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17章-04
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「……ねえ神様、何故私だったのか聞いてもいいですか?」
[ん? 何がだい?]
「アンジェラの体に入ったのが私だった理由ですよ。他にも〝候補〟がいたのでしょう?」
なんとか気持ちを落ち着かせてから声をかけると、神様はやや古典的な驚き方で『ああ』と声をこぼす。
かつての私の人生が壮絶すぎて流されるところだったけれど、神様は確かに〝他にも候補がいた〟ことを口にしていた。
アンジェラの体に合う他の魂――私と同じような、悲惨な最期を遂げて連れてこられた人々だ。
「馴染むかどうかが賭けになる私よりも、もっとちゃんと『アンジェラ』になれる子はいなかったんですか? まさか、私なんかが一番合致していたと?」
[違うよ。むしろ、君よりもアンジェラに似た性格で、体に合いそうな子は沢山いたさ]
やはりか。ずっと思っていたけど、あの聖女アンジェラに会って確信したもの。
私とアンジェラは、あまり似ていない。
あっちは聖女らしい聖女になろうとしていた、正真正銘の後衛職。
対して私は、チートを駆使してでもメイスをふるうことを選んだ脳筋だ。
今ここにいる神様の姿だって、私の好みじゃない。……いや別に、サイファも王子様も顔はきれいだと思うけど。
でもやっぱり、私の幼馴染の顔のほうが好みなのよね。
「だったら、どうして両親を憎むかもしれなかった私を選んだんですか?」
あえて低い声を作って聞いてみれば、神様はへらっとしたまま肩をすくめて見せる。このヒトのことだから、何となくとか言われても別に驚きはしないけど。
[さすがに何となくでは選んでいないよ。『聖女』はわたしと人々を繋ぐ大切な存在なんだから]
「では何故です?」
[それは、またちょっと説明が長くなると言うか……〝君の前提〟を壊してしまう話になるのだけど。……まあ、いいか。ここまできたのだから、君には全てを知ってもらおう]
神様は白い髪をくしゃっと一掻きすると、おもむろにその場に座り込んだ。
そのまま、ポンポンと隣の床……といっても全部真っ白だからわからない……を叩いて、私にも座るよう誘ってくる。
仕方なく私も隣へ腰を下ろせば、彼は自分の前にぽつぽつと光の塊を浮かべ始めた。
平べったい板のような……地球で言うなら、極薄型のモニターのようなものだろうか。そこには、それぞれ別の映像が流れている。
(……あれ? これは)
そこに映っているのは、私もよく知る仲間たちの姿だけど――よく見ると違う。〝ゲーム版〟の彼らの姿だ。
ジュードは黒い鎧を着て戦っているし、参加しなかったクロヴィスやハルトが仲間として見える。
そして、私はその映像に見覚えがあった。
「これは、私が初めて見た……」
――記憶だ。
五歳の私が、高熱にうなされながら見た光景。仲間や戦場、魔物の情報などと一緒に思い出したそれだ。かつての私が愛し、散々やり込んでいたアクション系乙女ゲーム。
……なのだけど、今見るとどこかおかしい気がする。
「このゲーム画面、HPゲージもアイテム欄も何もないわ」
そう、神様が見せる画面には、プレイヤーが操作できる項目が一切表示されていないのだ。
ムービー画面ならまだわかるけど、映像の中のジュードやディアナは普通に魔物と戦っている。その頭上には、ゲージはもちろん敵ネームすらもない。見栄えはいいだろうけど、プレイするにはとても不便だ。
こんなゲームではなかったと思うけど……?
