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意識し始めた彼女と積極的に動く彼。
人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られて死んじまえ
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2学期の中間試験全日程が終了し、掲示板に上位成績者の順位表が掲示される日、私は自分の順位を確認するよりも前に特進科の順位表を眺めていた。
1学期後半から順位が急落した悠木君の成績結果が気になって1位から彼の名前を探していたのだ。知らずに一緒にバイトしたこともあり、責任を感じていたのだが、特進科30位のところに悠木君の名前を発見した私はホッと息を吐き出した。
完全に元通りとはいかないが、順位回復していることに私は安堵のため息を漏らす。
「相変わらずの1位、流石だな」
「わっ! びっくりした」
周りに意識をやっていなかった私は突然悠木君に話しかけられて飛び上がるほど驚いた。横を見たら輝かんばかりの笑顔の悠木君。
私はそんな彼をみると、なんだか心臓がぎゅうと握られたように苦しくなって、ついつい不自然に目をそらしてしまった。
「森宮? どうした?」
「い、いや、ちょっと動悸が」
「熱でもあるのか? 顔が赤い」
暴れる心臓を抑えようと深呼吸している私の頬に手が伸びてきた。大きな手が頬を覆ったと思えば、コツンと硬いものがおでこにぶつかった。
目と鼻の先には悠木君の整った顔。
「うーん…少し熱い、か?」
おでこをごっつんこして熱をはかられているのだ。
あれだけ暴れていた私の心臓が止まりそうになった。
とはいえ、“なっただけ”で、実際には更に激しくどんどこ鼓動を打ち始めたんだけどね。
「なっ、なにをする!」
掲示板周りに集まっていた生徒たちの視線が一気にこちらに集中して、私は悠木君の胸を押し返す。彼らの好奇な視線に晒され、私の熱は余計に上がっていく。
「大丈夫か? 頬真っ赤じゃん」
私の熱を持ったほっぺたをつまんでうりうりと軽く引っ張って遊ぶ悠木君の手をほどこうと抵抗する。私の顔で遊ぶな!
「誰のせいだと思っているのさ!」
距離が近いよ! 別におでこをくっつけなくてもいいじゃない。しかもこんな公衆の面前で!!
私が注意すると、悠木君はなんだかにやにやして楽しそうに笑っていた。この…私が慌てふためく姿を見て楽しんでやがる…!
悠木君ちょっと行動が大胆になりすぎじゃない!?
私は未だに告白の返事を保留にしていた。
悠木君としては早く返事してほしいと考えているだろうけど、私の中でまだ答えは見つかっておらず、返事ができないままになっている。
申し訳ないとは思っている。だけど悠木君が本気な分、私も本気の返事をしなきゃいけないと考えているのだ。
■□■
「森宮せんぱーい」
昼休みに入ったので1階売店近くの自販機に飲み物を買いに行こうと階段に足をかけた私に声をかけてくる人物がいた。振り返ると、そこには雨宮さんと、その友達らしき1年生女子2人の姿があった。
……珍しいな。彼女が私に話しかけてくるって。
「あのー、噂で聞いたんですけどぉ…森宮先輩、夏生先輩に告白されたって本当ですかぁ?」
単刀直入にされた質問に、自分の頬がカッと熱を持つのを感じ取っていた。私の反応で肯定だと理解した雨宮さんの大きなパッチリした瞳が糸のように細くなった。眉間にはシワがぎっちり寄って、せっかくの美少女が台無しである。
「隣町の秋祭りで抱き合ってたって友達が言うからぁ、まさかって思ったんですけどぉ…」
そこまで目撃されているのか…!
「いや、あれは、神事で人ごみがすごくて」
「で、付き合ってるんですか? どうなんですか?」
私が言い訳をしようとしたら、雨宮さんは立てかけるように尋問してきた。彼女のイライラがこちらにまで伝わってくる。
「告白はされた、けど返事はまだ…」
「はぁ? 返事待たせてるんですか? 先輩ってそんな顔面で何様のつもりなんですか?」
言い方がひどい。そこまで言うことないだろう。
確かに私は悠木君を待たせている。自分でもそこははっきりしてやれよと言いたくなるけど、私もまだ悩んでいるのだ。
どっちつかずな私を見て、雨宮さんが苛ついているのがわかる。ぐうの音も出ない。私は何も言い返せずに黙り込んだ。
「その気がないなら早く振ってあげてくださいよ。そしたら私が…」
「君こそ何様のつもりなの? これは夏生と森宮さんの問題じゃない」
……ん?
