上 下
120 / 209
Day‘s Eye 魔術師になったデイジー

貴族籍の離脱

しおりを挟む
 扇子で口元を隠した貴婦人がほほほ、と軽やかに笑い声を立てた。

「──申し訳ございません、折角の申し出ですが、うちの可愛いアステリアを人身御供に差し出すのはご辞退申し上げますわぁ」
「…私の妃は不満なのかな? いずれはこの国で最も高貴な女性になれるというのに」

 予想はしてたけど、ハルベリオン陥落作戦での戦果を評されて、私を王太子妃に、という話がシュバルツ王国議会で上がったそうだ。つまり婚約話の白紙撤回を撤回にするというメチャクチャな話だ。
 それでラウル王太子殿下から直々に呼び出されて事務的な婚約話を持ちかけられたけど、同席していた母上が笑顔でお断り申していた。

 ラウル殿下から不満かと聞かれたが、逆にどんな魅力があるのか聞きたい。
 別の女に夢中な男の元へ嫁いで、義務と我慢を強いられる人生なんか地獄だろう。私は高貴な女性になりたいと思ったことなんて一度もないし、いくら金と権力と名誉があってもそんなのゴメンである。

「普通に嫌ですね。変わらず白紙撤回のままですよ。お断りします」

 母上と同じく、きっぱりお断りすると、ラウル殿下は「傷ついたな」と苦笑いしていたが、本人も内心ではホッとしてるんじゃなかろうか。
 彼の心を射止めている大巫女……サンドラ様は根っこが男性不信だから…まぁ、頑張れとしか。頼まれても応援はしないけど。面倒だし。

「それで? この私との婚約話を蹴って君はどうするんだ?」

 ラウル殿下は野暮なことを聞く。私はニッコリ笑って言ってやった。

「私はエスメラルダの人間ですから。私の根っこは村娘のデイジー・マックなんです」

 私は貴族ではなく、平民に戻る決心をしたのだ。



 ハルベリオン陥落作戦において武勲をあげた私は、エスメラルダとシュバルツ両国から個人名で多額の褒賞金を頂いた。マントにつけるメダルなども貰ったので試しにつけてみたが、移動中にチャカチャカ動いて邪魔そうなので、専用の入れ物にそっと戻した。
 褒賞金は庶民としてなら立派な家を建てられるくらいの大金だ。これは後々の生活に必要になるだろうから大切にとっておく。

 それでもって改めて国所属の魔術師にならないかとか、いい縁談があるんだが、というお話をいくつも頂いたが、私はそのどれもキッパリお断りした。
 特に縁談は殺到して、そのどれにも私の持つ魔術師としての血や、富と名声を欲しがっている、そういう下心しか感じなかった。
 評判の美男子とか旧家出身の男性から熱烈な手紙を貰っても、言葉を一度も交わしていないため不気味に感じた。やたらめったら容姿を賛美されたが、ときめく訳もなく、ただ怖い。不気味すぎた。どこで見てたの…とゾッとした。
 こんなんでも返事しなきゃいけないのだろうか…なんて返すの?
 それを兄上に相談したら、彼は笑顔で焼却炉に連れて行ってくれた。つまり燃やせということらしい。手紙の束はその日のうちに灰となり、煙となって空高く霧散したのである。

 どんなに素敵な条件であったとしても、私の気持ちは揺らがない。
 どんなに説得されようと、心は決まってるのだ。
 私は自分が選んだ道を再出発するのだと。


 シュバルツを去る前に、魔術師として活動をしていた際使用していたフォルクヴァルツ城下町の臨時店舗を閉鎖しようとしたのだが、以前私に教えを乞うた学生たちがこの跡地を引き継ぎたいと言い出した。私の代わりに市民へ薬を提供したいと言うのだ。
 彼らからは「いつでもお帰りをお待ちしております」と言われた。
 
 途中の道でも、市場でお店をやっている領民が果物をくれたり、できたてのお菓子をくれたりと……私は貴族位を捨てて、この地を離れようとしているのに、領民たちは親しげに声を掛けてくる。皆、以前と変わらず私を姫様と慕ってきた。
 私はそれが不思議でならなかったのだが、私付きだったメイドが「皆、姫様の幸せを第一に願っているのですよ」と耳打ちしてきた。
 私がここで過ごした期間は1年もない。そこまで慕われる理由はないと思うのだが、やっぱり因縁の相手をとっ捕まえて倒したのが効いたのかな。

 いつでも帰っていい、と言われるとなんだかホッとする。息苦しくて怖い場所だったはずのフォルクヴァルツが愛おしく感じてきた。


■□■


 出立する前に戦勝祝賀会とやらに参加するようにと命じられ、私はシュバルツの王宮に呼び出されていた。
 …私はエスメラルダの魔術師として戦地へ向かったのでこのパーティに呼ばれる覚えはないのだが、王太子命令なので無視できなかった。……パーティ開きすぎだろう、年に何回開くんだよ。

