51 / 57
再びの異世界、シャーシード国
13
しおりを挟む「あぁ、シノダ。こんなに手を冷たくして待っていてくれたのか?」
注・リンの独り言である。
──え? 僕、何もしてない。
「ありがとう。手がかじかんでないか?私が温めてあげようか?」
「それなのにシてくれるのか? ありがとう。シノダ……」
僕は何もしていない。シてるのは、リンの右手だ。
リンの右手が、リンのペニスにやわやわと触れ、それからおもむろに動き始める。
ヌチャッッ、ヌチャッッ、ヌチャッ、ヌチャッ……
「あぁっ、シノダ……いい……感じるぅ…………
え、シノダ、舐めたらだめだ。私はまだ風呂には……」
リンの妄想の中では、僕がリンのペニスに舌を這わせているのだろう。
リンの右手は、指の腹でゆっくりと、下から上へと撫で始めた。
「ああ…シノダ……いい。……もっと先まで舐めてぇ……」
リンの右手の人差し指が、リンから見た裏側を撫でて行き、段になったところや先も力を抜いた状態で柔らかく触れる。
「んっ……んふぅっ……んーっ…あーっ……」
今度はどんどん激しく扱く扱く扱く!!
「んっ…はぁっ……あっ…はっ…んっんっんんっ………………くぅーーーー!!」
どうやらイッたみたいだ。
するとリンは、そのまま上体を前へ倒し……
ゴツッ
頭を執務机に打ち付けた。
「はぁーーーーーー……」
盛大な溜め息を吐いてる。
リン、どうしちゃったのかな?
様子のおかしさに、僕は心配になる。
思わず、頭の天辺に手を乗せそうになってしまって、僕は慌てて手を引いた。
「シノダ……会いたい………………」
──僕も。何か辛いことがあったなら、ハグしたい。
「シノダ……」
リンの右手が、誰も居ないところへ伸びる。
僕は思わず、その手を取った。
「シノダ!」
リンの顔が上がり、僕と目が合った。
「シノダの手だ。私が間違えるはずない。シノダ!」
リンが急に僕の手を引くのでフードが脱げてしまい、顔をさらしたままリンの胸に飛び込んでしまった。
それから、椅子に掛けるリンの膝の上に座らされると、リンは自分の唇を僕の唇に重ねた。
「…………んっ……はぁ……………」
リンとのキスは終わらない。
僕が唇を引こうとしても、リンが僕の腰や後頭部に触れながら、何度も角度を変えてキスをした。
咥内に舌?
もちろん入っている。
僕の咥内はリンの舌によって、もう何周も蹂躪されている。
僕が身動げば、リンはやっと僕のことを解放してくれた。
とは言え、まだ膝の上であり腕の中なのは変わりない。
リンを見つめていると、リンが口を開いた。
「確認だけど……
シノダ、いつからここにいたの?」
「んーと、リンがローションをここに掛けて、冷たかったところから……かな?」
正直に話せば、リンは耳まで真っ赤になってしまった。
どうやら恥ずかしかったようだ。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
0時00分。
七賀ごふん@小説/漫画
BL
正気じゃない。
────────
実父(34)×息子(15)。
言いつけを破る息子を何度も調教する父親のお話。
※過激な表現が苦手な方はご注意ください。
表紙:七賀
元寵姫、淫乱だけど降嫁する
深山恐竜
BL
「かわいらしい子だ。お前のすべては余のものだ」
初めて会ったときに、王さまはこう言った。王さまは強く、賢明で、それでいて性豪だった。麗しい城、呆れるほどの金銀財宝に、傅く奴婢たち。僕はあっという間に身も心も王さまのものになった。
しかし王さまの寵愛はあっという間に移ろい、僕は後宮の片隅で暮らすようになった。僕は王さまの寵愛を取り戻そうとして、王さまの近衛である秀鴈さまに近づいたのだが、秀鴈さまはあやしく笑って僕の乳首をひねりあげた。
「うずいているんでしょう?」秀鴈さまの言葉に、王さまに躾けられた僕の尻穴がうずきだす——。
逢瀬はシャワールームで
イセヤ レキ
BL
高飛び込み選手の湊(みなと)がシャワーを浴びていると、見たことのない男(駿琉・かける)がその個室に押し入ってくる。
シャワールームでエロい事をされ、主人公がその男にあっさり快楽堕ちさせられるお話。
高校生のBLです。
イケメン競泳選手×女顔高飛込選手(ノンケ)
攻めによるフェラ描写あり、注意。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
失声の歌
涼雅
BL
……声が出ない
それは唐突に俺を襲った
いつもは当たり前にできたこと
それが急にできなくなった
暗闇に突き落とされて、目の前なんて見えなくなった
うるさい喧騒の中でひとつだけ、綺麗な音が聴こえるまでは
生意気オメガは年上アルファに監禁される
神谷レイン
BL
芸能事務所に所属するオメガの彰(あきら)は、一カ月前からアルファの蘇芳(すおう)に監禁されていた。
でも快適な部屋に、発情期の時も蘇芳が相手をしてくれて。
俺ってペットか何かか? と思い始めていた頃、ある事件が起きてしまう!
それがきっかけに蘇芳が彰を監禁していた理由が明らかになり、二人は……。
甘々オメガバース。全七話のお話です。
※少しだけオメガバース独自設定が入っています。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる