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第三章
■五月山修羅は新イベントに懊悩する
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□修羅サイド□
「シュラが言っていたように、今回の依頼は、パーティーの同伴だった」
夜、二人がくつろぐ部屋で、第一騎士団長からの依頼について、バルザクトはケロッとした顔で修羅に伝えていた。
「本来口外してはいけないものだが、予め約束していたから話した。お前だから話したんだから、絶対に他の人間に漏らすなよ」
「それは勿論です」
それから、渋るバルザクトに認識阻害をする仮面……これもまた、何度もゲームを周回した中で手に入れたレアアイテムだったが、そんなことは伏せて強引に着用を約束させた。
修羅は自身の部屋に戻ったものの、もっとできることはないかと、頭を巡らせる。
段々と記憶が薄くなってきている、件のゲームの詳細を必死で思い起こす。
「ああくそっ、なんで紙に書けねぇんだよ……っ」
毎日記憶を蘇らせないと消えていく記憶。苛立ちに支配されそうになるのを耐えて、落ち着くことを心に命じる。
貴族の屋敷での仮面舞踏会。仮面舞踏会自体、一夜のアバンチュールを求める者が多く集う、淫の気を纏う宴だった。
第一騎士団長のパートナーとして、女装して仮面舞踏会に潜入することになる主人公は、まずダンスの特訓を行う。リズムゲームだったが、それで高得点を出さねば好感度が下がる。本当に、このゲームは色々な要素をぶっ込んできて、リズムゲームが苦手な修羅をかなり苦しめた、他にも罠解除の謎解きがあったり、落ちモノゲームもあったりと、まるで闇鍋のようだった。
主人公は、当日になりドレスを着て、同じように華やかに正装した第一騎士団長と共に、会場に潜入する。
小柄で華奢な主人公は男達の視線を集めた、庇護欲をそそられるのだろう。いや、支配欲だろうか、あの場に於いて同伴者の女性や見目麗しい少年は『商品』だった。
値札はないが、会場にいる仲介人……給仕の男が、招待客の意向を受けながら仲介人としてマッチングしていく。
少なくはない金が動く、一夜の夢。パートナーを同伴して会場入りするということは、そういうことだ、パートナーを商品にしているということ。
第一騎士団長は主人公を同伴することで相手の警戒心を下げて、主人公を餌に内部に入り込もうと計画している。主人公には、単なるパートナーであると伝えつつも、その実、囮にするのだ。
会場に潜入し、一曲だけ第一騎士団長と踊ると、彼と別れて壁の花となる。そして、給仕より受け取った飲み物を飲むと、それに入れられていた薬物により意識が朦朧とした主人公は、屋敷の一室で介抱という名の陵辱を受けることになる。
そんなふうに、多くの弱者が部屋に連れ込まれ、買われるのだ。
シュラはバルザクトに詳しく伝えていなかったが、このイベントは主人公の好感度が高ければ高いほど、救出が遅れる。好感度が低ければ、すぐに救出に来た第一騎士団のメンバーと騎士団長により助け出される。だが、好感度が最大の場合、半裸に剥かれ……流し込まれた媚薬に悶えているところに騎士団長が助けに来る。
ハイスペックなモブ顔であるところの第一騎士団長は仕事が生きがいで、三十を過ぎているのに妻帯しておらず……もっと言うならば、第一騎士団長という仕事の忙しさにかまけて女性と過ごす時間を持ってこなかった生粋の童貞であった。
高位貴族の子弟であるのに、三男という気楽さと実家の意向すら撥ね付けられる第一騎士団長という立場が、結果的に彼の女性関係を壊滅的なものにしていたのだ。
助けに入った部屋で見た主人公の痴態。
