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何度か吠えるように叫び、何度かの熱い迸りが僕の体を中から温めると、息を切らした男声が僕を背中側から抱き締める。

後ろから挿入されたままのソレは、固さは少し失われたものの、僕のナカで存在感をしっかりと主張している。

後ろの彼が呼吸を整えるための腹筋の動きでナカのモノが揺れ、僕にはその僅かな動きさえも頭の先までの刺激となってしまって…

「まだ締まる。そんなに搾り取られたら、ボクまた勃っちゃうよ。」

彼は、僕の胸の尖りや前にも手を伸ばす。

「腰が動いてる。ボクがシたことでこんなに反応してくれるなんて嬉しい!」

捏ねて引っ掻いて引っ張って…
男性にしては細い指先はとても器用に、あっと言う間に僕を昇らせてしまった。

そのうちまた彼の腰が激しく揺れ始め、僕は再び気を飛ばしてしまう。

けれど、言いたいことは言えた。

「ところで君は、誰なんだ?」






次に目を覚ますと、僕は鍛えられた男性の腕を枕にしていた。

僕の頭の向こうには小さな灯りがあるようで、少し顔を上げれば僕に腕枕をしている男性の顔が見えた。

緩いウェーブの掛かったような軟らかなピンクブロンドの髪が、懐かしい僕の元婚約者を思い出させる美人(♂)ながら、僕の腿を挟むように絡められた脚も含め、全体的に鍛えていたのがわかる立派な体躯。
その彼が瞼を上げると、現れた瞳はもぎたての柑橘のような橙色。

「ジュエル?」

僕の口をついて出たのは、元婚約者の名前。

「やっとわかってくれた。そう。ボクは君の婚約者のジュエル。本当の名はジュリと言って、王妃方の血筋の者だよ。
あの王子とは従兄弟にあたるんだ。
ジュエルっていうのは、姉に掛けられた魔法で姿を変えたボクなんだ。
でも安心して。婚姻の宣言はきちんとジュリの名と君の名で行なったし、君が眠っている間にきちんと手順を踏んで初夜も終わってるから。
フィリー、愛してるよ。」

チュッ

ジュエル…いや、ジュリは、僕の鼻の頭にキスを落とすと微笑む。

「最初から、ボクはフィリーが好きだったし、《ジュエル》は姉に頼まれて王子にくっついてただけで、別に全然王子のことなんて好きじゃないからね。
昨日は悲しませて…君を泣かせちゃってごめん。」

ジュリは、今度は僕の左の目尻に口付ける。

「え…その件なら、この場で最初に目が覚めた時に謝罪は受け取っておりますが…確か、『昨晩は、いっぱいなかせちゃってごめん』と。」

「え…あぁそれはね、別の意味を充てる《啼く》で……………………そうだ!」

ジュリは、枕元の小さな灯りの辺りへ手を伸ばすと、青い石のついたペーパーウェイトを僕に見せてくれた。

「これはね、ボクがフィリーとの初夜の思い出にと録音していた装置なんだ。」

ジュリはソレを両手を使って上下から挟むと、その間に呼気を流し込んだ。


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