飛び込んできた男の声に私が首を横に振ると、そこには眼鏡の姿。
眼鏡、いつからいたの。
眼鏡はヘラヘラといつもの軽そうな笑顔を浮かべながら雨宮さんに近づくと、彼女の背丈に合わせるように身を屈めていた。それ、小さい子に対する対応じゃないのとは突っ込まない。
「雨宮さんだよね? 遠くから見たことあるけど、本当に可愛いね」
おいおい、ここでナンパするなよ…一体何しに来たのと白けた顔をしてもきっと許されるはずである。
可愛いと言われ慣れている雨宮さんは照れることも謙遜することもなく、フンと鼻を鳴らして皮肉っぽい笑みを浮かべていた。可愛いのにその笑い方は勿体ないと思うんだけど。眼鏡が好みのタイプじゃないからそんな顔してるのかな…?
眼鏡は雨宮さんの反応を気にすることもなく、更に笑みを深めた。
「顔は可愛いけど、ちょっと驕り過ぎかな?」
「はぁ…?」
喧嘩を売るような眼鏡の発言に、雨宮さんの表情が剣呑なものになる。
め、眼鏡どうした。あんた女子にそういう事言っちゃう性格だったっけ…?
「仮に森宮さんに夏生が振られたとしても、君にチャンスがあるかはわからないでしょ?」
「…何が言いたいんですかー…?」
形ばかりは敬語で問いかけているけど、雨宮さんの態度は先輩にして良い態度ではない。目の前で戦争が勃発するんじゃとヒヤヒヤしていたが、私の焦りなど知らない眼鏡は胡散臭そうな笑顔を維持したまま更に爆弾投下した。
「夏生は君みたいにアクセサリー感覚で彼氏にしようとする女の子が苦手なんだよ」
「はぁ!? 何その言い方!」
あぁやっぱり眼鏡の目にもそう映るか。
こう見えて友人想いな眼鏡だ。悠木君に害をもたらす人間を識別していそうだもの。悠木君が気づかないだけでこの眼鏡がさり気なく危険から遠ざけていると言われても私は何も驚かないぞ。
「夏生が好きな子は君じゃない。その時点で望みは無いんだよ。ましてや、夏生の想い人に強要して、2人の仲を引き裂こうとする女の子のことを好きになると思う?」
「うっぜぇんだよクソ眼鏡!!」
バッシィ…! といい音を立ててビンタされた眼鏡。宙を舞う眼鏡の分身。私は思わず手を伸ばして空中キャッチする。
「死ね!」
雨宮さんは悪態ついてその場から逃げるように去った。悪口はともかく「死ね」とか言っちゃだめ。本当そういう洒落にならない悪口はいけないよ。
「うーん、口が悪いなぁ…。眼鏡ありがとね森宮さん」
私がキャッチした眼鏡を手渡すと、眼鏡は相棒が壊れていないか確認して装着していた。大丈夫かな、今の衝撃で曲がったりしてないだろうか。
眼鏡の眼鏡を心配していると、何を思ったのか眼鏡が私のおでこに手のひらをぴっとりつけてきた。
「よーしよーし」
ピンポイントでおでこを撫でられる。
意味がわからずに硬直していると、眼鏡は赤く腫らした頬をふんわりと緩めていた。
「夏生が撫でてるのよく見てたけど、なるほど、撫で心地が良いね」
「……気安く触らないでください」
なんだか不快なので、眼鏡の手を引き離して指をへし曲げておく。
私のおでこは無料ではない。触らないでほしい。
「あいててて折れる折れる! なんだよー夏生には撫でさせてるのにー」
「別に私は許可してない! 悠木君が勝手に撫でてくるだけ!」
「んもーそこは夏生が特別だって言ってくれなきゃー」
文句を言いつつも、眼鏡の瞳はあたたかい。
いつものからかう悪い笑顔じゃなく、見守るようなその目に私は首を傾げてしまう。
「……夏生の事、あんまり待たせないでやってね。あいつ本気だからさ」
その言葉に私は苦笑いしてしまった。
いつもはヘラヘラしてる癖にこういうとこは真面目な眼鏡。友達を大切にする男なんだよな。
「……わかってる。私も一生懸命考えてるんだ」
真摯に応えなきゃって思ったら、考えすぎて答えが見つからなくなっている状況なんだけどね。
「考える必要ないと思うんだけどなぁ……森宮さんは本当に鈍感だねぇ」
「うるさいよ。何もかも知ってますみたいな言い方しないでくれる?」
また人のことを鈍感呼ばわりして…私に対して失礼だからね、それ。
