上 下
9 / 76

第9話

しおりを挟む
「そんなこと言われても何を伸ばしたらいいなんて分からない!魔物と戦うのに、攻撃をするのが嫌だなんて不良品以外なにものでもないでしょ!!」


「ママ、落ち着いて話を聞くんだ!ママはあまりゲームをしないから分からないだろうけど、魔物を退治するのにも色々な役割分担があるんだ!


 例えば、前に出て敵の攻撃を防いだり、動きを止めたりする【タンク役】と呼ばれる盾を得意とする前衛職!この役目の人がいないと強敵と戦う際には苦戦しやすくなる。タンク役は一番の前衛にいるが、殆ど攻撃をせずに敵の行動を観察し、動きを潰すことに全力を注ぐんだ。だから他の人間は安心して攻撃や回復に専念できるんだ。


次に【火力職】とか【アタッカー】と呼ばれる、攻撃に特化した前衛職!この役目の人は、ひたすら攻撃に専念するんだ。ある意味1番分かりやすい役目かもしれない。


次に【後衛アタッカー】と呼ばれる、魔法や弓や銃なんかを得意とする攻撃役だな。この役目の人は範囲攻撃や高火力の一撃が得意な場合が多い。ただ打たれ弱かったり、魔法の詠唱や攻撃の準備に時間がかかることが多く、前衛職に守ってもらわないとまともに戦えなかったりする。


最後に【ヒーラー】や【バフ役】と呼ばれる、回復や味方の能力を上げたり、敵の能力を下げることを得意とする役目の後衛職!この役目の人は、基本魔物へ攻撃しない。なぜならヒーラーやバフ役が死ねばパーティー全員の命が危険に晒されるからだ。

タンク役もアタッカーもこのヒーラーやバフ役のお陰で自分の仕事を安心してこなすことができるんだ!パーティーの要といっても過言ではない!!


このように、単純に魔物退治といっても様々な役割の人間がそれぞれの大切な仕事を分担とすることで、パーティーが上手く回るようになるんだ!


俺はママに合う役目は、最後に説明したヒーラーバフ役だと思ったんだ!実際に初期のステータスはその役目に合ったものだった!」


「私はヒーラーバフ役…それなら私にもできるかも!」


「家族の安全の為にもできてもらわないと困るよ!俺は、ママをうちの家族パーティーの要として考えてるんだからね!!決して甘やかすつもりも、突き放したりするつもりで言ったわけでもないことは理解できた?」


「うん!どうしたらいいかは教えてよね?私には分からないからね!うちの家族はパパの異世界知識チートっていうの頼りなんだからね!!」


「あー任せてくれ!

じゃーママも元気になったし、下に降りてご飯を食べた方がいい!食べ終わったらママをヒーラーバフ役としてパワーアップしてもらうからね。」





.....
....
...
..






「それでママ、今のスキルポイントを教えてくれ!」


「えっと…468ポイントあるわ。」


「それだけあればママをヒーラーに成長させることができる!言われた通りにスキルポイントを使ってくれるかな?

まずMPに160ポイント振って2000に、魔力に200ポイント振って3000にして!それでヒールとアンチドートの魔法を覚える筈だ。

ヒールは怪我の治療する魔法で、アンチドートは毒を治療する魔法だよ。これでママは完全にヒーラーといっていいよ!

あとは物理耐性を2000まで上げることが出来ればライトシールドって光の盾を作れるようになるんだけど、あと92ポイント足りないね…取り敢えず今ある分は物理耐性に全部振っていいと思う。


ヒールはパーティーメンバーなら、応急処置とは違って、見える範囲ならいつでも回復することができるらしいから、ママは戦闘中は全体を見て、いつでも回復をできるようにしておいてくれると助かるよ!」


「分かった!言われた通りスキルポイントを振ったわよ。これで私も私の仕事を頑張れるわ!色々と考えてくれてありがとね!!」


「うん!これからも色々と考えていくよ。でもママもこうしたいとか、疑問に思うことがあったら、どんなに些細なことでも、何でも相談してよ!

