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同居:0日目 11/21(日)
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朝から準備をして、最低限の荷物を持った俺が部屋に着いたのは14時55分だった。
服とか身の回りの物を選抜したのだが冬服は思いのほか嵩張って、スポーツバックから少し大きめのキャリケースに移し替えた。
それでも早めに準備が終わり、コーヒー飲んでくつろいでいたのだが…。
「お兄ちゃん、大学で使う教科書とかノートは持ってかないの?」
「………あ……」
ワスレテタヨ!
そっからはバタバタで、気付けば出発時間はとっくに過ぎていた。
タクシーなんて使う余裕のない俺は走った。
電車に乗っている間以外は走った。
キャリーは結局転がさずに抱えた。
汗はダクダクで息も絶え絶えの俺を望月さんは何事もなかったように出迎えた。
広いリビングダイニングには既にマコトさんがいた。
「だ、大丈夫?」
マコトさんは俺に駆け寄り、ポケットからハンドタオルを取り出して俺の汗を拭いてくれたが拭いても拭いても汗が吹き出した。
「とりあえずコレ飲んで」
差し出された紅茶を一気飲みした。
俺が到着するまで飲まずに待っていてくれたのか、紅茶は程よく冷めてて口の中を火傷することはなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「ーー説明は以上となります。立花様、ご質問はございますでしょうか」
「だ、大丈夫です」
丁寧且つ簡潔に短時間で説明した望月さんに俺は恐縮しまくった。
「ご不明な点がございましたら、いつでも携帯にご連絡下さい。では明日から1ヶ月、真琴様をよろしくお願い致します」
これまた丁寧にお辞儀をして帰っていった。
俺とマコトさんが1ヶ月住むマンションは、俺の通う大学からもマコトさんの職場からも近い場所を用意してもらった。
しかも、コンシェルジュのいるマンションの最上階だ。
鍵はオートロックで、入室にはカードを使うか網膜認証でいけるらしい。
望月さんに使わなくても登録する様に言われた。
「では、改めて挨拶するね。僕は弥生真琴、24歳、会社員です」
「俺は立花紫陽、20歳、大学3年です」
真琴さんは俺より4つ年上だった。
2ヶ月後には3つ上になるか。
学生だと言っても通じるくらい見た目は若い。
バースはオメガだけど、一般的なオメガに比べると残念な容姿だと真琴さんは笑って言ってたけど。
「俺は可愛いと思いますよ」
「っ~~~~」
ポロッと零した発言に真琴さんは顔を真っ赤にしてモゴモゴと言葉を詰まらせていた。
なんだそれ、可愛いんですけど。
「君、眼科行ったほうがいいよ」
ちょっと涙目で毒を吐く真琴さんも可愛いかと。
俺、おかしいのかな?
「"君"じゃないです。紫陽」
「……うっ……紫陽…くん」
「はい」
年上には見えない反応に、俺の緊張はすっかり解けた。
「真琴さん、晩ご飯どうしますか?」
「あーうん。これから作るのは材料ないし無理だからデリバリーにしようかなって思ってる。し、紫陽くん、希望ある?」
「じゃあ、ピザにしませんか。俺、ピザ食べたいです」
「分かった。お金は僕が払うから注文お願いしていいかな。僕、デリバリーって利用したことがなくて。あ、好きなもの頼んでいいから」
「了解っす」
某有名ピザチェーン店でLサイズのピザを2つとサラダを注文した。
ピザの到着を待つ間に、近くの酒屋でビールとワインを買った。
もちろん、真琴さんのマネーで。
外出たついでに網膜認証の登録も済ませた。
真琴さんはピザの代金の安さに衝撃を受けていたが、味はお気に召した様で「美味しいね」とニコニコ食べてくれた。
でも結構少食なようで、ピザ2切れとサラダでお腹いっぱいになったと言い、残りは俺が美味しく頂いたが、流石に多かったから今度からMサイズ2枚にしよう。
「まるでブラックホールみたいだ……」と目を丸くした真琴さんとの夕食は意外に楽しい時間になった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「そろそろ寝ようか」
気が付くと、時計はもう少しで天辺を刺そうとしていた。
テレビ見ながら好きな番組について雑談していたらあっという間に時間は過ぎていた。
「あ、あのっ、真琴さん、質問があるんですけど」
「ん、何かな?」
俺と真琴さんの寝室は別々だ。