ベッドの上でたわわな胸を剥き出しにし、シルクの靴下を止めるガーターが見えるほど捲れ上がったドレス、必死に退けたのであろう客の男がベッドの下にだらしなく伸びている。
第一騎士団長は男を軽々と部屋の外につまみ出し、待機していた部下に任せると、部屋の鍵を掛けてしまう。
媚薬の効果に悶える前後不覚の主人公に望まれるまま、彼女の体を味わい、迂闊にも自らも摂取することになってしまった媚薬の効果により、その貞操を主人公に捧げてしまう。
主人公は肌を合わせたことで心の中にあった壁が溶けたのか、何かと第一騎士団長に頼るようになり、理性で遠ざけようとしていた騎士団長が陥落するという流れになる。
だが、これは第一騎士団長ルートに発生するもので、バルザクトルートでは起こるイベントではなかったはずだった。
余談だがシュラは、がっつりR指定のアニメーションであるこのイベントを何度も再生した。絵も声も秀逸だったのだ。
「まさか……バルザクト様が襲われたりとか……」
彼の細い肢体を思い出し、その体が組み敷かれるのを想像して、胸が引き絞られるような、禁忌を犯している気分に陥り慌てて妄想を打ち消す。
「いやいや、今の時点でも、俺より全然強いし、付与魔法も凄いし、そこは大丈夫、だよな」
バルザクトは成人男性であるし、まだまだシュラが勝てぬ程の実力を持つ人物だということで、第一騎士団長ルートの最悪の事態は敢えて頭の中から追い出して、なぜこのイベントが発生したのか思案する。
「俺とバルザクト様の好感度が、まだ低いのか?」
思いついた予想を口にしてギリと奥歯を噛みしめてからハッと気付いた、もしかしてバルザクトの好感度が上がっていないのではないかと。
「いや、そんなことはないよな。かわいがってもらってるのは間違いないし、いつも優しくしてくれるし」
異世界から来た人間であるから、天涯孤独を憐れんでのことかも知れない――
そうだとしても、彼は素直な人だから、嫌いならばもっと距離を置くに違いない。
目新しい魔法を教えてくれたから、その恩に報いているだけかも知れない――
それだけだとしたら、彼ならもっと修羅を敬って、一線を引いてしまうだろう。
修羅の持つ珍しいアイテムを欲しいが為かも知れない――
押し売りのように押しつけたアイテムに、困っていた顔が思い浮かぶ、彼は無条件に欲しがるような人じゃない。
一度浮かんでしまった不安が不安を呼ぶのを、修羅はひとつひとつ否定してゆく。
「ああ、くそっ。バルザクト様に会いたいな」
会いたい、会って直接彼の口から否定されたい。馬鹿だなと言いながら、微苦笑を浮かべ頭を撫でてくれるに違いない。
二十歳をとうに過ぎてる男の思考ではないことに気付き、暗い部屋の中でベッドに座ったまま天井を仰いでから、一発頬を叩いて頭を切り替える。
「イベントが発生するってことは、ルートが確定していないってことなのか、それとも、ゲームとは違うストーリーが進んでいるのか。或いは、この世界は現実で……いや、だとしたら、どうして俺の知っているイベントが発生するんだ」
両手で頭を抱えて、ベッドに倒れ込む。
「これだけ、イベントが発生してるってことは、迷宮暴走は間違いなくある。バルザクト様ルートに入ってるのに、他の騎士団との好感度を上げるイベントが発生するってことは、もしかしたら天の配剤なのか? 協力態勢を敷いて、終章へ向かえって?」
閃いたその予想に、ガバッと起き上がる。
「ヒロインが進むべき道は、なぜかバルザクト様が進んでいる。ってことは、俺はその分自由に動けるってことなのか――?」
発想の転換。
それならば、なんとかなるかも知れない。
見えた光明に、身動きの取れなさを感じていた現状が動き出す音が聞こえた気がした。
「バルザクト様は絶対に、死なせない――絶対に守ってみせる」
