至高のオメガとガラスの靴

むー

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番外編/後日談

後日談:マサキとトーマ

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「3日経ってから連絡寄越すなんて、遅過ぎじゃね?」
アイツがヒロを離さなかったんだろ。ヒロは悪くない」
「あー、そうだな」

本日休みで空いている後ろの2つの席に向かってマサキとトーマは喋る。
この2人ーーヒロとアカリは月曜日からずっと休んでいる。
ヒロは今日までで、アカリは今週いっぱいの予定だ。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


ヒロとアカリが番になったと、今朝、メッセージアプリからマサキとトーマにそれぞれから連絡がきた。
片方はウザいくらい絵文字やスタンプがドッサリで、もう片方は報告と連絡が遅くなったことについての謝罪のみで絵文字やスタンプはなしだ。

小学生の頃からのあの2人と一緒にいたマサキとトーマからすると、やっと纏まったかという安堵の気持ちが先に出た。

ヒロが考えて考えて目の下に隈ができてしまうほど悩んで見つけた答え。

アカリがずっと変わることのなかった一途な想い。

それがやっと繋がったのだ。
嬉しくないはずがない。

「明日ヒロが学校に来たら詳細聞こうぜ」
「棗ならほっといてもベラベラ喋るぞ、たぶんかなり盛って」
「ははっ、やりそー」

きっとヒロは真っ赤になって「アカリちゃん、僕、そんなことしてないっ」と言うんだろうな。
楽しい報告会になりそうだ。

「次はーー」
「ああ」

2人の顔を想像したマサキとトーマは、顔を合わせてフッと笑った。

「とりあえず、まずは先にお祝いすっか」
「ふっ、そうだな。調子に乗った棗が、変な菓子作ってきそうだし」


❇︎❇︎❇︎❇︎


2日後。

予定より一日長く休んだヒロが登校した。
少しやつれ、まだ顔色が優れないヒロの両手には可愛くラッピングされた包みが2つ乗っていた。

「これ、アカリちゃんから2人にって。あ、『隠し味はボクの愛情だよー』だって」

「マジか……『隠し味』て……アレだよな……」
「ああ、確実に隠れてないやつな……」

「2人とも顔色悪いけどどうしたの?」

ここに居る誰よりも青白い顔なのにニコニコするヒロと、サイズの割に手に乗るずっしりした重みに、隠すことなくガックシと項垂れるマサキとトーマだった。

「「遅かった……」」

__________________

中身はたぶんアカリ特製のトリュフです。
ヒロは腹痛で木曜日は休みましたが、その原因に気づいてません(笑)

次回はちょっと長いです。
そして『後日談』は次で終わりです。

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