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騒乱の始まり
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はぁ、頭痛なるわ。
人間達が山に住むようになり、それまで十分賄えていた木の実などの自然の恵みが足りなくなり、
仕方なく仙狐が山全体に魔力を巡らせて、生産量及び収穫量を上げるという事態に陥っていた。
彼女の許可を経て、山の中に集落を作り、さらには開墾までして生活をし始めた人間達は、自分たちの手に入れた物は必ず仙狐へと奉納し、仙狐がいらぬと拒否してから自らの物としていた。
いつしか彼女は神様などと呼ばれ始め、人間達が過去のどんなときよりも多い収穫量を記録し続けた為に、豊穣の神と認識されていった。
▽
普段通りの気怠い午後。
同じく普段通りに防炎室にてタバコを吸い、炎を吹かしていた時である。
――――ケケケケケケケケケケケ
とかすかに耳に届いたのは不気味な笑い声。
この笑い声は……流石に冒険者という事はありませんね。
タバコを消し炭にし防炎室を出てみれば、視界に広がったのは、夕焼けに染まりオレンジ色に染まりながら、黒煙を上げ夕焼けより赤い炎を上げて燃え盛るギルドだった。
すでに避難は始まっているようで、ミヤジさんを筆頭に男性陣が率先して冒険者や職員達を誘導している様子が見て取れる。
シルエットでしか分からないが、恐らくツヅラオであろう姿も避難済みの集団の中に確認し、ひとまずホッと胸を撫で下ろす。
「ミヤさん、何事ですか?」
「マデラ、無事だったか。……急に火の手が上がってな、……お前じゃないよな?」
「違いますよ。防炎室でしっかり吐いてました。……そう言えば防炎室にいる時に変な笑い声を聞きましたよ」
職員から避難者の点呼を受けながらミヤジさんは少し考えて、
「モンスターの仕業ってのが可能性としては一番高いはずなんだよ。出火元は見た感じ防炎室辺りだが、マデラの炎が原因で無いとすると、あの辺に燃えるものも燃やすものも無いはずだし」
そう見解を述べる。
「私が建物内を見てきますか? 火には耐性ありますし煙を吸い込んでも問題ありませんし」
「あー、……お願いしたい。職員に結構負傷者いてな。離れられそうにない」
「分かりました。では、行ってまいります」
「待った。……嫌な予感がする。少しでもマズい、無理だと感じたら引き返してこい。そん時は職員とこの場の冒険者にも協力して貰って人数増やしていく。後は消火活動で水魔法が飛んでくるのも想定しといてくれ」
そう言われて背中をポンと叩かれて、私は今一度燃え盛るギルド内へと出火の原因を突き止めるべく、駆け出した。
*
普段仕事をしている場所が炎に包まれているという惨状を横目で見つつ、僅かに感じるモンスターの気配を頼りに進むと、そこにいたのは空中を漂うランタンを持ったかぼちゃ頭のモンスターだった。
ジャック・ランタン
手に持つランタンから炎をまき散らし攻撃する低級のモンスターであり、
魔法を扱えるが故にCランク以上に配属されるが、その実力ははっきり言ってギリギリDランク程度。
少なくとも、ギルドのような大きな建物を短時間で燃やす、等と言う芸当は無理と思っていたモンスターである。
何故にここまで被害を大きく出来たかは知りませんし、気持ちよさそうに漂っている所申し訳ありませんが、排除させていただきましょう。と手を翳し、暴風を叩きつけようとすると。
ケケケケケケケケケ
先程防炎室で聞いたあの笑い声をあげて、ランタンから暴炎を私に向けて発する。
「なっ!?」
暴風と暴炎、その二つがぶつかって相殺されたのを見て思わず声を上げてしまった。
精霊に無理矢理出させた風属性の魔法が、あの程度のモンスターの魔法と相殺された?
どういう事か正直理解に苦しみますが、考えるよりは先に排除に動きましょう。
魔法がダメなら物理です。燃えている故に不安定な足場を、崩すほどに踏み込んで、この火事の元凶へ拳をぶつけるべく跳んで。
勢いをつけ、本気で打ち込んだ拳を片手で受け止められて、地面へと叩きつけられた。
そこへ襲い掛かってくる暴炎に、しかし毛ほどもダメージを受けずに立ち上がって。
「捕まえました」
笑顔で胸倉を掴んで逃がさないようにし一言。
「さようなら」
その言葉を聞き、ジャック・ランタンの浮かべた表情は、恐怖でも、怯えでも、後悔でもなく、
何故か満面の笑みで、眼にはハートマークすら浮かべていた。
*
ギルドに入ってわずかしか時間が経っておらず、ようやく水魔法を使って消火活動を始めた頃に、未だに燃えるギルドからゆっくりと帰ると、
「マデ姉ー! お怪我とかしてないのです!? お体の具合とか大丈夫なのです!?」
ツヅラオが走って来て私に抱きつき、そんな言葉を飛ばしてくる。
「大丈夫ですよ。少し倒すのに手間取りましたが、元凶であると思われるモンスターは討伐しました。ツヅラオも無事のようで何よりです」
ツヅラオの頭を撫でながらミヤさんを探す。
「わりぃ、指示やらなんやらで外れてた。で、どうだった?」
すぐに私を見つけ駆けて来たミヤさんに先ほどの件を説明。
「普段では考えられない強さのジャック・ランタンが原因ね。……んー、妙だよなぁ」
「ええ、あんな下級のモンスターに魔法を相殺され、一度は物理攻撃すら防がれました。妙です」
「あぁいや、そっちじゃなくてね? ギルドを直接襲撃してきたってのが妙なのよ」
「あ、……確かに」
モンスターの考えの中に、自分らが強くなるために人間は殺してはならない、と理解しているにも関わらず、何故、ギルドを直接襲うなどと言う事をしたのか。
そもそも、何故ダンジョンから抜け出してそんな事をしたのか。
今までには無かった、ある種奇行とさえ思えるその行動は、一体、どんなことを意味しているのだろうか。
そんな考えを私とミヤさん二人で巡らせている時に、消火を終えたギルドが音を立てて崩れ落ちて、
「あ~あ、どうすっかねー、……あれ」
とそれまでの思考を脇にどけて、ミヤさんはとりあえず深くため息をついた。
人間達が山に住むようになり、それまで十分賄えていた木の実などの自然の恵みが足りなくなり、
仕方なく仙狐が山全体に魔力を巡らせて、生産量及び収穫量を上げるという事態に陥っていた。
彼女の許可を経て、山の中に集落を作り、さらには開墾までして生活をし始めた人間達は、自分たちの手に入れた物は必ず仙狐へと奉納し、仙狐がいらぬと拒否してから自らの物としていた。
いつしか彼女は神様などと呼ばれ始め、人間達が過去のどんなときよりも多い収穫量を記録し続けた為に、豊穣の神と認識されていった。
▽
普段通りの気怠い午後。
同じく普段通りに防炎室にてタバコを吸い、炎を吹かしていた時である。
――――ケケケケケケケケケケケ
とかすかに耳に届いたのは不気味な笑い声。
この笑い声は……流石に冒険者という事はありませんね。
タバコを消し炭にし防炎室を出てみれば、視界に広がったのは、夕焼けに染まりオレンジ色に染まりながら、黒煙を上げ夕焼けより赤い炎を上げて燃え盛るギルドだった。
すでに避難は始まっているようで、ミヤジさんを筆頭に男性陣が率先して冒険者や職員達を誘導している様子が見て取れる。
シルエットでしか分からないが、恐らくツヅラオであろう姿も避難済みの集団の中に確認し、ひとまずホッと胸を撫で下ろす。
「ミヤさん、何事ですか?」
「マデラ、無事だったか。……急に火の手が上がってな、……お前じゃないよな?」
「違いますよ。防炎室でしっかり吐いてました。……そう言えば防炎室にいる時に変な笑い声を聞きましたよ」
職員から避難者の点呼を受けながらミヤジさんは少し考えて、
「モンスターの仕業ってのが可能性としては一番高いはずなんだよ。出火元は見た感じ防炎室辺りだが、マデラの炎が原因で無いとすると、あの辺に燃えるものも燃やすものも無いはずだし」
そう見解を述べる。
「私が建物内を見てきますか? 火には耐性ありますし煙を吸い込んでも問題ありませんし」
「あー、……お願いしたい。職員に結構負傷者いてな。離れられそうにない」
「分かりました。では、行ってまいります」
「待った。……嫌な予感がする。少しでもマズい、無理だと感じたら引き返してこい。そん時は職員とこの場の冒険者にも協力して貰って人数増やしていく。後は消火活動で水魔法が飛んでくるのも想定しといてくれ」
そう言われて背中をポンと叩かれて、私は今一度燃え盛るギルド内へと出火の原因を突き止めるべく、駆け出した。
*
普段仕事をしている場所が炎に包まれているという惨状を横目で見つつ、僅かに感じるモンスターの気配を頼りに進むと、そこにいたのは空中を漂うランタンを持ったかぼちゃ頭のモンスターだった。
ジャック・ランタン
手に持つランタンから炎をまき散らし攻撃する低級のモンスターであり、
魔法を扱えるが故にCランク以上に配属されるが、その実力ははっきり言ってギリギリDランク程度。
少なくとも、ギルドのような大きな建物を短時間で燃やす、等と言う芸当は無理と思っていたモンスターである。
何故にここまで被害を大きく出来たかは知りませんし、気持ちよさそうに漂っている所申し訳ありませんが、排除させていただきましょう。と手を翳し、暴風を叩きつけようとすると。
ケケケケケケケケケ
先程防炎室で聞いたあの笑い声をあげて、ランタンから暴炎を私に向けて発する。
「なっ!?」
暴風と暴炎、その二つがぶつかって相殺されたのを見て思わず声を上げてしまった。
精霊に無理矢理出させた風属性の魔法が、あの程度のモンスターの魔法と相殺された?
どういう事か正直理解に苦しみますが、考えるよりは先に排除に動きましょう。
魔法がダメなら物理です。燃えている故に不安定な足場を、崩すほどに踏み込んで、この火事の元凶へ拳をぶつけるべく跳んで。
勢いをつけ、本気で打ち込んだ拳を片手で受け止められて、地面へと叩きつけられた。
そこへ襲い掛かってくる暴炎に、しかし毛ほどもダメージを受けずに立ち上がって。
「捕まえました」
笑顔で胸倉を掴んで逃がさないようにし一言。
「さようなら」
その言葉を聞き、ジャック・ランタンの浮かべた表情は、恐怖でも、怯えでも、後悔でもなく、
何故か満面の笑みで、眼にはハートマークすら浮かべていた。
*
ギルドに入ってわずかしか時間が経っておらず、ようやく水魔法を使って消火活動を始めた頃に、未だに燃えるギルドからゆっくりと帰ると、
「マデ姉ー! お怪我とかしてないのです!? お体の具合とか大丈夫なのです!?」
ツヅラオが走って来て私に抱きつき、そんな言葉を飛ばしてくる。
「大丈夫ですよ。少し倒すのに手間取りましたが、元凶であると思われるモンスターは討伐しました。ツヅラオも無事のようで何よりです」
ツヅラオの頭を撫でながらミヤさんを探す。
「わりぃ、指示やらなんやらで外れてた。で、どうだった?」
すぐに私を見つけ駆けて来たミヤさんに先ほどの件を説明。
「普段では考えられない強さのジャック・ランタンが原因ね。……んー、妙だよなぁ」
「ええ、あんな下級のモンスターに魔法を相殺され、一度は物理攻撃すら防がれました。妙です」
「あぁいや、そっちじゃなくてね? ギルドを直接襲撃してきたってのが妙なのよ」
「あ、……確かに」
モンスターの考えの中に、自分らが強くなるために人間は殺してはならない、と理解しているにも関わらず、何故、ギルドを直接襲うなどと言う事をしたのか。
そもそも、何故ダンジョンから抜け出してそんな事をしたのか。
今までには無かった、ある種奇行とさえ思えるその行動は、一体、どんなことを意味しているのだろうか。
そんな考えを私とミヤさん二人で巡らせている時に、消火を終えたギルドが音を立てて崩れ落ちて、
「あ~あ、どうすっかねー、……あれ」
とそれまでの思考を脇にどけて、ミヤさんはとりあえず深くため息をついた。
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