上 下
8 / 57
異世界 シャーシード国

   3

しおりを挟む

「シーシャ、目覚めたのか!!」

カーテンがバサッと捲れたと思ったら、大きな声がした。

現れたのは、懐かしい色合いの金髪碧眼だけれど、線の細い、いわゆる王子様な若い男だった。

若い男はあっという間に僕のいるベッドへ上がってくると、僕を抱きしめ…ようとして自分を抱きしめたところで、ハタと僕が居ないことに気付いたらしい。

かぶりを振りながら、僕を探すような仕草をしているのを、僕はベッドの向こう側へ下りて、頭からシーツを被って隠れて見ている。

間一髪だった。

確かに、一般的に見れば王子だし、女子から黄色い声援が降り注ぎそうななんだろうと思った。

けれど…
何だろ。僕の本能がだと告げる。

僕はこのまま観察することにした。






「消えた…? 何故? 術は完璧だったハズだ。
シーシャ。やっとお前の魂の持ち主を見つけたと思ったのに。
しかし、あの肌…あの体…まさにシーシャだった。ハァ……また体が疼いて来た……」

金髪碧眼の王子風イケメンは、ズボンのポケットから少し平べったくて丸い、薄桃色の、手のひらサイズの石?を取り出し、ベッドの上に置く。

それから右手を翳すと、もわもわとした石と同色の靄に辺りは包まれた。



『むぅんっ』

いつも夕方に聞こえていた、目の前の男とは違う声が、靄の中から聞こえた。

「はぁ、わたしが魔法で構築したとは思えない。正にシーシャの声だぁ…くる!」

言うと、目の前の男は立ち上がって下半身に着ていた服を全て脱ぎ去り投げ捨てた。

こちらにフッ飛んで来たかぼちゃパンツと白タイツみたいな服からは、学校の僕の椅子の、ファブ前の匂いがする。

──オエッ

僕はそれらを摘み上げると床へ下ろし、それから足を伸ばしてできるだけ遠くへやった。


「あぁ、シーシャ。君の声はやはりイイ!! けれど、もっと先へ送ろう。」

また男は右手を翳した。
すると、靄は色を濃くする。

石からは、キュルキュルと早送りの音が聞こえる。

男はどこからか僕の着ていた服を取り出し、下着の匂いを嗅ぎまくったり舌を這わせたり……

思った通りの変態だった。
キモチワルイ。

『ぁあっイッてるのに! 凄いっ激しいっ……ああっ、ぁあ~んっ、ぁっあ~んっ、もっとぉ、もっと欲しいの。ダンネス様ぁあああーーー!!』

「いいぞ、シーシャ!」

男は驚く程のデカさのイチモツを扱き始めた……僕の着ていた服で。

──あぁ、アレはもう諦めるしかないな……

『いい。いいっ…ぁあっ。そこそこっひゃああーんっ……ハァ……好きぃ。好きぃ。ダンっ……ダンネっ……あああーーー』

「んんっ…シーシャ、わたしもっ好きだ!!
ダンネスのっ記憶を持った、この王太子ダリンスもぉっ……」

『もっと…』

「ィくぅ」
『イッちゃう。』

「うぉおおおおおーーーーー……」
『きゃあああああーーーーー……』


「あぁっいいよォ、気持ちいい!! シーシャ、ぁあ、ぁあっ」

『えっ…ふっ………ひぃんっ………………』

「もっとだ! 昇れ!! 駆け上がれっ!!!」

『いや…あん……ぁあっ……もぅ、あんっ』

『ぁああああーーーー!!!』
「ぁぁああああああああーーー!!!」

その時、男の先端からは白濁が弾けるように飛び出した。

僕の服は靄の中へ投げ捨てられる。

その白濁は、あの靄の中へ吸われるように消える。


「ぅおおおおーーーー、シーシャの魂をもつ者のところまで、時空を越えて、イケーーー!!!」


すると、靄と石がビカビカと青い光に包まれ、僕のところにも白濁が……

もちろんシーツを盾にしたけどね。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元寵姫、淫乱だけど降嫁する

深山恐竜
BL
「かわいらしい子だ。お前のすべては余のものだ」  初めて会ったときに、王さまはこう言った。王さまは強く、賢明で、それでいて性豪だった。麗しい城、呆れるほどの金銀財宝に、傅く奴婢たち。僕はあっという間に身も心も王さまのものになった。  しかし王さまの寵愛はあっという間に移ろい、僕は後宮の片隅で暮らすようになった。僕は王さまの寵愛を取り戻そうとして、王さまの近衛である秀鴈さまに近づいたのだが、秀鴈さまはあやしく笑って僕の乳首をひねりあげた。 「うずいているんでしょう?」秀鴈さまの言葉に、王さまに躾けられた僕の尻穴がうずきだす——。

逢瀬はシャワールームで

イセヤ レキ
BL
高飛び込み選手の湊(みなと)がシャワーを浴びていると、見たことのない男(駿琉・かける)がその個室に押し入ってくる。 シャワールームでエロい事をされ、主人公がその男にあっさり快楽堕ちさせられるお話。 高校生のBLです。 イケメン競泳選手×女顔高飛込選手(ノンケ) 攻めによるフェラ描写あり、注意。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

イタリアマフィアは殺しはできても恋愛不器用

タタミ
BL
「す、き……好きです!バートさんの、ことがっ」 ファミリーの殺しを担うマフィア・バートは、ある日下っ端のフィルから告白を受ける。 しかし、殺しにかまけて血塗られた人生を送ってきたバートには、恋愛感情を理解する情緒がなかった。 好きだの、愛だのわからないしくだらない。 今までがそうだったのだから、これからもそうだ。 フィルなんかに心動かされることなどない、と思っていたバートだったが──

風邪をひいてフラフラの大学生がトイレ行きたくなる話

こじらせた処女
BL
 風邪でフラフラの大学生がトイレに行きたくなるけど、体が思い通りに動かない話

生意気オメガは年上アルファに監禁される

神谷レイン
BL
芸能事務所に所属するオメガの彰(あきら)は、一カ月前からアルファの蘇芳(すおう)に監禁されていた。 でも快適な部屋に、発情期の時も蘇芳が相手をしてくれて。 俺ってペットか何かか? と思い始めていた頃、ある事件が起きてしまう! それがきっかけに蘇芳が彰を監禁していた理由が明らかになり、二人は……。 甘々オメガバース。全七話のお話です。 ※少しだけオメガバース独自設定が入っています。

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

処理中です...