上 下
9 / 91
第一部 第一章

9話

しおりを挟む
 エルクとルリは、ワイバーンの家族を箱庭の中に入らせると、その後に続いて箱庭の中に入った。

「よし、ブロン、この箱庭の中には幾つかエリアがあるんだけど、どこのエリアで暮らしたい」

 エルクは、操作パネルに表示した箱庭内の地図をブロンたち家族に見せながら聞いてみた。

『そうですな。……でしたら我々はこの山脈エリアに住みたく思います。我々は空も飛びますからな。高い所に住んでいる方が何かと便利なのですよ』

「わかった。山脈エリアはここから真っすぐ進んで草原エリアを超えた先にあるからな。それと、各エリアに動物や植物も存在しているから食料として狩ってくれていいからな。あ、でも、乱獲はするなよ。どうやら、この箱庭は、動物や植物は、勝手に増えて行くみたいだから食料が無くなると言うことは心配しなくて良いからな」

『はい。これから、お世話になります。では、我々は山脈エリアに向かわせていただきます。何か我々の力が必要になった時は、遠慮なくお呼びください』

「ああ、わかった」

 ワイバーン一家は、エルクとルリに挨拶をすると、山脈エリアへと向かって行った。

「さてと、ルリ、ダンジョン攻略を再開するか」

『ええ、そうね。後、エルクが新しく獲得した仙術についても検証してみないとね。これからエルクの攻撃手段になるかも知れないんだから』

 その様に話しながらエルクとルリは、箱庭を出て百五十四階層へと上がって行った。

 その後、エルクとルリは、何事もなく無事に百層のボス部屋の前までたどり着いた。

「はあ~、やっとここまで来たな。今日は、ここのボスまでだな。まあ、仙術の練習をしながらダンジョン攻略をして来たにしては、思っていたより時間もかからなくて良かったな」

『そうね。折角だし、ここのボスはエルクが倒してみたらどうかしら。もうあなたの力なら危なげなく倒すことが出来ると思うけどね』

「そうだな。折角仙術の練習をして来たんだしここのボスはオレ一人で挑んでみるかな」

 そして、エルクとルリは、ボス部屋の中に入って行った。

 百層のボス部屋に入ったエルクとルリの前にたたずんでいたのは、体長三メートルくらいある牛顔の大男が三人だった。

「どうやら、真ん中にいる一番でかいやつが、ミノタウロスジェノサイダーで、その両脇に控えているのが、ミノタウロスキングみたいだ。三体とも平均レベル百六十だな。この程度なら俺だけで対処できるな。ルリは入り口の近くで見ててくれ」

『わかったわ。エルク、幾ら強くなったからって油断してはいけないわよ。油断したら足をすくわれて殺されるだけなんだからね』

「ああ、肝に銘じておくよ。じゃあ行って来る」

 ルリに気のゆるみを指摘されたエルクは、もう一度気を引き締めてから目の前のミノタウロスたちに向かって行った。

 エルクがミノタウロスたちに向かって一歩一歩ゆっくりと歩き出すと、ミノタウロスジェノサイダーは、自分の部下のミノタウロスキング二体にエルクを攻撃するように命じた様で、ミノタウロスキング二体がエルク目がけて走り出した。

 ミノタウロスキング二体は、エルクのそばまで来ると、それぞれ手に持っている巨大な大斧と大剣をエルク目がけて振り下ろして来た。

 エルクは自分に迫って来る巨大な大斧と大剣を仙術、水、一の型、水流返しではじき返すと、水、二の型、水龍弾を大斧を持ったミノタウロスキングと大剣を持ったミノタウロスキングに叩き込んだ。

 エルクが放った水龍弾は二体のミノタウロスキングの体を貫くと、その後、水龍の形をとって背後にいたミノタウロスジェノサイダーに向かって突き進んでいった。

 しかし、エルクの水龍弾は結局ミノタウロスジェノサイダーの両腕を奪うだけにとどまった。

「ちっ、ミノタウロスキングの体を貫いたから勢いが殺されたか。運のいいやつだ」

 エルクがミノタウロスジェノサイダーから少し距離をとって様子をうかがっていると、ミノタウロスジェノサイダーは、突然、前傾姿勢になり猛スピードでエルク目がけて走り出した。

