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*《教えて》
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買い物に行き晩御飯やら朝食の材料を買い込んでいくヨルと、その手伝いをするシギュンではあったが、シギュンは学校事情もヨルに傾聴させていた。だが案外、ヨルも楽しげな表情を浮かべている。
「みんな色んな人がいるんですよ~! 私と同じ黒い肌の人もいるし、ヨルみたいに奇麗な白肌の人もいるんです。それぞれみんな、目標を持って一緒に頑張っているんですよ~!」
「ほ~、それは良かったな。勉強に意欲があった方がやる気にも繋がるしな。……友達とか作れたか?」
「はい! 仲良くしてくれる人がたくさんできて嬉しいです!」
「それは良かったよ」
タラをかごに入れて、卵や玉ねぎやパセリを入れていく。――今日の夕飯のメインもさることながら、付け合わせで豆腐と油揚げの味噌汁とピリ辛大根を作るそうだ。
普段から思うのだが、ヨルはどうやって料理を習得したのだろうかとふと思った。それから、弁当を褒められたことも伝えたかったので、買い物が終わって帰路に着く道中で話しかける。
「今日もお弁当を褒められたんです。美味しそうだねって。ところで――ヨルはどこで料理を教わったのですか?」
「俺は独学だよ。ちなみにシギュンが話すヨーロッパ系の言葉とか、英語も独学で習得した。最近はネットで受講できるから楽だよな~」
うんうんと頷きながらマイバックに入れた買い物袋を見て、――ヨルは少し悲しげな顔をする。
「なんて言うのは嘘。料理は独学だけど、言語や勉強は一人で対面に受けていたんだ。……俺の人を殺す力、――親父の力は幼い頃に受け継いだから、その名残でな。触れた相手を次々に焼き殺すから、俺は独房みたいなところで一人教わっていたんだ」
だから友達なんて一人も居ないと憂いと哀愁を漂わせるヨルへシギュンは言葉が見つからない。そんな彼も見かねて、ヨルは「ま、シギュンが楽しそうだから俺はそれだけで嬉しいから」なんて軽快に話す赤い髪をキラキラさせた青年に、いつか自分の友人を紹介したいとシギュンは心に決めた。
夕飯を作り、食事をして皿を洗っていたヨルに……シギュンは急に抱きしめてきた。なんだと振り向く彼の薄い唇を奪っては軽いフレンチ・キスをして、それから流れるようなディープキスへと入る。
口内をまさぐり、貪るようなキスにヨルは戸惑いの色を見せた。
「シ……ギュン、どう、した……?」
りんごのような頬をした儚げで消えてしまいそうな青年を、シギュンは確かめるように抱きしめた――かと思えば、そのまま姫様抱っこしてソファベッドへと運ぶ。なんなんだと濡れた手でシギュンへヨルが訴えかければ、彼は再び深いキスをし、押し倒した。……その深く青い瞳は、自分を受け入れて欲しいという色を見せている。
「ヨルと同じような人を見たことがあります。その方は笑っていたけれど――どこか寂しそうでした」
ヨルが着ている服のボタンを外しながら素肌に辿るようなキスをする。「シギュン、待って……って……」言葉の割には純粋にシギュンの愛撫を遮らないヨルではあるが、辿るキスが終わりスウェットを脱がされた際には抵抗した。
「どうしたんだよ、急に……! うひぃ、くすぐったい……やぁっ……!」
股間をまさぐられ、下着を引き剥がされてしまい羞恥に悶える赤い髪の青年がそこに居た。――だがそれでも、褐色肌の大男は普段のように笑わない。心が締め付けられているような顔が伺える。
「シギュン、俺、なにかして――」
「ヨル、私があなたに教えられることはなんですか?」
シギュンは中心部を咥えて食むような動作をする。ヨルが身体さえも仰け反らせてビクつかせた。それでも彼は行為をやめることはない。
「私はあなたの傍に居たいし、独り占めだってしたい。でも、あなたにも。――ヨルにも、私と同じ喜びを与えたい」
「それって、どういう……? うぅっ!」
シギュンはさらに口へ運び自分の喉元を器用に開閉させて呑み込んだ。ジュッポジュポと淫乱な音を立てては睾丸も刺激し、射精を促すテクニシャンな男の術中にまんまとハマり……ヨルは果ててしまう。
「はぅ……うぅ……もう、いったい、どういうこと、だよ?」
欲望を呑み込んだシギュンは喉を鳴らしてから、再びヨルに抱き着き悲しげに囁いてしまう。
「私ができるのは、こうやって相手を性欲で悦ばせることしかできません。でもそれじゃあ、ヨルの心が満たされないと思うのです。ほかの人とも触れ合えないなんて」
――そんなの、悲しいし辛すぎじゃありませんか。
