24 / 49
第24話 清廉なお方だから
しおりを挟む
「おはようございます奥様、朝ですよ」
「やだうそ。いつの間にか眠ってしまったわ!」
ライカさんからいつもより控えめに声をかけられて、がばりと勢いよく起き上がった。
私は慌てて横を見るとアレクシス様は既にいなかった。シーツに手を当ててみるとひんやりしていて人がいた痕跡すらなかった。
「奥様、今日はゆっくりされていても大丈夫ですよ」
「……あ。ライカさん、おはようございます」
はっと我に返り、ライカさんに挨拶する。
「はい、おはようございます。いきなりお身体を起こして大丈夫ですか? おつらいのでは」
「え?」
「ん?」
しばし二人で顔を見合わせる。
「奥様、お体は大丈夫なのですか?」
「普通はつらいものなのですか?」
「さあ。人によるかと思いますが」
「そうですか」
また二人で顔を見合わせる。
「おつらくはなかったのですか?」
「おつらくは、なかったですね」
何もしていないのだから。
ただ横で一緒に寝ていただけなのだから。
「へぇ。あの旦那様が。意外……」
感心したような、呆れたようなライカさんの言葉に青くなる。
これはもしや旦那様の尊厳を貶める大変なお話ということなのだろうか。――それはだめだ! せっかくのご厚意を仇で返すことになってしまう。
アレクシス様が言っていた『心配する人間』というのはおそらくボルドーさんのことだろう。彼には知られてはいけない事情ということ。しかし一方で、これはアレクシス様の尊厳がかかっているのだ。
「あの。ライカさん、ここだけのお話にしてほしいのですが」
彼女に耳打ちすると私はすぐさま彼女の口を塞ぐ。
案の定、彼女は私の手の中で叫んだ。落ち着いたところで手を離す。
「そ、そうだったのですか」
「ええ。内緒にしてくださいね。くれぐれも侍従長の耳には入れないようにお願いいたします」
「は、はい。ですが私一人でこの重荷を抱えるのはつらく……せめて侍女長にお話ししていいですか?」
「分かりました」
頷くと部屋を飛び出して行き、瞬く間にグレースさんを連れて戻った。
グレースさんにも事情を詳しく説明すると彼女はさすが落ち着いたもので、ただ黙って頷く。
「なるほど。そうでしたか」
「ええ。アレクシス様はわたくしに時間を与えてくださいました。清廉なお方なのですね」
昨夜は突然の訪問に驚いてしまったけれど、アレクシス様は時間をかけて私と向き合っていきたいと言ってくださった。
どうしてそこまで誠実でいられるのだろう。私など夜が訪れるたびにどうやって逃れるかばかり考えていたというのに。
「はい。そういうお方です」
ヘタレなだけじゃないんですかと言うライカさんの頬をグレースさんが引っ張っている。
ライカさんは大丈夫だろうか。失言で首が飛ばされる前に、グレースさんによって顔が横に大きく伸びそうだ。
「とにかくこの件はわたくしが承りました。どうぞご安心くださいませ。この秘密、死守してみせます。あなたもよ、ライカ。いいこと。もし喋ったら今後二度と喋れないように喉潰すわよ」
「は、はい。分かっておりますよ!」
グレースさんの会話の中に不穏な言葉が含まれて聞こえた気がしたが、やっぱり気のせいのフリをした。
「それでは奥様。旦那様がお待ちですからご準備をして朝食をお召し上がりに向かってくださいませ」
「はい。分かりました」
準備を済ませると今日もアレクシス様は既に席に着いていた。
「おはよう」
私の顔を見るや彼は微笑で迎えてくれるが、その笑顔もさることながら昨日の今日でさすがに恥ずかしく思う。
「おはようございます、アレクシス様」
「よく眠れたか?」
「はい。ありがとうございます」
本当はさすがにベッドに入ってすぐという訳にはいかなかったけれど、それでも気付けば眠っていたようだった。
一方、アレクシス様の顔色もいつもと全く変わらず、横で眠っても何とも思わないどころか、むしろ安眠できたのだろうなと考えると少しだけもやもやした気分になる。