「ふっ、この俺をそのでかい角で貫こうってか、上等だ。かかって来やがれ」

 エルクはあえてミノタウロスジェノサイダーの真正面に立つとミノタウロスジェノサイダーを自分の懐まで呼び込み仙術、水、三の型、津波投げで角を掴み投げ飛ばした。

 エルクは、投げ飛ばして床に倒れているミノタウロスジェノサイダーに近づいて行き仙術、火、一の型、火拳でミノタウロスジェノサイダーの腹に大穴を開けた。

「あ~、やっと終わった。今日はここまでにしよ。ちょっと疲れたからな。お~い。ルリ、戦闘が終わったから箱庭で休むぞ」

『ええ、わかったわ』

 そして、エルクは、ドロップアイテムのミノタウロスたちの角と宝箱を回収するとルリを連れて箱庭に入って行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 百八十五階層中ボス:ヒュドラ、百八十階層ボス:ニーズへックベビー、

 百七十五階層中ボス:炎龍、百七十階層ボス:フレイムドラゴン二体

 百六十五階層中ボス:水龍、百六十階層ボス:アクアドラゴン二体

 これらのボス、中ボスたちは全てルリが瞬殺しました。
 

 百五十階層:ワイバーンキングとワイバーン五体 百四十五階層:ワイバーン十体

 百四十階層:ブラックグリフォンとグリフォン三体 百三十五階層:グリフォンキングとグリフォン二体

 百三十階層:グリフォン十体 百二十五階層:ミノタウロスエンドとミノタウロスカイザー二体

 百二十階層:ミノタウロスカイザーとミノタウロスジェノサイダー二体 

 百十五階層:ミノタウロスジェノサイダー三十体 百十階層:ミノタウロスジェノサイダー二十体 

 百五階層:ミノタウロスジェノサイダー十体


 これらのボスは、エルクとルリが協力して倒しました。



現在のエルクのステータス


【名前】エルク 【種族】ヒューマン  


【年齢】17歳  【レベル】590(+580) 


【称号】アイアン級冒険者    【ジョブ】神獣使い 


【スキル】無限収納・神眼・仙術(NEW)【ジョブスキル】テイム・神獣の箱庭


【体力】5940   【魔力】29950


【従魔】神獣フェンリル・セイントキングワイバーン・セイントワイバーン×3 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

転生赤ちゃんカティは諜報活動しています そして鬼畜な父に溺愛されているようです

れもんぴーる
ファンタジー
実母に殺されそうになったのがきっかけで前世の記憶がよみがえった赤ん坊カティ。冷徹で優秀な若き宰相エドヴァルドに引き取られ、カティの秘密はすぐにばれる。エドヴァルドは鬼畜ぶりを発揮し赤ん坊のカティを特訓し、諜報員に仕立て上げた(つもり)!少しお利口ではないカティの言動は周囲を巻き込み、無表情のエドヴァルドの表情筋が息を吹き返す。誘拐や暗殺などに巻き込まれながらも鬼畜な義父に溺愛されていく魔法のある世界のお話です。 シリアスもありますが、コメディよりです(*´▽`*)。 *作者の勝手なルール、世界観のお話です。突っ込みどころ満載でしょうが、笑ってお流しください(´▽`) *話の中で急な暴力表現など出てくる場合があります。襲撃や尋問っぽい話の時にはご注意ください! 《2023.10月末にレジーナブックス様から書籍を出していただけることになりました(*´▽`*)  規定により非公開になるお話もあります。気になる方はお早めにお読みください! これまで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!》

私は逃げます

恵葉
ファンタジー
ブラック企業で社畜なんてやっていたら、23歳で血反吐を吐いて、死んじゃった…と思ったら、異世界へ転生してしまったOLです。 そしてこれまたありがちな、貴族令嬢として転生してしまったのですが、運命から…ではなく、文字通り物理的に逃げます。 貴族のあれやこれやなんて、構っていられません! 今度こそ好きなように生きます!

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫
ファンタジー
 両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。 冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。 最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。 それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった… そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。 小説家になろう様でも投稿しています。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。

kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。 前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。 やばい!やばい!やばい! 確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。 だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。 前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね! うんうん! 要らない!要らない! さっさと婚約解消して2人を応援するよ! だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。 ※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

処理中です...