今日のこともそうだったけど、俺もどこまでが常識で、どこまでが異世界知識チートなのかの分かれ目が分からないからさ…話を聞くまで、ママたちにも分かってるものだと勘違いしてたしね…」


「うん!これからは1人で悩まずできるだけ相談するね!」



こうして浩美はこの世界でヒーラーバフ役として特化していくことになった。



[名前]
社 浩美

[年齢]
36歳

[種族]
人族

[HP]
900

[MP]
2000

[力]
900

[物理耐性]
1500

[魔法耐性]
2000

[状態異常耐性]
1500

[器用さ]
1000

[素早さ]
1500

[魔力]
3000

[習得魔法]
ヒールレベル1
アンチドートレベル1

[習得スキル]
料理レベル1
応急手当レベル3

[ユニークスキル]
ネットスーパーレベル1
食品収納レベル1

[スキルポイント]
8ポイント




「ママだけ、新しいの覚えてずるーい!!
ひかりも何か覚えたい!」


あら…ママのことが解決したら、今度はひかりが騒ぎだしたぞ。。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

邪神討伐後、異世界から追放された勇者は地球でスローライフを謳歌する ~邪神が復活したから戻って来いと言われても、今さらもう遅い~

八又ナガト
ファンタジー
「邪神を討伐した今、邪神をも超える勇者という存在は、民にとって新たなる恐怖を生み出すだけ。よって勇者アルスをこの世界から追放する!」  邪神討伐後、王都に帰還したアルスに待ち受けていたのは、アルスを異世界に追放するというふざけた宣告だった。  邪神を倒した勇者が、国王以上の権力と名声を持つことを嫌悪したからだ。 「確かに邪神は倒しましたが、あれは時間を経て復活する存在です。私を追放すれば、その時に対処できる人間がいなくなりますよ」 「ぬかせ! 邪神の討伐から復活までは、最低でも200年以上かかるという記録が残っている! 無駄な足掻きは止めろ!」  アルスの訴えもむなしく、王国に伝わる世界間転移魔法によって、アルスは異世界に追放されてしまうことになる。  だが、それでアルスが絶望することはなかった。 「これまではずっと勇者として戦い続けてきた。これからはこの世界で、ゆったりと余生を過ごすことにしよう!」  スローライフを満喫することにしたアルス。  その後、アルスは地球と呼ばれるその世界に住む少女とともに、何一つとして不自由のない幸せな日々を送ることになった。  一方、王国では未曽有の事態が発生していた。  神聖力と呼ばれる、邪悪な存在を消滅させる力を有している勇者がいなくなったことにより、世界のバランスは乱れ、一か月も経たないうちに新たな邪神が生まれようとしていた。  世界は滅亡への道を歩み始めるのだった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【完結】攻撃に関する事が一切出来ない無能と呼ばれた低ランク冒険者は実は補助と生産系だけはトップクラス! 攻撃出来なくても無双は可能なのさ!

アノマロカリス
ファンタジー
僕の名前は、シオン・ノート 年齢は15歳。 8歳の神託の儀で、僕はあらゆる攻撃が一切出来ない無能者という神託を得た。 それ以来、料理用の包丁や鍛冶のハンマーは持って扱えるのに、武器として使用すると手から弾かれてしまうのだ。 そして家は代々戦闘系のジョブを持つ家系で、僕は疎まれて育っていた。 そんな両親から言い渡された事は、15歳の成人までなら家に置いてやるが、それ以降は家から追い出されるという事になってしまった。 僕は必死に勉強をして、木工・鍛冶・彫金・裁縫・調理・細工・錬金術などの生産系スキルを身に付けた。 それを両親に話したが、決定が覆る事は無く家を追い出された。 そして僕は冒険者になり、ソロで依頼をこなしていく内に、あるチームに誘われた。 僕の事情を話しても、快く受け入れてくれたのでお世話になっていたのだけど… そのチームで強い魔物から逃げる為に僕を囮にして置いてけぼりにされ、生きたいという強い気持ちで魔法を開花して生き延びたのだった。 そんな事があって、人と関わるのはまだ少し怖いけど… いつか僕の様な存在を快く受け入れてくれるパーティに出会う為に、僕は頑張る! とりあえず、完結です! この作品もHOTランキングで最高8位でした。

処理中です...