?…俺以外の奴とセックスしたいの?」

「…はぁ?何言って…」

-パンパンパンッッ!!!

いきなり両手を叩いた哉太に再び驚けば今度は自身に何か震えが来る感じがした。身体を捩られせて赤らめる幸に哉太はにっこり笑う。

「だってそうでしょ?…童貞卒業したいってことは、その辺の女とヤリたいってことでしょ?…俺のイヌのくせに?恋人のくせに?」

哉太が右手を捻る動作をすれば振動は格段に上がり幸はどうにもならない心情を表すように身体を海老のように反らすことしかできない。怖いくらい笑みを溢す哉太に幸は快楽でおかしくなりそうな自身を抑えようと訴えかけるのだ。

「かなた…さん…!ごめんなさい…だからぁっ!!!俺…、出るから…!」

「ふぅ~ん。イッちゃうの?これぐらいで?…仕方ないな~?」

許されたかと思い安堵するのもつかの間、哉太が取り出したのはコンドームであった。卑猥な物取り出した哉太はこれで何をするかと思えば…コンドームを伸ばして今にも射精しそうな幸自身にくくりつけて縛ったのだ。両腕が動けない幸にとってはまさに拷問。涙が溢れ許しを乞う幸に哉太は今度は幸の後孔にローションを垂らして指を挿れていく。

「あぁっゔぁっっ!!!…ゆる…して…よ。…そんなに…ひどいこと…言ったの?…俺?」

幸の問いかけに哉太は首を振るが許しは得ていないようだ。

「ううん。…普通の高校生なら普通に考えることだよ。…でもね、俺はそんなに心広い方じゃない…からさっ!」

指を抜き差しして解していく哉太ではあるが幸は快楽という名の拷問に戒められ幸はついに本格的に泣き出してしまう。そんな彼を見て気が付いた哉太は耳元で囁くのだ。

「幸…ごめんね?嫌いになった?」

どこか情けないような声を出す哉太に幸は泣きながら訴える。

「ひぃっくっ…。ひぃっくっ…。哉太さんのバカぁ~!ごわかった…!」

「うん…。ごめんね、幸。…今度は幸のこと考えるからさ?…エッチして良い?」

甘く問われるような哉太に幸は頷けば幸の縛られていた局部はゆっくりと解かれる。すると快感が押し寄せて幸はあっという間に達してしまった。肩を上下に動かして空気を求める幸を抱きしめて哉太は言葉にする。

「俺だけを見て?俺だけしか知らない幸になって?…お願い。」

「…分かったから。早く挿れてよ?俺、哉太さんとキモチ良いことしたい。」

幸の言葉に哉太は驚けば彼の赤い瞳はどこか落ち着いた様子であった。

「じゃあ…挿れて良い?良いよね?」

「うん…。挿れて?」

深いキスをしてからゆっくりと侵入していく哉太自身を幸が受け止める。上下に揺さぶられ幸の甘い声が聞こえたかと思えば哉太は興奮し…達するのであった。

この事件以降。幸は哉太に性関係で怒らせてはならないということを親身に知るのである。

(つまり俺は一生どーていか…。まあ、仕方ないか…。ははっ。)

幸の切ない想いは募るのであった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...