俺の部屋は実家の2倍くらいデカい部屋で、ベッドはダブルサイズだ。
真琴さんの部屋は見せてもらってないから分からないけど、たぶん俺よりも広い部屋とデカいベッドだと推測してる。
「あ、あの……夜の営み、なんですが」
「夜のいとなっ」
言いかけた真琴さんはボンっと効果音をつけたくなるほど一気に顔が赤くなった。
「1ヶ月間とはいえ、俺たち一応婚約してますし」
俯きながらチラッと真琴さんの様子を窺うと、真琴さんも俯いていてよく見えない。
「ーーしないよ」
「えっ」
「昨日言ったよね。1ヶ月禁欲だって」
顔を上げニッコリ笑って言う真琴さんからさっき見せた顔の赤みは引いていた。
「………」
「妊娠の有無が確認できていない状況でセックスして、それが原因で本当に子供ができちゃったら紫陽くん困るでしょ?」
「……あー、まあ、そうです、ね」
俺、まだ学生だし。
でもゴム使えばできなくはないんじゃないか。
「ーーそれに」
俺が口を開く前に真琴さんが続ける。
「僕たちは1ヶ月間だけの婚約。契約みたいなものだ。本当に結婚するわけではないし、1ヶ月後にはお別れする関係だ」
そう言うと、また俯いてしまって表情が見えなくなった。
なんだろう、ちょっと傷付いた。
「真琴さん、それ言い過ぎじゃないですか。それに同居を提案したのは真琴さんだ。期待ぐらいします」
「言い過ぎじゃないよ。婚約と同居は体裁のため。君が他所で浮気をしないためだよ。婚約期間中に君に浮気されたら実家に迷惑がかかるから……」
真琴さんは自分のことではなく、家のために婚約と同居を提案したのか。
家のために。
「それじゃあ、真琴さんはーー」
「ふっ……僕は大丈夫だよ。何も傷つかない」
顔を上げた真琴さんは少し悲しそうに微笑んでいた。
「だって、僕は発情しないから」
____________________
本編開始になります。
8時と18時の1日2回の更新となります。
※今日だけ0時、8時、18時の3回更新です。
服とか身の回りの物を選抜したのだが冬服は思いのほか嵩張って、スポーツバックから少し大きめのキャリケースに移し替えた。
それでも早めに準備が終わり、コーヒー飲んでくつろいでいたのだが…。
「お兄ちゃん、大学で使う教科書とかノートは持ってかないの?」
「………あ……」
ワスレテタヨ!
そっからはバタバタで、気付けば出発時間はとっくに過ぎていた。
タクシーなんて使う余裕のない俺は走った。
電車に乗っている間以外は走った。
キャリーは結局転がさずに抱えた。
汗はダクダクで息も絶え絶えの俺を望月さんは何事もなかったように出迎えた。
広いリビングダイニングには既にマコトさんがいた。
「だ、大丈夫?」
マコトさんは俺に駆け寄り、ポケットからハンドタオルを取り出して俺の汗を拭いてくれたが拭いても拭いても汗が吹き出した。
「とりあえずコレ飲んで」
差し出された紅茶を一気飲みした。
俺が到着するまで飲まずに待っていてくれたのか、紅茶は程よく冷めてて口の中を火傷することはなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「ーー説明は以上となります。立花様、ご質問はございますでしょうか」
「だ、大丈夫です」
丁寧且つ簡潔に短時間で説明した望月さんに俺は恐縮しまくった。
「ご不明な点がございましたら、いつでも携帯にご連絡下さい。では明日から1ヶ月、真琴様をよろしくお願い致します」
これまた丁寧にお辞儀をして帰っていった。
俺とマコトさんが1ヶ月住むマンションは、俺の通う大学からもマコトさんの職場からも近い場所を用意してもらった。
しかも、コンシェルジュのいるマンションの最上階だ。
鍵はオートロックで、入室にはカードを使うか網膜認証でいけるらしい。
望月さんに使わなくても登録する様に言われた。
「では、改めて挨拶するね。僕は弥生真琴、24歳、会社員です」
「俺は立花紫陽、20歳、大学3年です」
真琴さんは俺より4つ年上だった。
2ヶ月後には3つ上になるか。
学生だと言っても通じるくらい見た目は若い。
バースはオメガだけど、一般的なオメガに比べると残念な容姿だと真琴さんは笑って言ってたけど。
「俺は可愛いと思いますよ」
「っ~~~~」
ポロッと零した発言に真琴さんは顔を真っ赤にしてモゴモゴと言葉を詰まらせていた。
なんだそれ、可愛いんですけど。
「君、眼科行ったほうがいいよ」
ちょっと涙目で毒を吐く真琴さんも可愛いかと。
俺、おかしいのかな?