[わたしはね、〝アンジェラの候補者〟全員に同じ情報を与えたよ。世界のこと、戦う魔物の情報。そして、共に戦う仲間たちのこと。結構量が多かったから、その取捨選択はヒトそれぞれだったみたいだけど。でも、与えたものは全員同じだ。君が特別多かったなんてことはない]
「は、はあ……つまり、今見ているコレのことですよね?」
[そう。君に与えたものも、コレだよ]
つまり、何の表示もないゲーム画面だ。インターフェースと言えば、それを見ただけでゲームシリーズを割り出せるぐらいに重要な部分だというのに。
こんな殺風景な画面を見せられたって、他の人はきっと困っただろう。私のように、廃人と呼べるほどやり込んでいた人間ならまだしも――――
「――…………待って」
おかしい。
もし与えられた情報が同じだとしたら、アンジェラとして選ばれる魂は、最初から私一択のはずだ。候補なんているわけがない。だって、あまりにも不利だもの。
他の候補者が私同等のゲーム廃人だと言うならわかるけど、私ほど悲惨な最期を遂げるようなプレイヤーが、そうそういるわけがない。いても困る。
――だけど、この世界が〝ゲームではないのなら〟
[……まあ、そういうことなんだよね]
少しだけ困った様子で、神様が呟く。
……ということは、それが正解なのか。
[うん、そうだよ。この世界は、君の言う『アクション系乙女ゲーム』ではないし、それに関わるものも一切存在しない。……君だって、元廃人プレイヤーを自負しているのにタイトルを思い出せないでしょう?]
「あ」
ストン、と抜けていたものがはまるような感じがした。
ああ、そうだ、そうだった。
私は『このゲーム』をやり込んだと自負していながら、一度もゲームのタイトルを気にしたことがなかった。
冷静になればおかしな話だ。使用していたゲーム機も、発売した大手メーカーの名前も全然出てこない。
……当然だ。そんなものは、最初から存在していなかったのだから。
「……恋愛イベントの記憶が全くないわけよね。聖女アンジェラは、部隊の誰とも恋仲になっていないもの。ディアナだって、思い返せば一人としかそういうイベントがないわ」
存在しないものを、思い出せるはずがない。
逆に、なんとなくでも覚えていられた記憶……〝ディアナとハルトのイベント〟があったのは、つまりディアナ様になる前の彼女とハルトさんが、そういう関係だったというだけのことだ。
[君の記憶を辿ったら、類似するゲームがいくつか見つかったよ。多分わたしの与えた情報と混じって〝そう思い込んで〟いたのだろうね。でも、その思い込みのおかげで、君はこの世界に対して最初から友好的であったし、膨大な情報もアッサリと飲み込んでくれた]
「思い込み、か」
以前の【アラクネ】との戦闘で、ここは現実なのだと考えを改めてはいたものの。確かに私を支えてきた根底は、〝元廃人プレイヤー〟というプライドだ。
私なら絶対勝てるという、プレイヤーならではの自信。それは数多の場面で勇気を与え、私を前へと進ませてくれた。
――何もかも全てが、思い込みだったとは。
[自分の好きなジャンルへ情報を落とし込み、対応する。それはとても大事なことだったよ。君以外の候補者たちは、与えた情報が飲み込めなくて、アンジェラにはなれなかったのだから]
「それってアレですよね? 歴史の偉人も、漫画やゲームのキャラクターに落とし込めば忘れない……みたいな。ちょっとオタクっぽいですかね」
[ううん、正にソレだよ。地球の文化はそういうものがとても上手だった。順応性が高い君たちに、わたしは心から感謝したいね!]
「それはどうも」
私が育った日本という国は、特にそういう文化に強かったものね。
偉人といえばだいたいイケメンか美少女にされていたし、教科書を読んで覚えられなくても、他の媒体に出た人物は絶対に忘れなかった。
……悲惨な人生だった割には、かつての私もばっちりオタクだったと。まあ、家に閉じ込められていたのだから、正真正銘のオタクか。
(そもそも、アクション系乙女ゲームってまず何よって感じだものね。まあでも、そのおかしな思い込みのおかげで、私はここまで来られたのね)
ジュードや皆と絆を結び、二度目となるこの世界で、私はここまで戦ってきた。
やり方はアレだとしても、決して間違ってはいなかった。
ならば誇っておきましょう。オタク脳万歳! ゲーム脳万歳!!