 私は王侯貴族たちの視線が集まる中で陥落作戦での働きを評価され、王様直々にお言葉を頂いた。それをありがたく受け取る。
 参列する貴族たちからの無遠慮な視線に晒されていた。こころなしか、以前は侮蔑を含んでいた視線が一変して、畏怖と…尊敬っぽい眼差しが送られるようになった。それでも私は誰にも話しかけなかったけども。
 貴族と関わるとろくなことがない、それは今でも私の教訓なのである。どうせ縁談とか持ちかけられるから、必要以上に彼らとは話したくないのだ。


「アステリア様」

 少し前までは耳慣れない単語の羅列だったが、ここ最近は自分のもう一つの名前だと受け入れられるようになった。その名に反応して振り返ると、後ろにエドヴァルド氏が立っていた。
 なんだか随分懐かしく感じる。私の身の回りの変化が起きたのは、この人の必死の出張依頼を受けたことから始まった気がするなぁ…。それが良かったのか悪かったのか、今ではわからないけども。

「本当に、貴族籍を抜けられるのですか?」

 その言葉に私は目をパチリと瞬きした。
 私の口から言わずとも、どこからか貴族ネットワークで伝わってるのかもしれない。貴族からしてみたら異様な決断に見えるのだろう。
 私としては元に戻るだけなんだけど。

「はい」

 私が迷いなく頷くと、エドヴァルド氏の瞳が小さく揺れたように見えた。

「一旦、育った村に帰って、育ててくれた家族に顔を見せに行ってきます。その後はエスメラルダのどこかで家を借りて……自由気ままに魔術師としてのんびり暮らしていきたいと思います」

 ぶっちゃけなんにも計画していない。
 村に私の居場所はもうないかもしれないので、どっかの町で家を借りることも考えている。この際旅を再開してもいいかも。
 とはいっても、自分の立場的にあんまり派手に動かないほうがいいだろうから…それはほとぼりが冷めてからだな。

 私は高等魔術師だ。自分ひとり満足に食べられるくらい余裕で稼げる。身につけた知識と経験を活用して薬屋でも構えるのも悪くないと思うんだ。
 ビルケンシュトックの時みたいな店と家が一体化した物件借りて、楽しくのんびり商売をするのだ。休日には図書館でたくさん本読んだり、還らずの森へ採集に行ったり…。
 ルルやメイとジーンたちとのーんびり森の中をキャンプするのだ。ご飯に鹿を捕まえて、それで……想像するだけで楽しみである……

 私は口元を緩めてひとりでムフフと笑っていた。それを見ていたエドヴァルド氏はなぜだか寂しそうな笑みを浮かべていた。

「……私の妻になってほしいとお願いしたら、考えてくださるでしょうか」
「えっ?」

 私は耳を疑った。
 妻になってほしい?
 何を言っているんだ。私は貴族の生活が身に合わないから平民に戻るのだぞ。

「あなたは魔なしの私を蔑むことはありませんでした」

 エドヴァルド氏の言葉に私は閉口した。
 蔑む…ねぇ。私は魔法の才能のない獣人に囲まれて育って、偶然魔力に恵まれた庶民たちと学んできたから価値観が異なる。…環境が物を言ったんだ。
 私が特別なわけじゃない、きっと。
 たまたま差別意識を持っていない相手に出会ったから、特別視してしまっているだけだろう。

「あなたには母の命を助けていただいた。賢く努力家で根の優しい、身も心も美しいあなたに私は」
「私の手は血で汚れています。……優しい人間はそんな事しません」

 彼の言葉を遮るように私は否定した。
 少なくとも私は戸惑っていた。全くこれっぽっちも意識していなかった相手に求婚されるとか誰が想像できるだろうか。

「……そんな、自分を卑下なさらないでください。あなたは貴族として、魔術師として国民を守ったのです。私はそんなあなたを尊敬しております」

 彼のその気持ちはきっと救われたことによる、一時的な好意であって、劣情を含んだ恋情とかではないと思う。
 そう思って彼の求婚をなかったことにしようと思ったけど、エドヴァルド氏は私の手を取って手の甲に口付けを落とす。
 恭しく贈られたそれに私は固まる。

 彼の榛色の瞳が私を撃ち抜く。
 ──あぁ、彼の瞳は嘘をついていない。本気だ。

 ……彼のひたむきな想いを断ることに心苦しくなったが、私はそっと彼の手をほどいて「ごめんなさい」と謝った。
 この人はいい人だ。貴族特有の傲慢さがない謙虚な人だ。だけど…

「…心に決めた人がいるんですね。私では駄目ですか?」

 その言葉に私は秘密がバレてしまったかのようにドキッとした。

 バカみたい。──あいつには運命の番がいるってのにね。

 あの日の祭りの晩にあいつを受け入れていたら、何かが変わっていたのだろうか。今そんな事考えてもどうしようもないのに。
 今更会いに行ったって、自分が傷つくだけかもしれないのに。

 ──でも、それでも良かった。
 私が再出発するその時には、私が会いたいと願う相手に会いたいのだ。もう私を好きじゃなくてもいい。ただ見送ってほしい。それだけでいい。

 私は何も言わず、苦笑いを浮かべた。
 エドヴァルド氏はそれだけで私の気持ちを察して、おとなしく身を引いてくれた。
 あいつが心にいるのに、他の男性の手を取るなんて真似、私には出来ないのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです

大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。 「俺は子どもみたいな女は好きではない」 ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。 ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。 ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。 何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!? 貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。

【完結】わたしはお飾りの妻らしい。  〜16歳で継母になりました〜

たろ
恋愛
結婚して半年。 わたしはこの家には必要がない。 政略結婚。 愛は何処にもない。 要らないわたしを家から追い出したくて無理矢理結婚させたお義母様。 お義母様のご機嫌を悪くさせたくなくて、わたしを嫁に出したお父様。 とりあえず「嫁」という立場が欲しかった旦那様。 そうしてわたしは旦那様の「嫁」になった。 旦那様には愛する人がいる。 わたしはお飾りの妻。 せっかくのんびり暮らすのだから、好きなことだけさせてもらいますね。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

【完結】王子妃教育1日無料体験実施中!

杜野秋人
恋愛
「このような事件が明るみになった以上は私の婚約者のままにしておくことはできぬ!そなたと私の婚約は破棄されると思え!」 ルテティア国立学園の卒業記念パーティーで、第二王子シャルルから唐突に飛び出したその一言で、シャルルの婚約者である公爵家令嬢ブランディーヌは一気に窮地に立たされることになる。 シャルルによれば、学園で下級生に対する陰湿ないじめが繰り返され、その首謀者がブランディーヌだというのだ。 ブランディーヌは周囲を見渡す。その視線を避けて顔を背ける姿が何人もある。 シャルルの隣にはいじめられているとされる下級生の男爵家令嬢コリンヌの姿が。そのコリンヌが、ブランディーヌと目が合った瞬間、確かに勝ち誇った笑みを浮かべたのが分かった。 ああ、さすがに下位貴族までは盲点でしたわね。 ブランディーヌは敗けを認めるしかない。 だが彼女は、シャルルの次の言葉にさらなる衝撃を受けることになる。 「そして私の婚約は、新たにこのコリンヌと結ぶことになる!」 正式な場でもなく、おそらく父王の承諾さえも得ていないであろう段階で、独断で勝手なことを言い出すシャルル。それも大概だが、本当に男爵家の、下位貴族の娘に王子妃が務まると思っているのか。 これでもブランディーヌは彼の婚約者として10年費やしてきた。その彼の信頼を得られなかったのならば甘んじて婚約破棄も受け入れよう。 だがしかし、シャルルの王子としての立場は守らねばならない。男爵家の娘が立派に務めを果たせるならばいいが、もしも果たせなければ、回り回って婚約者の地位を守れなかったブランディーヌの責任さえも問われかねないのだ。 だから彼女はコリンヌに問うた。 「貴女、王子妃となる覚悟はお有りなのよね? では、一度お試しで受けてみられますか?“王子妃教育”を」 そしてコリンヌは、なぜそう問われたのか、その真意を思い知ることになる⸺! ◆拙作『熊男爵の押しかけ幼妻』と同じ国の同じ時代の物語です。直接の繋がりはありませんが登場人物の一部が被ります。 ◆全15話+番外編が前後編、続編(公爵家侍女編)が全25話+エピローグ、それに設定資料2編とおまけの閑話まで含めて6/2に無事完結! アルファ版は断罪シーンでセリフがひとつ追加されてます。大筋は変わりません。 小説家になろうでも公開しています。あちらは全6話+1話、続編が全13話+エピローグ。なろう版は続編含めて5/16に完結。 ◆小説家になろう4/26日間[異世界恋愛]ランキング1位!同[総合]ランキングも1位!5/22累計100万PV突破! アルファポリスHOTランキングはどうやら41位止まりのようです。(現在圏外)

【R18】熱い一夜が明けたら~酔い潰れた翌朝、隣に団長様の寝顔。~

三月べに
恋愛
酔い潰れた翌朝。やけに身体が重いかと思えば、ベッドには自分だけではなく、男がいた! しかも、第三王子であり、所属する第三騎士団の団長様! 一夜の過ちをガッツリやらかした私は、寝ている間にそそくさと退散。まぁ、あの見目麗しい団長と一夜なんて、いい思いをしたと思うことにした。が、そもそもどうしてそうなった??? と不思議に思っていれば、なんと団長様が一夜のお相手を捜索中だと! 団長様は媚薬を盛られてあの宿屋に逃げ込んでやり過ごそうとしたが、うっかり鍵をかけ忘れ、酔っ払った私がその部屋に入っては、上になだれ込み、致した……! あちゃー! 氷の冷徹の団長様は、一体どういうつもりで探しているのかと息をひそめて耳をすませた。

麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。

スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」 伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。 そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。 ──あの、王子様……何故睨むんですか? 人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ! ◇◆◇ 無断転載・転用禁止。 Do not repost.

処理中です...