「"君"じゃないです。紫陽」
「……うっ……紫陽…くん」
「はい」
年上には見えない反応に、俺の緊張はすっかり解けた。
「真琴さん、晩ご飯どうしますか?」
「あーうん。これから作るのは材料ないし無理だからデリバリーにしようかなって思ってる。し、紫陽くん、希望ある?」
「じゃあ、ピザにしませんか。俺、ピザ食べたいです」
「分かった。お金は僕が払うから注文お願いしていいかな。僕、デリバリーって利用したことがなくて。あ、好きなもの頼んでいいから」
「了解っす」
某有名ピザチェーン店でLサイズのピザを2つとサラダを注文した。
ピザの到着を待つ間に、近くの酒屋でビールとワインを買った。
もちろん、真琴さんのマネーで。
外出たついでに網膜認証の登録も済ませた。
真琴さんはピザの代金の安さに衝撃を受けていたが、味はお気に召した様で「美味しいね」とニコニコ食べてくれた。
でも結構少食なようで、ピザ2切れとサラダでお腹いっぱいになったと言い、残りは俺が美味しく頂いたが、流石に多かったから今度からMサイズ2枚にしよう。
「まるでブラックホールみたいだ……」と目を丸くした真琴さんとの夕食は意外に楽しい時間になった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「そろそろ寝ようか」
気が付くと、時計はもう少しで天辺を刺そうとしていた。
テレビ見ながら好きな番組について雑談していたらあっという間に時間は過ぎていた。
「あ、あのっ、真琴さん、質問があるんですけど」
「ん、何かな?」
俺と真琴さんの寝室は別々だ。
俺の部屋は実家の2倍くらいデカい部屋で、ベッドはダブルサイズだ。
真琴さんの部屋は見せてもらってないから分からないけど、たぶん俺よりも広い部屋とデカいベッドだと推測してる。
「あ、あの……夜の営み、なんですが」
「夜のいとなっ」
言いかけた真琴さんはボンっと効果音をつけたくなるほど一気に顔が赤くなった。
「1ヶ月間とはいえ、俺たち一応婚約してますし」
俯きながらチラッと真琴さんの様子を窺うと、真琴さんも俯いていてよく見えない。
「ーーしないよ」
「えっ」
「昨日言ったよね。1ヶ月禁欲だって」
顔を上げニッコリ笑って言う真琴さんからさっき見せた顔の赤みは引いていた。
「………」
「妊娠の有無が確認できていない状況でセックスして、それが原因で本当に子供ができちゃったら紫陽くん困るでしょ?」
「……あー、まあ、そうです、ね」
俺、まだ学生だし。
でもゴム使えばできなくはないんじゃないか。
「ーーそれに」
俺が口を開く前に真琴さんが続ける。
「僕たちは1ヶ月間だけの婚約。契約みたいなものだ。本当に結婚するわけではないし、1ヶ月後にはお別れする関係だ」
そう言うと、また俯いてしまって表情が見えなくなった。
なんだろう、ちょっと傷付いた。
「真琴さん、それ言い過ぎじゃないですか。それに同居を提案したのは真琴さんだ。期待ぐらいします」
「言い過ぎじゃないよ。婚約と同居は体裁のため。君が他所で浮気をしないためだよ。婚約期間中に君に浮気されたら実家に迷惑がかかるから……」
真琴さんは自分のことではなく、家のために婚約と同居を提案したのか。
家のために。
「それじゃあ、真琴さんはーー」
「ふっ……僕は大丈夫だよ。何も傷つかない」
顔を上げた真琴さんは少し悲しそうに微笑んでいた。
「だって、僕は発情しないから」
____________________
本編開始になります。
8時と18時の1日2回の更新となります。
※今日だけ0時、8時、18時の3回更新です。
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