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入学を目指せ!

2 取り戻した記憶

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『ミライエンド?』
『うん。翔。興味ねぇか??500通りのエンドルートがあって、そのうち499通りはバッドエンド!』
『とんでもねぇクソゲーだな。』
『いやいや、楽しいからね?俺この間メイドに毒殺されたんだぜ!』
『喜ぶなよ。俺ならハッピーエンドしか目指さないけどな。』

このゲームの主人公ヒビキは忌み子として影ながら命を狙われている。それも、全員女性から。

最初はその見た目からハーレムゲームだと思い込まれて流行ったらしい。
 
が...蓋を開ければクソゲーだそうだ。 
妹もメイドも幼なじみも先輩もみーんな暗殺者でプレイヤーの命を狙ってくる。
俺はそんなゲームやりたくもない。プレイ画面を見るだけで十分だ。

『顔は可愛いのに。』
『俺はみんな暗殺者ってとんでもない設定好きだけどねー!』

俺の友達にただ1人だけこのゲームに熱中していたやつがいた。

そいつの名前は、、


ん? 


そいつの名前って、なんだっけ?


そもそも俺は交通事故で死んだんだろ?

これななんの記憶だ?誰のいつの記憶だ?


今の俺は...


...今の俺?

「おーい。ヒビキ。大丈夫か?」
「...うっ。」
『お前記憶を取り戻したな?アタシが見えるだろ!』

記憶...ここはさっきの図書館!?

『あー、ボーッとしていやがるぜ。』
「...!?俺は、誰だ?」
『おいおい。記憶の渋滞かよ?アタシの話を落ち着いてよく聞くんだな。』

そうケラケラ笑うのは目の前にいる金髪碧眼の少女だった。


『アタシの名前はアリサ。お前の名前はヒビキ。さっきまで見ていた夢はお前の前世佐藤翔の記憶だ。つまり、わかるよな?』
「つ、つまり、この世界はミライエンドの世界で俺はその主人公。。」
『そうだ!そうだ!』
「最悪じゃねぇか!」
『おい、うるさいぞ。アタシは他のやつには見えないんだ。独り言話すヤバいやつになりたくなければ一旦黙れ。』

ここはミライエンドの世界で俺は主人公ヒビキ。周りにいるやつは皆暗殺者。

「お、お前もか!?」
『アタシは暗殺者じゃねぇよ。アタシはヒビキをハッピーエンドへ導いてやる優しい優しいお方だ。』
「し、信じていいのかよ?」
『あぁ。ま、お前が真っ先に疑うべきは家だけどな。あのままだとポコッて殺されんぞ。』

え、怖。
俺の人生積んでんじゃん。死ぬしかないじゃん!
死にたくねぇよぉぉ!!

『だ、か、ら!アタシがお前を生かすつってんだろ。5秒で選べ。』
「なにを?」
『マシンガンを上手に使う能力。すべてを見通す能力。ロープを上手に使う能力。魔法を覚える能力。この4つの中から1つ欲しいのを選べ。選んだことについてはお前は誰にも負けない。』
「1つで済むなら即刻ハッピーエンドだわ!全て、欲しい。」
『いやいや、アタシの能力を分けてやってんだ。全部取られたら困るだろ。』
「俺の敵は何人だ?」

こんなことになるなら、このゲームやっとけばよかったぜ。

『こんなことになるなら、このゲームやっとけばよかった?それはそうだな!お前は知識皆無でこの世界を生きるんだもんな。』
「なっ!?」
『今のがすべてを見通す能力。アタシは人の脳内もステータスもすべてが見える。魅力的だろ?』

だけど、見えたところで...このゲーム攻略本みてもクリアできねぇクソゲーって言ってたような。。

『ま、攻略本を見てもクリア出来ないって有名だよな。それは、簡単な話だ。ヒビキ、お前は肉体戦で勝ち目がない。』
「そんなときにマシンガンと魔法とロープってか?」
『あぁ。物分かりが早いな。』
「それをとるとすべてを見通せない。ってなると毒殺されるんじゃねぇの?」
『それはそうだな。毒が見えないし。パクっと食らいそうだな。』
「やっぱ無理だ!ここでハッピーエンドなんか無理なんだよ!!」
『...そんなに全部ほしいか?』
「あぁ。当たり前だろ。じゃなきゃ俺、死ぬからな?そもそもこういうのってさ好きなゲームの世界に転生できるんじゃねぇの?なのに、なんで俺だけこんなクソゲーの世界に...」

美女に囲まれる幸せなハーレムエンドなんか無理だろ。叶えたら幸せだろうけど、死ぬだろ。俺。

『ふーん。なるほど。』
「んだよ。」
『ヒビキのその強欲さ気に入った。お前の願い通りすべての能力をあげよう。』
「マジで?いいのか!?」
『っていうのは半分嘘で。お前は無一文な。その代わりアタシが責任持ってヒビキを守ってやる。』
「それ、大丈夫だよな?お前、強いんだよな?」
『アタシのことはアリサって呼べよな。安心しろ。アタシは強い。まぁ、2つデメリットをあげるとすれば、ヒビキはどの暗殺者よりも弱い状況になる。あとは、アタシは実体がない。』

こいつ霊ってこと...!?
俺が見えてるのはなんでだよ。。

『おいおい、アタシは霊なんかじゃない。ヒビキがハッピーエンドを願ったからアタシが見えてるんだ。安心しろ。お前を狙う主な刺客。4人が揃えばアタシは実体化できる。』

4人 ...!?
あいつが言ってたメイド、妹、幼なじみ、あと、先輩ってやつか。

『どれも身近な存在で精神的に病むかもしれないが、アタシが側にいてやるから安心しろよな?』
「お、おう!信じてるからな。アリサ。」
『おう!アタシのことは絶対信じろよ!約束な?』

目の前の俺にしか見えない金髪碧眼の少女はそうニカッと笑った。
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