きっとアレクシス様は高潔なお方だから、聞くところによる好色な男性とは違うのだろう。あるいは私に魅力がないからそんな気も起こらなかっただけなのか。
……自分のなけなしの名誉のために前者ということにしておこう。
ふと気付くとアレクシス様に見つめられていた。
そのいつも真っ直ぐな瞳にどきどきして怯みそうになったが笑顔を返す。
「け、今朝のお食事は何が出るのでしょうか。楽しみですね」
「ああ、そうだな」
アレクシス様は小さく笑うと頷いた。
相変わらずの食いしん坊だと思われているかもしれないが、今は話の種として助けられている気がする。
そういえば。
昨日の夕食はいきなり私の話になって身が竦む思いだった。何を思って私の話になったのだろう。私を試していた……とは思えないが。いや。そんなことをするような方ではない。
まだ一緒になって日は浅いが、噂のような怖いだけの方ではなく、誠実で優しく、真摯な態度で人や物事に向き合う方であることを知った。だからこそ今、自分がしていることに苦しさを覚えた。
「行ってらっしゃいませ。お気を付けて」
食事を終えてアレクシス様のお見送りをする。
「ああ。ありがとう。行って来る」
アレクシス様はいつものように短く返事して身を翻した。しかし一、二歩いたところで足を止めて振り返ったと思ったら戻って来る。
「何かお忘れ――」
と、そこまで言ったところで、目の前が陰ると額に軽く熱いものが落とされた。
「では行って来る」
私と目も合わさずにすぐにアレクシス様は踵を返して出て行った。
茫然としていたが、ごほんと低く咳払いされ、ようやく思い当たる。アレクシス様はボルドーさんに見せつけるためにしたのだと。
それでも熱くなった頬がすぐに冷えることはなかった。
「やだうそ。いつの間にか眠ってしまったわ!」
ライカさんからいつもより控えめに声をかけられて、がばりと勢いよく起き上がった。
私は慌てて横を見るとアレクシス様は既にいなかった。シーツに手を当ててみるとひんやりしていて人がいた痕跡すらなかった。
「奥様、今日はゆっくりされていても大丈夫ですよ」
「……あ。ライカさん、おはようございます」
はっと我に返り、ライカさんに挨拶する。
「はい、おはようございます。いきなりお身体を起こして大丈夫ですか? おつらいのでは」
「え?」
「ん?」
しばし二人で顔を見合わせる。
「奥様、お体は大丈夫なのですか?」
「普通はつらいものなのですか?」
「さあ。人によるかと思いますが」
「そうですか」
また二人で顔を見合わせる。
「おつらくはなかったのですか?」
「おつらくは、なかったですね」
何もしていないのだから。
ただ横で一緒に寝ていただけなのだから。
「へぇ。あの旦那様が。意外……」
感心したような、呆れたようなライカさんの言葉に青くなる。
これはもしや旦那様の尊厳を貶める大変なお話ということなのだろうか。――それはだめだ! せっかくのご厚意を仇で返すことになってしまう。
アレクシス様が言っていた『心配する人間』というのはおそらくボルドーさんのことだろう。彼には知られてはいけない事情ということ。しかし一方で、これはアレクシス様の尊厳がかかっているのだ。
「あの。ライカさん、ここだけのお話にしてほしいのですが」
彼女に耳打ちすると私はすぐさま彼女の口を塞ぐ。
案の定、彼女は私の手の中で叫んだ。落ち着いたところで手を離す。
「そ、そうだったのですか」
「ええ。内緒にしてくださいね。くれぐれも侍従長の耳には入れないようにお願いいたします」
「は、はい。ですが私一人でこの重荷を抱えるのはつらく……せめて侍女長にお話ししていいですか?」
「分かりました」
頷くと部屋を飛び出して行き、瞬く間にグレースさんを連れて戻った。
グレースさんにも事情を詳しく説明すると彼女はさすが落ち着いたもので、ただ黙って頷く。
「なるほど。そうでしたか」
「ええ。アレクシス様はわたくしに時間を与えてくださいました。清廉なお方なのですね」
昨夜は突然の訪問に驚いてしまったけれど、アレクシス様は時間をかけて私と向き合っていきたいと言ってくださった。