部屋の窓から外に飛び降りて、第十騎士団のカロル団長の稽古を受けるべく、第十騎士団のある基地に向けて走り出した。
「シュラが言っていたように、今回の依頼は、パーティーの同伴だった」
夜、二人がくつろぐ部屋で、第一騎士団長からの依頼について、バルザクトはケロッとした顔で修羅に伝えていた。
「本来口外してはいけないものだが、予め約束していたから話した。お前だから話したんだから、絶対に他の人間に漏らすなよ」
「それは勿論です」
それから、渋るバルザクトに認識阻害をする仮面……これもまた、何度もゲームを周回した中で手に入れたレアアイテムだったが、そんなことは伏せて強引に着用を約束させた。
修羅は自身の部屋に戻ったものの、もっとできることはないかと、頭を巡らせる。
段々と記憶が薄くなってきている、件のゲームの詳細を必死で思い起こす。
「ああくそっ、なんで紙に書けねぇんだよ……っ」
毎日記憶を蘇らせないと消えていく記憶。苛立ちに支配されそうになるのを耐えて、落ち着くことを心に命じる。
貴族の屋敷での仮面舞踏会。仮面舞踏会自体、一夜のアバンチュールを求める者が多く集う、淫の気を纏う宴だった。
第一騎士団長のパートナーとして、女装して仮面舞踏会に潜入することになる主人公は、まずダンスの特訓を行う。リズムゲームだったが、それで高得点を出さねば好感度が下がる。本当に、このゲームは色々な要素をぶっ込んできて、リズムゲームが苦手な修羅をかなり苦しめた、他にも罠解除の謎解きがあったり、落ちモノゲームもあったりと、まるで闇鍋のようだった。
主人公は、当日になりドレスを着て、同じように華やかに正装した第一騎士団長と共に、会場に潜入する。
小柄で華奢な主人公は男達の視線を集めた、庇護欲をそそられるのだろう。いや、支配欲だろうか、あの場に於いて同伴者の女性や見目麗しい少年は『商品』だった。
値札はないが、会場にいる仲介人……給仕の男が、招待客の意向を受けながら仲介人としてマッチングしていく。
少なくはない金が動く、一夜の夢。パートナーを同伴して会場入りするということは、そういうことだ、パートナーを商品にしているということ。
第一騎士団長は主人公を同伴することで相手の警戒心を下げて、主人公を餌に内部に入り込もうと計画している。主人公には、単なるパートナーであると伝えつつも、その実、囮にするのだ。
会場に潜入し、一曲だけ第一騎士団長と踊ると、彼と別れて壁の花となる。そして、給仕より受け取った飲み物を飲むと、それに入れられていた薬物により意識が朦朧とした主人公は、屋敷の一室で介抱という名の陵辱を受けることになる。
そんなふうに、多くの弱者が部屋に連れ込まれ、買われるのだ。
シュラはバルザクトに詳しく伝えていなかったが、このイベントは主人公の好感度が高ければ高いほど、救出が遅れる。好感度が低ければ、すぐに救出に来た第一騎士団のメンバーと騎士団長により助け出される。だが、好感度が最大の場合、半裸に剥かれ……流し込まれた媚薬に悶えているところに騎士団長が助けに来る。
ハイスペックなモブ顔であるところの第一騎士団長は仕事が生きがいで、三十を過ぎているのに妻帯しておらず……もっと言うならば、第一騎士団長という仕事の忙しさにかまけて女性と過ごす時間を持ってこなかった生粋の童貞であった。
高位貴族の子弟であるのに、三男という気楽さと実家の意向すら撥ね付けられる第一騎士団長という立場が、結果的に彼の女性関係を壊滅的なものにしていたのだ。
助けに入った部屋で見た主人公の痴態。
ベッドの上でたわわな胸を剥き出しにし、シルクの靴下を止めるガーターが見えるほど捲れ上がったドレス、必死に退けたのであろう客の男がベッドの下にだらしなく伸びている。
第一騎士団長は男を軽々と部屋の外につまみ出し、待機していた部下に任せると、部屋の鍵を掛けてしまう。
