そして還るもの

その側には悲しみはなく、炎が燃え盛る

その側には悲しみはなく

　翌朝……

　莉子は少し早い時間に目を覚ました。
「ん、ん～？」
今の時刻は午前4時50分。二度寝してもきっとバチはあたらない。なんて考えていたけど……

「んっ……おはよう」
果南も目を覚ましてしまった。
「おはよう果南。まだ寝てていーよ？」
「ん、そーする」
そう言って私をぬいぐるみを抱くように私を抱き寄せると静かな寝息を立て始めた。

「果南も疲れてるよね。お仕事、私より大変なのに……」
私のためにあれこれしてくれる果南。私の前では絶対に「疲れた」「もう無理」って言わない。弱音を吐かない。それは人にとって意外と難しいこと。果南を尊敬する。

そんな果南を私は……
「果南、私が果南をずっと守れるように、悲しみから果南を守っていけるようにもっといろんな意味で強くなるからね」