どうしてそこまで誠実でいられるのだろう。私など夜が訪れるたびにどうやって逃れるかばかり考えていたというのに。
「はい。そういうお方です」
ヘタレなだけじゃないんですかと言うライカさんの頬をグレースさんが引っ張っている。
ライカさんは大丈夫だろうか。失言で首が飛ばされる前に、グレースさんによって顔が横に大きく伸びそうだ。
「とにかくこの件はわたくしが承りました。どうぞご安心くださいませ。この秘密、死守してみせます。あなたもよ、ライカ。いいこと。もし喋ったら今後二度と喋れないように喉潰すわよ」
「は、はい。分かっておりますよ!」
グレースさんの会話の中に不穏な言葉が含まれて聞こえた気がしたが、やっぱり気のせいのフリをした。
「それでは奥様。旦那様がお待ちですからご準備をして朝食をお召し上がりに向かってくださいませ」
「はい。分かりました」
準備を済ませると今日もアレクシス様は既に席に着いていた。
「おはよう」
私の顔を見るや彼は微笑で迎えてくれるが、その笑顔もさることながら昨日の今日でさすがに恥ずかしく思う。
「おはようございます、アレクシス様」
「よく眠れたか?」
「はい。ありがとうございます」
本当はさすがにベッドに入ってすぐという訳にはいかなかったけれど、それでも気付けば眠っていたようだった。
一方、アレクシス様の顔色もいつもと全く変わらず、横で眠っても何とも思わないどころか、むしろ安眠できたのだろうなと考えると少しだけもやもやした気分になる。
きっとアレクシス様は高潔なお方だから、聞くところによる好色な男性とは違うのだろう。あるいは私に魅力がないからそんな気も起こらなかっただけなのか。
……自分のなけなしの名誉のために前者ということにしておこう。
ふと気付くとアレクシス様に見つめられていた。
そのいつも真っ直ぐな瞳にどきどきして怯みそうになったが笑顔を返す。
「け、今朝のお食事は何が出るのでしょうか。楽しみですね」
「ああ、そうだな」
アレクシス様は小さく笑うと頷いた。
相変わらずの食いしん坊だと思われているかもしれないが、今は話の種として助けられている気がする。
そういえば。
昨日の夕食はいきなり私の話になって身が竦む思いだった。何を思って私の話になったのだろう。私を試していた……とは思えないが。いや。そんなことをするような方ではない。
まだ一緒になって日は浅いが、噂のような怖いだけの方ではなく、誠実で優しく、真摯な態度で人や物事に向き合う方であることを知った。だからこそ今、自分がしていることに苦しさを覚えた。
「行ってらっしゃいませ。お気を付けて」
食事を終えてアレクシス様のお見送りをする。
「ああ。ありがとう。行って来る」
アレクシス様はいつものように短く返事して身を翻した。しかし一、二歩いたところで足を止めて振り返ったと思ったら戻って来る。
「何かお忘れ――」
と、そこまで言ったところで、目の前が陰ると額に軽く熱いものが落とされた。
「では行って来る」
私と目も合わさずにすぐにアレクシス様は踵を返して出て行った。
茫然としていたが、ごほんと低く咳払いされ、ようやく思い当たる。アレクシス様はボルドーさんに見せつけるためにしたのだと。
それでも熱くなった頬がすぐに冷えることはなかった。
2
お気に入りに追加
2,553
あなたにおすすめの小説
旦那様は転生者!
初瀬 叶
恋愛
「マイラ!お願いだ、俺を助けてくれ!」
いきなり私の部屋に現れた私の夫。フェルナンド・ジョルジュ王太子殿下。
「俺を助けてくれ!でなければ俺は殺される!」
今の今まで放っておいた名ばかりの妻に、今さら何のご用?
それに殺されるって何の話?
大嫌いな夫を助ける義理などないのだけれど、話を聞けば驚く事ばかり。
へ?転生者?何それ?
で、貴方、本当は誰なの?
※相変わらずのゆるふわ設定です
※中世ヨーロッパ風ではありますが作者の頭の中の異世界のお話となります
※R15は保険です
【完結】引きこもり魔公爵は、召喚おひとり娘を手放せない!
