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第2部

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「私の友人の娘のアユ……ユームちゃんよ。1人でこの国に、私に会いにきてくれたの。だからこの国でお友達をと思って、このお茶会にも誘ったの。みなさん、よろしくねぇ」
「ゆ、ユームでぇす。よろしくお願いしまぁす」

王妃様の紹介にオレはできるだけ可愛らしく挨拶をした。
って、ユームって……。

「ユームさん、ごきげんよう」
「可愛らしい方ですわね」

お貴族のお嬢様方から優しく声を掛けられるが、その目は刺すように痛い。
王妃様に可愛がられているオレのことを気に入らないようだ。

「貴女、お父上の爵位はなんですの?」
「へっ?……しゃ、爵位?えーと、平民なんでそういうのはありません……です」

突然、丸太のような女性に声を掛けられて裏返ってしまったが、何とか答える。

「まぁ、平民⁉︎王妃様のお知り合いだとしても、よくこの会に参加できしましたわねぇ」

王妃様には聞こえないよう声量を抑えて嫌味を言ってきたが、それでもなかなかの大きさで筒抜けだ。

「マルタさん。ユームさんは王妃様のお友だちですわよ。失礼な言葉は慎みなさい」
「あっ、マリフェス様、申し訳ありません」

丸太……基、マルタ嬢を諌めたのはあのマリフェス嬢だ。
前に会ったのは初めてこの世界に来たときの宴で、父親のサーペント侯爵と一緒だった。
その時はブリブリの話し方だったが、今隣に座る彼女はとても落ち着いた話し方をしていてまるで別人のようだ。
マルタ嬢は大きな体を小さくして反省したようだったが、目が合うとめっちゃ睨まれた。

それから、王妃様の進行で茶会は進められたが、オレに向けられた視線は変わることはなかった。
女子って怖い……。


「あ、あのっ、王妃様」

1時間も経った頃。
会話が途切れたタイミングを見計らいオレは思い切って王妃様に声を掛けた。

「あらユームちゃん、どうしたの?」

ニッコリ笑顔の王妃様に対し、周りからは口を開いた無礼な平民のオレにまた刺すような視線が送られた。

「す、少し、バラ園を見学したいです。せ、席を外してい……よいですか?」

この空間に耐えられなくなったオレは、バラ園に逃げるべく王妃様に可愛くお願いした。

「まあまあ、是非見に行きなさい。ここのバラはどれも素敵だから、こちらのことは気にせずゆっくり見てくるといいわ」

王妃様はこの最悪な状況を察してくれ、オレのお願いを快諾してくれた。
オレはこの地獄の空間から逃げるように離れた。

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