囁きながらも静かに泣き出してしまう心優しき褐色肌の男に、ヨルは金色の髪を頭頂部から背中にかけて撫でていく。
「大丈夫だから」「心配するな」しゃくりあげながら自分のことを考えてくれるシスターに、罪人は神様がいるのならばこの人と永久に結ばれたいなと願う。
だがシギュンには言わない。それはどうしでだが言えないのは……自分でもわからなかった。
「みんな色んな人がいるんですよ~! 私と同じ黒い肌の人もいるし、ヨルみたいに奇麗な白肌の人もいるんです。それぞれみんな、目標を持って一緒に頑張っているんですよ~!」
「ほ~、それは良かったな。勉強に意欲があった方がやる気にも繋がるしな。……友達とか作れたか?」
「はい! 仲良くしてくれる人がたくさんできて嬉しいです!」
「それは良かったよ」
タラをかごに入れて、卵や玉ねぎやパセリを入れていく。――今日の夕飯のメインもさることながら、付け合わせで豆腐と油揚げの味噌汁とピリ辛大根を作るそうだ。
普段から思うのだが、ヨルはどうやって料理を習得したのだろうかとふと思った。それから、弁当を褒められたことも伝えたかったので、買い物が終わって帰路に着く道中で話しかける。
「今日もお弁当を褒められたんです。美味しそうだねって。ところで――ヨルはどこで料理を教わったのですか?」
「俺は独学だよ。ちなみにシギュンが話すヨーロッパ系の言葉とか、英語も独学で習得した。最近はネットで受講できるから楽だよな~」
うんうんと頷きながらマイバックに入れた買い物袋を見て、――ヨルは少し悲しげな顔をする。
「なんて言うのは嘘。料理は独学だけど、言語や勉強は一人で対面に受けていたんだ。……俺の人を殺す力、――親父の力は幼い頃に受け継いだから、その名残でな。触れた相手を次々に焼き殺すから、俺は独房みたいなところで一人教わっていたんだ」
だから友達なんて一人も居ないと憂いと哀愁を漂わせるヨルへシギュンは言葉が見つからない。そんな彼も見かねて、ヨルは「ま、シギュンが楽しそうだから俺はそれだけで嬉しいから」なんて軽快に話す赤い髪をキラキラさせた青年に、いつか自分の友人を紹介したいとシギュンは心に決めた。
夕飯を作り、食事をして皿を洗っていたヨルに……シギュンは急に抱きしめてきた。なんだと振り向く彼の薄い唇を奪っては軽いフレンチ・キスをして、それから流れるようなディープキスへと入る。
口内をまさぐり、貪るようなキスにヨルは戸惑いの色を見せた。
「シ……ギュン、どう、した……?」
りんごのような頬をした儚げで消えてしまいそうな青年を、シギュンは確かめるように抱きしめた――かと思えば、そのまま姫様抱っこしてソファベッドへと運ぶ。なんなんだと濡れた手でシギュンへヨルが訴えかければ、彼は再び深いキスをし、押し倒した。……その深く青い瞳は、自分を受け入れて欲しいという色を見せている。
「ヨルと同じような人を見たことがあります。その方は笑っていたけれど――どこか寂しそうでした」
ヨルが着ている服のボタンを外しながら素肌に辿るようなキスをする。「シギュン、待って……って……」言葉の割には純粋にシギュンの愛撫を遮らないヨルではあるが、辿るキスが終わりスウェットを脱がされた際には抵抗した。
「どうしたんだよ、急に……! うひぃ、くすぐったい……やぁっ……!」
股間をまさぐられ、下着を引き剥がされてしまい羞恥に悶える赤い髪の青年がそこに居た。――だがそれでも、褐色肌の大男は普段のように笑わない。心が締め付けられているような顔が伺える。
「シギュン、俺、なにかして――」
「ヨル、私があなたに教えられることはなんですか?」
シギュンは中心部を咥えて食むような動作をする。ヨルが身体さえも仰け反らせてビクつかせた。それでも彼は行為をやめることはない。
「私はあなたの傍に居たいし、独り占めだってしたい。でも、あなたにも。――ヨルにも、私と同じ喜びを与えたい」
「それって、どういう……? うぅっ!」
シギュンはさらに口へ運び自分の喉元を器用に開閉させて呑み込んだ。ジュッポジュポと淫乱な音を立てては睾丸も刺激し、射精を促すテクニシャンな男の術中にまんまとハマり……ヨルは果ててしまう。
「はぅ……うぅ……もう、いったい、どういうこと、だよ?」
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「私ができるのは、こうやって相手を性欲で悦ばせることしかできません。でもそれじゃあ、ヨルの心が満たされないと思うのです。ほかの人とも触れ合えないなんて」
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