[うん、万歳!]
何だかよくわかってもいないだろうに、神様まで嬉しそうに両手をあげた。
[ん? 何がだい?]
「アンジェラの体に入ったのが私だった理由ですよ。他にも〝候補〟がいたのでしょう?」
なんとか気持ちを落ち着かせてから声をかけると、神様はやや古典的な驚き方で『ああ』と声をこぼす。
かつての私の人生が壮絶すぎて流されるところだったけれど、神様は確かに〝他にも候補がいた〟ことを口にしていた。
アンジェラの体に合う他の魂――私と同じような、悲惨な最期を遂げて連れてこられた人々だ。
「馴染むかどうかが賭けになる私よりも、もっとちゃんと『アンジェラ』になれる子はいなかったんですか? まさか、私なんかが一番合致していたと?」
[違うよ。むしろ、君よりもアンジェラに似た性格で、体に合いそうな子は沢山いたさ]
やはりか。ずっと思っていたけど、あの聖女アンジェラに会って確信したもの。
私とアンジェラは、あまり似ていない。
あっちは聖女らしい聖女になろうとしていた、正真正銘の後衛職。
対して私は、チートを駆使してでもメイスをふるうことを選んだ脳筋だ。
今ここにいる神様の姿だって、私の好みじゃない。……いや別に、サイファも王子様も顔はきれいだと思うけど。
でもやっぱり、私の幼馴染の顔のほうが好みなのよね。
「だったら、どうして両親を憎むかもしれなかった私を選んだんですか?」
あえて低い声を作って聞いてみれば、神様はへらっとしたまま肩をすくめて見せる。このヒトのことだから、何となくとか言われても別に驚きはしないけど。
[さすがに何となくでは選んでいないよ。『聖女』はわたしと人々を繋ぐ大切な存在なんだから]
「では何故です?」
[それは、またちょっと説明が長くなると言うか……〝君の前提〟を壊してしまう話になるのだけど。……まあ、いいか。ここまできたのだから、君には全てを知ってもらおう]
神様は白い髪をくしゃっと一掻きすると、おもむろにその場に座り込んだ。
そのまま、ポンポンと隣の床……といっても全部真っ白だからわからない……を叩いて、私にも座るよう誘ってくる。
仕方なく私も隣へ腰を下ろせば、彼は自分の前にぽつぽつと光の塊を浮かべ始めた。
平べったい板のような……地球で言うなら、極薄型のモニターのようなものだろうか。そこには、それぞれ別の映像が流れている。
(……あれ? これは)
そこに映っているのは、私もよく知る仲間たちの姿だけど――よく見ると違う。〝ゲーム版〟の彼らの姿だ。
ジュードは黒い鎧を着て戦っているし、参加しなかったクロヴィスやハルトが仲間として見える。
そして、私はその映像に見覚えがあった。
「これは、私が初めて見た……」
――記憶だ。
五歳の私が、高熱にうなされながら見た光景。仲間や戦場、魔物の情報などと一緒に思い出したそれだ。かつての私が愛し、散々やり込んでいたアクション系乙女ゲーム。
……なのだけど、今見るとどこかおかしい気がする。
「このゲーム画面、HPゲージもアイテム欄も何もないわ」
そう、神様が見せる画面には、プレイヤーが操作できる項目が一切表示されていないのだ。
ムービー画面ならまだわかるけど、映像の中のジュードやディアナは普通に魔物と戦っている。その頭上には、ゲージはもちろん敵ネームすらもない。見栄えはいいだろうけど、プレイするにはとても不便だ。
こんなゲームではなかったと思うけど……?
