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EP13 【弾幕に伏す】(後編)
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「ふぅ……」
言いたいことは言ってやった。おかげでだいぶ頭も冷えてきた。そろそろ本格的に逆転策を考えなくては。
「はっはは! 嬢ちゃんの〈ドール〉は本当に面白いな。高性能なんだか、どっか壊れが壊れた不良品なんだがわかりゃしねぇ。ただ、そろそろ……逃げてばっかの立ち回りにも飽きてきたぜッ!」
グレゴリーの雰囲気も変わった。額には青筋が立って、明らかに苛立っている。
「上等だよ、こんちくしょうがッ!」
デストロイヤーは獲物を大鉈から、懐に隠し持っていた鉄球へと武器を持ち替える。
だが、何故このタイミングで鉄球を出したんだ? 投石武器としては悪くないが、大鉈から持ち替えるまでのメリットに見当がつかない。
〈スパナッ! 気をつけて、アイツの魔力の質が変わった! この……魔力は〉
ネジに言われて、俺も気付いた。鋭く、圧迫感のある濃密な魔力の気配だ。
「まさかテメェ!!」
「散弾魔法(ショットガン・マジック)ッッ!!」
〈ショットガン・マジック〉は高度な軍事用魔法で、指定した物体を弾丸状に分解、それらを敵に向けて撃ち放つ危険なものだ。
コロシアムでの試合なら反則行為として一発退場になる魔法だが、ここにはそんなルールもない。
取り出した鉄球が分解され、俺を撃ち抜くための鉛の弾丸へと変貌し迫りくる。
「スパナ! 避けなさい!!」
無理だ。全方位にまんべんなく撃ち放たれた弾丸は俺に逃げ場を残さない。
残った右腕を盾に〈プロテクト・マジック〉を発動させも、俺が発動した魔法では効果もたかが知れている。
「〈プロテクト・マジック〉ッッ!!」
ネジが重ねがけで魔法を発動させる。それによって固度を増した俺の右腕は何とか〈ショットガン・マジック〉を凌ぎきった。だが、それもかなりギリギリでだ。
「やってくるじゃないの……スパナ、反撃するわよ!」
「反撃? そんなのさせるわけねぇだろ!」
デストロイヤーが二つ目の鉄球を取り出した。〈ショットガン・マジック〉によってそれはすぐさま、無数の弾丸へと変換された。
「やっべ……」
ヤバい。マジで終わるぞ。
今のネジに残された魔力量でアレは防げない。元々、俺たちの方が魔力総量で上回っていたはずなのに、今じゃ、消耗に消耗を重ねた結果、ジリ貧状態に陥っていた。
一方で俺の身体にはそれなりの魔力が残っているが、それでもダメだ。
「プロテッッ……ダメ!! 私じゃ無理!」
ネジはもう魔法陣を展開することもできなかった。
雨滴のような弾丸に晒されて。痛覚はなくても、俺の身体が壊されていっていることを近くできた。
破砕音と吹きこぼれる魔力は俺に死を予感させるのだろう。
一方的でどうしようもない「敗北」が俺のすぐそばまで迫ってやがる。
言いたいことは言ってやった。おかげでだいぶ頭も冷えてきた。そろそろ本格的に逆転策を考えなくては。
「はっはは! 嬢ちゃんの〈ドール〉は本当に面白いな。高性能なんだか、どっか壊れが壊れた不良品なんだがわかりゃしねぇ。ただ、そろそろ……逃げてばっかの立ち回りにも飽きてきたぜッ!」
グレゴリーの雰囲気も変わった。額には青筋が立って、明らかに苛立っている。
「上等だよ、こんちくしょうがッ!」
デストロイヤーは獲物を大鉈から、懐に隠し持っていた鉄球へと武器を持ち替える。
だが、何故このタイミングで鉄球を出したんだ? 投石武器としては悪くないが、大鉈から持ち替えるまでのメリットに見当がつかない。
〈スパナッ! 気をつけて、アイツの魔力の質が変わった! この……魔力は〉
ネジに言われて、俺も気付いた。鋭く、圧迫感のある濃密な魔力の気配だ。
「まさかテメェ!!」
「散弾魔法(ショットガン・マジック)ッッ!!」
〈ショットガン・マジック〉は高度な軍事用魔法で、指定した物体を弾丸状に分解、それらを敵に向けて撃ち放つ危険なものだ。
コロシアムでの試合なら反則行為として一発退場になる魔法だが、ここにはそんなルールもない。
取り出した鉄球が分解され、俺を撃ち抜くための鉛の弾丸へと変貌し迫りくる。
「スパナ! 避けなさい!!」
無理だ。全方位にまんべんなく撃ち放たれた弾丸は俺に逃げ場を残さない。
残った右腕を盾に〈プロテクト・マジック〉を発動させも、俺が発動した魔法では効果もたかが知れている。
「〈プロテクト・マジック〉ッッ!!」
ネジが重ねがけで魔法を発動させる。それによって固度を増した俺の右腕は何とか〈ショットガン・マジック〉を凌ぎきった。だが、それもかなりギリギリでだ。
「やってくるじゃないの……スパナ、反撃するわよ!」
「反撃? そんなのさせるわけねぇだろ!」
デストロイヤーが二つ目の鉄球を取り出した。〈ショットガン・マジック〉によってそれはすぐさま、無数の弾丸へと変換された。
「やっべ……」
ヤバい。マジで終わるぞ。
今のネジに残された魔力量でアレは防げない。元々、俺たちの方が魔力総量で上回っていたはずなのに、今じゃ、消耗に消耗を重ねた結果、ジリ貧状態に陥っていた。
一方で俺の身体にはそれなりの魔力が残っているが、それでもダメだ。
「プロテッッ……ダメ!! 私じゃ無理!」
ネジはもう魔法陣を展開することもできなかった。
雨滴のような弾丸に晒されて。痛覚はなくても、俺の身体が壊されていっていることを近くできた。
破砕音と吹きこぼれる魔力は俺に死を予感させるのだろう。
一方的でどうしようもない「敗北」が俺のすぐそばまで迫ってやがる。
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