文野さと@ぷんにゃご
恋愛
身寄りがなく、高卒で苦労しながらヘルパーをしていた美玲(みれい)は、ある日、倉庫の整理をしていたところ、誰かに呼ばれて異世界へ召喚されてしまった。
目が覚めた時に見たものは、絶世の美男、リュストレー。しかし、彼は偏屈、生活能力皆無、人間嫌いの引きこもり。
苦労人ゆえに、現実主義者の美玲は、元王太子のリュストレーに前向きになって、自分を現代日本へ返してもらおうとするが、彼には何か隠し事があるようで・・・。
正反対の二人。微妙に噛み合わない関わりの中から生まれるものは?
全39話。
婚約者に見殺しにされた愚かな傀儡令嬢、時を逆行する
蓮恭
恋愛
父親が自分を呼ぶ声が聞こえたその刹那、熱いものが全身を巡ったような、そんな感覚に陥った令嬢レティシアは、短く唸って冷たい石造りの床へと平伏した。
視界は徐々に赤く染まり、せっかく身を挺して庇った侯爵も、次の瞬間にはリュシアンによって屠られるのを見た。
「リュシ……アン……さ、ま」
せめて愛するリュシアンへと手を伸ばそうとするが、無情にも嘲笑を浮かべた女騎士イリナによって叩き落とされる。
「安心して死になさい。愚かな傀儡令嬢レティシア。これから殿下の事は私がお支えするから心配いらなくてよ」
お願い、最後に一目だけ、リュシアンの表情が見たいとレティシアは願った。
けれどそれは自分を見下ろすイリナによって阻まれる。しかし自分がこうなってもリュシアンが駆け寄ってくる気配すらない事から、本当に嫌われていたのだと実感し、痛みと悲しみで次々に涙を零した。
両親から「愚かであれ、傀儡として役立て」と育てられた侯爵令嬢レティシアは、徐々に最愛の婚約者、皇太子リュシアンの愛を失っていく。
民の信頼を失いつつある帝国の改革のため立ち上がった皇太子は、女騎士イリナと共に謀反を起こした。
その時レティシアはイリナによって刺殺される。
悲しみに包まれたレティシアは何らかの力によって時を越え、まだリュシアンと仲が良かった幼い頃に逆行し、やり直しの機会を与えられる。
二度目の人生では傀儡令嬢であったレティシアがどのように生きていくのか?
婚約者リュシアンとの仲は?
二度目の人生で出会う人物達との交流でレティシアが得たものとは……?
※逆行、回帰、婚約破棄、悪役令嬢、やり直し、愛人、暴力的な描写、死産、シリアス、の要素があります。
ヒーローについて……読者様からの感想を見ていただくと分かる通り、完璧なヒーローをお求めの方にはかなりヤキモキさせてしまうと思います。
どこか人間味があって、空回りしたり、過ちも犯す、そんなヒーローを支えていく不憫で健気なヒロインを応援していただければ、作者としては嬉しい限りです。
必ずヒロインにとってハッピーエンドになるよう書き切る予定ですので、宜しければどうか最後までお付き合いくださいませ。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
村八分にしておいて、私が公爵令嬢だったからと手の平を返すなんて許せません。
木山楽斗
恋愛
父親がいないことによって、エルーシャは村の人達から迫害を受けていた。
彼らは、エルーシャが取ってきた食べ物を奪ったり、村で起こった事件の犯人を彼女だと決めつけてくる。そんな彼らに、エルーシャは辟易としていた。
ある日いつものように責められていた彼女は、村にやって来た一人の人間に助けられた。
その人物とは、公爵令息であるアルディス・アルカルドである。彼はエルーシャの状態から彼女が迫害されていることに気付き、手を差し伸べてくれたのだ。
そんなアルディスは、とある目的のために村にやって来ていた。
彼は亡き父の隠し子を探しに来ていたのである。
紆余曲折あって、その隠し子はエルーシャであることが判明した。
すると村の人達は、その態度を一変させた。エルーシャに、媚を売るような態度になったのである。
しかし、今更手の平を返されても遅かった。様々な迫害を受けてきたエルーシャにとって、既に村の人達は許せない存在になっていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる