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異世界 シャーシード国
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しおりを挟む翌朝、やっと種が尽きたリンと眠ることができた。
目が覚めたのは、昼頃だろうか。
とにかく部屋が明るすぎるほど明るくて目が覚めた。
目が覚めたのは、昨日のカプセルのようなものの中ではなく、きちんとベッドでどこかの建物の中だった。
ただ、城から度々見た風景ではなく、田園風景が広がっている。
そこへ、バスローブ姿のリンがトレー片手に、いや、トレーを浮かせながら入ってきた。
訊ねると、ここは公爵家の所有する領地にある方の公爵家とのこと。
「昨日はココの源泉掛け流しの温泉でシたんだ。記憶がないなら、再現しようか?」
リンからの提案には、力強く頭を振ってお断りした。
今日の僕は、交わりの時間を思えばバテていそうだけれど、元気だった。
リンの絶倫魔法の効果だろう。
足取りも軽やかに、浴室へ向かい、サッとシャワーを浴びて、バスローブを纏うと先程の部屋へ戻ってきた。
リンが待っていてくれたようだ。
「「いただきます。」」
2人で手を合わせて言ってから、食事を始めた。
テーブルに向かい合って、フォークやスプーンではなく手掴みで食べた。
それほどまでに空腹だった胃が、満たされて行く。
ゴクッゴクッゴクッ……
最後に水をがぶ飲みして、食事は終わった。
食べている途中でリンが何度か転移してくれて食べ物は増えていたのに、食べ終えるまで30分もかからなかった。
20代前半の男子の食欲、ハンパない。
食後ソファでマッタリしていると、ノックと共に高齢に片足突っ込んだ女性が左腕にたくさんの服を掛けてやってきた。
「坊ちゃ…いいえ、リンジェルド様。旦那様と奥様が到着されました。
こちらにお召し替えください。」
リンが座っていた3人掛けのソファの左右に1人分ずつの服を、その足元には靴を置いて行く。
「ありがとう、エミリ。」
リンの声に、女性は頷いた。
「ごゆっくりで構わないそうです。」
「あのっ、お手数お掛けしました。ありがとうございました。」
僕が立ち上がって最敬礼すると、微笑んでくれ、ドアのところで一礼すると静かに退室して行った。
「着ようか。」
リンに促されて着替えをする。
全体的に、すぐに脱がされることができるデザインは、リンと、再会した孤児院のバザー前日を思い出させた。
「コレ…心許ないね。」
「ああ、これはこの国のメスの服装なんだよ。オスがその気になったら、すぐデキるようになってる。
この国は特殊だろ? 女が居ないせいか、出生率が低くて、妊娠できるようにする魔術を受ければ手当てが出るようにしたんだけど、悪用して無闇矢鱈に魔術を受けさせる者が出てきて、一時期オスが減ったんだ。
で、オスがその気になったら…って訳。」
「でも…それじゃ。」
「あぁ。たぶん今、生殖能力の高いメスの親戚で溢れてるだろうね。」
「スゴ!」
「出産の体力とかか? いや。この国は魔力至上主義というのかな。1回ヤッて開通したら魔術で精子入れるんだよ。で、胎内である程度成長したら魔術で出す。」
「……ってことはもしかして、『孕め!!』的な激しいエッチって…」
「まぁ、しなくても…?」
リンは、僕の顔色が白くなったのを見逃さなかった。
「だが、私はシノダと愛し合って子どもを授かりたかったんだ!だから!!」
リンの焦り方がハンパなくて、面白かった。
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