私が不満を露わにすると、眼鏡はやれやれとわざとらしく首を横に振った。普段どおりの人をおちょくる眼鏡に戻った。
さっきのシリアスモードはどこに行ったんだ。
1学期後半から順位が急落した悠木君の成績結果が気になって1位から彼の名前を探していたのだ。知らずに一緒にバイトしたこともあり、責任を感じていたのだが、特進科30位のところに悠木君の名前を発見した私はホッと息を吐き出した。
完全に元通りとはいかないが、順位回復していることに私は安堵のため息を漏らす。
「相変わらずの1位、流石だな」
「わっ! びっくりした」
周りに意識をやっていなかった私は突然悠木君に話しかけられて飛び上がるほど驚いた。横を見たら輝かんばかりの笑顔の悠木君。
私はそんな彼をみると、なんだか心臓がぎゅうと握られたように苦しくなって、ついつい不自然に目をそらしてしまった。
「森宮? どうした?」
「い、いや、ちょっと動悸が」
「熱でもあるのか? 顔が赤い」
暴れる心臓を抑えようと深呼吸している私の頬に手が伸びてきた。大きな手が頬を覆ったと思えば、コツンと硬いものがおでこにぶつかった。
目と鼻の先には悠木君の整った顔。
「うーん…少し熱い、か?」
おでこをごっつんこして熱をはかられているのだ。
あれだけ暴れていた私の心臓が止まりそうになった。
とはいえ、“なっただけ”で、実際には更に激しくどんどこ鼓動を打ち始めたんだけどね。
「なっ、なにをする!」
掲示板周りに集まっていた生徒たちの視線が一気にこちらに集中して、私は悠木君の胸を押し返す。彼らの好奇な視線に晒され、私の熱は余計に上がっていく。
「大丈夫か? 頬真っ赤じゃん」
私の熱を持ったほっぺたをつまんでうりうりと軽く引っ張って遊ぶ悠木君の手をほどこうと抵抗する。私の顔で遊ぶな!
「誰のせいだと思っているのさ!」
距離が近いよ! 別におでこをくっつけなくてもいいじゃない。しかもこんな公衆の面前で!!
私が注意すると、悠木君はなんだかにやにやして楽しそうに笑っていた。この…私が慌てふためく姿を見て楽しんでやがる…!
悠木君ちょっと行動が大胆になりすぎじゃない!?
私は未だに告白の返事を保留にしていた。
悠木君としては早く返事してほしいと考えているだろうけど、私の中でまだ答えは見つかっておらず、返事ができないままになっている。
申し訳ないとは思っている。だけど悠木君が本気な分、私も本気の返事をしなきゃいけないと考えているのだ。
■□■
「森宮せんぱーい」
昼休みに入ったので1階売店近くの自販機に飲み物を買いに行こうと階段に足をかけた私に声をかけてくる人物がいた。振り返ると、そこには雨宮さんと、その友達らしき1年生女子2人の姿があった。
……珍しいな。彼女が私に話しかけてくるって。
「あのー、噂で聞いたんですけどぉ…森宮先輩、夏生先輩に告白されたって本当ですかぁ?」
単刀直入にされた質問に、自分の頬がカッと熱を持つのを感じ取っていた。私の反応で肯定だと理解した雨宮さんの大きなパッチリした瞳が糸のように細くなった。眉間にはシワがぎっちり寄って、せっかくの美少女が台無しである。
「隣町の秋祭りで抱き合ってたって友達が言うからぁ、まさかって思ったんですけどぉ…」
そこまで目撃されているのか…!
「いや、あれは、神事で人ごみがすごくて」
「で、付き合ってるんですか? どうなんですか?」
私が言い訳をしようとしたら、雨宮さんは立てかけるように尋問してきた。彼女のイライラがこちらにまで伝わってくる。
「告白はされた、けど返事はまだ…」
「はぁ? 返事待たせてるんですか? 先輩ってそんな顔面で何様のつもりなんですか?」
言い方がひどい。そこまで言うことないだろう。
確かに私は悠木君を待たせている。自分でもそこははっきりしてやれよと言いたくなるけど、私もまだ悩んでいるのだ。
どっちつかずな私を見て、雨宮さんが苛ついているのがわかる。ぐうの音も出ない。私は何も言い返せずに黙り込んだ。
「その気がないなら早く振ってあげてくださいよ。そしたら私が…」
「君こそ何様のつもりなの? これは夏生と森宮さんの問題じゃない」
……ん?
飛び込んできた男の声に私が首を横に振ると、そこには眼鏡の姿。
眼鏡、いつからいたの。
眼鏡はヘラヘラといつもの軽そうな笑顔を浮かべながら雨宮さんに近づくと、彼女の背丈に合わせるように身を屈めていた。それ、小さい子に対する対応じゃないのとは突っ込まない。
「雨宮さんだよね? 遠くから見たことあるけど、本当に可愛いね」
おいおい、ここでナンパするなよ…一体何しに来たのと白けた顔をしてもきっと許されるはずである。
可愛いと言われ慣れている雨宮さんは照れることも謙遜することもなく、フンと鼻を鳴らして皮肉っぽい笑みを浮かべていた。可愛いのにその笑い方は勿体ないと思うんだけど。眼鏡が好みのタイプじゃないからそんな顔してるのかな…?
眼鏡は雨宮さんの反応を気にすることもなく、更に笑みを深めた。
「顔は可愛いけど、ちょっと驕り過ぎかな?」
「はぁ…?」
喧嘩を売るような眼鏡の発言に、雨宮さんの表情が剣呑なものになる。
め、眼鏡どうした。あんた女子にそういう事言っちゃう性格だったっけ…?
「仮に森宮さんに夏生が振られたとしても、君にチャンスがあるかはわからないでしょ?」
「…何が言いたいんですかー…?」
形ばかりは敬語で問いかけているけど、雨宮さんの態度は先輩にして良い態度ではない。目の前で戦争が勃発するんじゃとヒヤヒヤしていたが、私の焦りなど知らない眼鏡は胡散臭そうな笑顔を維持したまま更に爆弾投下した。
「夏生は君みたいにアクセサリー感覚で彼氏にしようとする女の子が苦手なんだよ」
「はぁ!? 何その言い方!」
あぁやっぱり眼鏡の目にもそう映るか。
こう見えて友人想いな眼鏡だ。悠木君に害をもたらす人間を識別していそうだもの。悠木君が気づかないだけでこの眼鏡がさり気なく危険から遠ざけていると言われても私は何も驚かないぞ。
「夏生が好きな子は君じゃない。その時点で望みは無いんだよ。ましてや、夏生の想い人に強要して、2人の仲を引き裂こうとする女の子のことを好きになると思う?」
「うっぜぇんだよクソ眼鏡!!」
バッシィ…! といい音を立ててビンタされた眼鏡。宙を舞う眼鏡の分身。私は思わず手を伸ばして空中キャッチする。
「死ね!」
雨宮さんは悪態ついてその場から逃げるように去った。悪口はともかく「死ね」とか言っちゃだめ。本当そういう洒落にならない悪口はいけないよ。
「うーん、口が悪いなぁ…。眼鏡ありがとね森宮さん」
私がキャッチした眼鏡を手渡すと、眼鏡は相棒が壊れていないか確認して装着していた。大丈夫かな、今の衝撃で曲がったりしてないだろうか。
眼鏡の眼鏡を心配していると、何を思ったのか眼鏡が私のおでこに手のひらをぴっとりつけてきた。
「よーしよーし」
ピンポイントでおでこを撫でられる。
意味がわからずに硬直していると、眼鏡は赤く腫らした頬をふんわりと緩めていた。
「夏生が撫でてるのよく見てたけど、なるほど、撫で心地が良いね」
「……気安く触らないでください」
なんだか不快なので、眼鏡の手を引き離して指をへし曲げておく。
私のおでこは無料ではない。触らないでほしい。
「あいててて折れる折れる! なんだよー夏生には撫でさせてるのにー」
「別に私は許可してない! 悠木君が勝手に撫でてくるだけ!」
「んもーそこは夏生が特別だって言ってくれなきゃー」
文句を言いつつも、眼鏡の瞳はあたたかい。
いつものからかう悪い笑顔じゃなく、見守るようなその目に私は首を傾げてしまう。
「……夏生の事、あんまり待たせないでやってね。あいつ本気だからさ」
その言葉に私は苦笑いしてしまった。
いつもはヘラヘラしてる癖にこういうとこは真面目な眼鏡。友達を大切にする男なんだよな。
「……わかってる。私も一生懸命考えてるんだ」
真摯に応えなきゃって思ったら、考えすぎて答えが見つからなくなっている状況なんだけどね。
「考える必要ないと思うんだけどなぁ……森宮さんは本当に鈍感だねぇ」
「うるさいよ。何もかも知ってますみたいな言い方しないでくれる?」
また人のことを鈍感呼ばわりして…私に対して失礼だからね、それ。
私が不満を露わにすると、眼鏡はやれやれとわざとらしく首を横に振った。普段どおりの人をおちょくる眼鏡に戻った。
さっきのシリアスモードはどこに行ったんだ。
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