[わたしはね、〝アンジェラの候補者〟全員に同じ情報を与えたよ。世界のこと、戦う魔物の情報。そして、共に戦う仲間たちのこと。結構量が多かったから、その取捨選択はヒトそれぞれだったみたいだけど。でも、与えたものは全員同じだ。君が特別多かったなんてことはない]
「は、はあ……つまり、今見ているコレのことですよね?」
[そう。君に与えたものも、コレだよ]
つまり、何の表示もないゲーム画面だ。インターフェースと言えば、それを見ただけでゲームシリーズを割り出せるぐらいに重要な部分だというのに。
こんな殺風景な画面を見せられたって、他の人はきっと困っただろう。私のように、廃人と呼べるほどやり込んでいた人間ならまだしも――――
「――…………待って」
おかしい。
もし与えられた情報が同じだとしたら、アンジェラとして選ばれる魂は、最初から私一択のはずだ。候補なんているわけがない。だって、あまりにも不利だもの。
他の候補者が私同等のゲーム廃人だと言うならわかるけど、私ほど悲惨な最期を遂げるようなプレイヤーが、そうそういるわけがない。いても困る。
――だけど、この世界が〝ゲームではないのなら〟
[……まあ、そういうことなんだよね]
少しだけ困った様子で、神様が呟く。
……ということは、それが正解なのか。
[うん、そうだよ。この世界は、君の言う『アクション系乙女ゲーム』ではないし、それに関わるものも一切存在しない。……君だって、元廃人プレイヤーを自負しているのにタイトルを思い出せないでしょう?]
「あ」
ストン、と抜けていたものがはまるような感じがした。
ああ、そうだ、そうだった。
私は『このゲーム』をやり込んだと自負していながら、一度もゲームのタイトルを気にしたことがなかった。
冷静になればおかしな話だ。使用していたゲーム機も、発売した大手メーカーの名前も全然出てこない。
……当然だ。そんなものは、最初から存在していなかったのだから。
「……恋愛イベントの記憶が全くないわけよね。聖女アンジェラは、部隊の誰とも恋仲になっていないもの。ディアナだって、思い返せば一人としかそういうイベントがないわ」
存在しないものを、思い出せるはずがない。
逆に、なんとなくでも覚えていられた記憶……〝ディアナとハルトのイベント〟があったのは、つまりディアナ様になる前の彼女とハルトさんが、そういう関係だったというだけのことだ。
[君の記憶を辿ったら、類似するゲームがいくつか見つかったよ。多分わたしの与えた情報と混じって〝そう思い込んで〟いたのだろうね。でも、その思い込みのおかげで、君はこの世界に対して最初から友好的であったし、膨大な情報もアッサリと飲み込んでくれた]
「思い込み、か」
以前の【アラクネ】との戦闘で、ここは現実なのだと考えを改めてはいたものの。確かに私を支えてきた根底は、〝元廃人プレイヤー〟というプライドだ。
私なら絶対勝てるという、プレイヤーならではの自信。それは数多の場面で勇気を与え、私を前へと進ませてくれた。
――何もかも全てが、思い込みだったとは。
[自分の好きなジャンルへ情報を落とし込み、対応する。それはとても大事なことだったよ。君以外の候補者たちは、与えた情報が飲み込めなくて、アンジェラにはなれなかったのだから]
「それってアレですよね? 歴史の偉人も、漫画やゲームのキャラクターに落とし込めば忘れない……みたいな。ちょっとオタクっぽいですかね」
[ううん、正にソレだよ。地球の文化はそういうものがとても上手だった。順応性が高い君たちに、わたしは心から感謝したいね!]
「それはどうも」
私が育った日本という国は、特にそういう文化に強かったものね。
偉人といえばだいたいイケメンか美少女にされていたし、教科書を読んで覚えられなくても、他の媒体に出た人物は絶対に忘れなかった。
……悲惨な人生だった割には、かつての私もばっちりオタクだったと。まあ、家に閉じ込められていたのだから、正真正銘のオタクか。
(そもそも、アクション系乙女ゲームってまず何よって感じだものね。まあでも、そのおかしな思い込みのおかげで、私はここまで来られたのね)
ジュードや皆と絆を結び、二度目となるこの世界で、私はここまで戦ってきた。
やり方はアレだとしても、決して間違ってはいなかった。
ならば誇っておきましょう。オタク脳万歳! ゲーム脳万歳!!
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