媚薬の効果に悶える前後不覚の主人公に望まれるまま、彼女の体を味わい、迂闊にも自らも摂取することになってしまった媚薬の効果により、その貞操を主人公に捧げてしまう。
主人公は肌を合わせたことで心の中にあった壁が溶けたのか、何かと第一騎士団長に頼るようになり、理性で遠ざけようとしていた騎士団長が陥落するという流れになる。
だが、これは第一騎士団長ルートに発生するもので、バルザクトルートでは起こるイベントではなかったはずだった。
余談だがシュラは、がっつりR指定のアニメーションであるこのイベントを何度も再生した。絵も声も秀逸だったのだ。
「まさか……バルザクト様が襲われたりとか……」
彼の細い肢体を思い出し、その体が組み敷かれるのを想像して、胸が引き絞られるような、禁忌を犯している気分に陥り慌てて妄想を打ち消す。
「いやいや、今の時点でも、俺より全然強いし、付与魔法も凄いし、そこは大丈夫、だよな」
バルザクトは成人男性であるし、まだまだシュラが勝てぬ程の実力を持つ人物だということで、第一騎士団長ルートの最悪の事態は敢えて頭の中から追い出して、なぜこのイベントが発生したのか思案する。
「俺とバルザクト様の好感度が、まだ低いのか?」
思いついた予想を口にしてギリと奥歯を噛みしめてからハッと気付いた、もしかしてバルザクトの好感度が上がっていないのではないかと。
「いや、そんなことはないよな。かわいがってもらってるのは間違いないし、いつも優しくしてくれるし」
異世界から来た人間であるから、天涯孤独を憐れんでのことかも知れない――
そうだとしても、彼は素直な人だから、嫌いならばもっと距離を置くに違いない。
目新しい魔法を教えてくれたから、その恩に報いているだけかも知れない――
それだけだとしたら、彼ならもっと修羅を敬って、一線を引いてしまうだろう。
修羅の持つ珍しいアイテムを欲しいが為かも知れない――
押し売りのように押しつけたアイテムに、困っていた顔が思い浮かぶ、彼は無条件に欲しがるような人じゃない。
一度浮かんでしまった不安が不安を呼ぶのを、修羅はひとつひとつ否定してゆく。
「ああ、くそっ。バルザクト様に会いたいな」
会いたい、会って直接彼の口から否定されたい。馬鹿だなと言いながら、微苦笑を浮かべ頭を撫でてくれるに違いない。
二十歳をとうに過ぎてる男の思考ではないことに気付き、暗い部屋の中でベッドに座ったまま天井を仰いでから、一発頬を叩いて頭を切り替える。
「イベントが発生するってことは、ルートが確定していないってことなのか、それとも、ゲームとは違うストーリーが進んでいるのか。或いは、この世界は現実で……いや、だとしたら、どうして俺の知っているイベントが発生するんだ」
両手で頭を抱えて、ベッドに倒れ込む。
「これだけ、イベントが発生してるってことは、迷宮暴走は間違いなくある。バルザクト様ルートに入ってるのに、他の騎士団との好感度を上げるイベントが発生するってことは、もしかしたら天の配剤なのか? 協力態勢を敷いて、終章へ向かえって?」
閃いたその予想に、ガバッと起き上がる。
「ヒロインが進むべき道は、なぜかバルザクト様が進んでいる。ってことは、俺はその分自由に動けるってことなのか――?」
発想の転換。
それならば、なんとかなるかも知れない。
見えた光明に、身動きの取れなさを感じていた現状が動き出す音が聞こえた気がした。
「バルザクト様は絶対に、死なせない――絶対に守ってみせる」
部屋の窓から外に飛び降りて、第十騎士団のカロル団長の稽古を受けるべく、第十騎士団のある基地に向けて走り出した。
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