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婚姻式

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翌日。

朝から一家総出の大騒動になりましたが、侯爵家当主夫妻と、レレキ、ルルハ、ララカ、リリサ、それにヴィクトル、もちろん私もおめかしをして、馬車に分乗して神殿へ向かいました。

私のドレスは昨日のですが、バルトルからの贈り物とのことで綺麗に整えてもらって現在に至ります。

全面的にレースでできているドレスなのですが、体にピッタリ過ぎて胸当てはつけられませんでした。
スカート部分には左右に大胆にスリットが入っていますが、1番上に透ける素材の布がふわりと掛かっているので周りには見えにくいデザインになっています。
専用の下着がついており、その紐がやたらに長く、花結びをするとスリットの1番上から花が覗くようになっているので、下半身が冷えてしまいそうです。

今日は髪を上げてもらっています。
大振りな耳飾りに付けられた小さな青い宝石が陽の光で更にキラキラと光ります。

代わりにデコルテは大きく開いているものの首飾りは付けず、それがドレスの大胆さを際立てているようで、とても恥ずかしく思いました。

当主夫妻はヴィーを抱いて、レレキさん達と神殿内に先に入ってしまい、私は神殿の扉の前でバルトルとおち会いました。

バルトルは、昨日とは違うレース素材のデザインシャツを内側に着て、上着は昨日と同じものを着ています。

私を見る視線が柔らかく、笑顔を向けられた私もニコニコとしてしまいました。

「エリサ、綺麗だ。改めて宜しく。ではエリサ、手を。」
「はい。」

当主夫妻はヴィーを抱いて右のベンチへ、レレキさん達は左のベンチへ掛けています。神殿の中にはきちんと司祭様がいらして、私達は永遠の愛を誓い、口付けました。



それからエスコートされて神殿を出ると、懐かしい馬車が停車していました。

バルトルは私を軽々と抱き上げると、馬車に乗り込みました。

「ヤァ!」

──この声は…

「ヨセフだ。きちんと足を治して、仕事に復帰してくれた。ただ、今日から1週間は育休に入るけどな。」
「まぁ! お相手はもしかして…」
「そう、ベスだよ。」
「わぁ! 良かったわね。」
「はい! ありがとうございます、奥様。」

私の声は、あまり大きくなかった筈だけれど、ヨセフさんにはよく聞こえていたようだ。
……ということは、離・婚前旅行中も…?

私の血の気はサーッと引いてしまいました。
バルトルと馬車の中であんなことやこんなことをしては、だいぶ喘ぎ声を上げてしまっていたのです。

顔を両手で覆うようにすると、耳も首も真っ赤なようで熱を持っているのが想像できます。

バルトルが私の腰を抱き、私の両手の隙間から額へキスを落としました。

「かわいい…」

両手を外すとなぜかバルトルも顔が赤く、彼の潤んだ瞳と視線が絡みました。


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