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初夜の続きとブランチ R18

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舌を吸われるキスの後、

「それじゃ、エリサの中に入るよ。痛くしたくはないけど、俺の理性もあと僅かだから…ごめん。」

そう言ったバルトルは、真剣な瞳を私に向けた。

それから、私の体の中心に、何か固くて熱くて大きなモノがあてがわれて入り込んできた。

バルトルの汗が酷い。

いつの間にか首の後ろで纏めていた髪は解け、そういえば服もいつ脱いだのか。
農作業や薪割りをして日常的に体を使っていた父と同じように、鍛え上げた体が目の前にある。

私がその胸に手を伸ばした時だった。

その手を掴まれ、掌にキスを受けたその瞬間、私のはらの中を進んでいた熱いモノが最奥を突いた。

ジワジワと痛みが後からやって来た。
足の間の違和感も酷い。
何より、内蔵を押し上げるような圧迫感が酷い。

私の呼吸は、自然と浅く速くなった。

「痛かったか? すまない。」

バルトルからのキスが目元に落ちる。

舌が目尻に触れたことで、私は涙を流していたことに気付いた。

「愛してる。エリサを愛してるからシてるんだ。これは、君を痛がらせたり傷付けたい訳ではなく、愛を育む行為なんだ。」
「あ、い…?」
「そうだよ。俺はエリサを愛してる。お金のことは関係ないんだ。
そろそろ動くよ。」

私は、《そろそろ動く》に対して了承しただろうか。

けれどバルトルは出し入れするような動きを始め、私はまた口から音しか出せなくなり、とうとう気を飛ばした。






翌日、目が覚めるともう陽が高かった。

ベッドには私一人だけ。
バルトルさ…いいえ、バルトルは何処へ行ったのかしら。

そう思っていると、バルトル様を先頭に侍女が数人やって来て、紫色のドロドロした飲み物を手渡された。

「一気に呷った方が良いと思う。」

バルトルの苦笑いに嫌な予感がするも、私はグラスを傾ける。

味は……最初は甘くて次に苦く、そこを抜けるとしょっぱくて…思い出したくないような感じだった。



それから侍女の皆さんに着付けられれば、ノックと共にバルトルがやって来た。

「エリサ、とても美しい。きれいだよ。」
チュッ

面と向かって褒め、額にキスをいただくと、昨日対面したサロンへとエスコートされた。



昨日顔合わせをしたサロンから、庭園の案内を受けながら、今が一番の見頃だというバルトル様のお母上自慢の薔薇の花園へ案内してくださった。

そこには予め準備されたガーデン用のソファセットとお茶や軽食といったアフタヌーンティのような用意に加え、男性陣用に簡単に摘める肉類、魚や芋のフライ、採れたて野菜などが置かれていた。

「エリサさん、どうぞ。」
「エリサ姉さま、一緒に座りましょう!」
「エリサはこっちだ。」

左右に腕を引かれた後、最終的にバルトル様の膝の上に着地し、手ずから食事することになってしまった。

気まずい雰囲気に俯きがちになるけれど、

「ほら、僕も仲間ですよ!」

サルエル様もお父上の膝の上を経て膝の間に着地され、お母上に強請って一口大にカットされたトマトを頬張られた。

「うん。やっぱりサト爺の野菜は美味しい!」
顔をほころばせた。

少し大きかったようで、トマトの種を噴き出す。
お母上に口元を拭っていただき、困った笑いを見せられ、皆で笑った。

それから、お父上の膝の間から抜け出してサンドウィッチの元へ向かうが…何だか様子がおかしい。

「サルエル、いくらピクルスが苦手だからと言って、そうしてサンドウィッチを広げるのはマナー違反ですよ。」
「はい。申し訳ありません、母上。」

それから、サンドウィッチのパンを戻したものの、サルエル様なりの葛藤があったらしい。
暫く見守ると…

「大丈夫だ。僕はできる! ピクルスには僕の体に悪さをしたことはないはずだ。大丈夫。僕はできる! 僕はできる!」

そうして、むんずとサンドウィッチを掴むと、えいや!とばかりにサンドウィッチに齧り付かれた。

モグリッモグリッ、モグモグモグ…

最後にはお茶で流し込まれると、右の拳を空へ突き出し、

「やった! やっつけました!!」
との満面の笑み。

花園は家族の笑い声に包まれました。
けれど私には、腑に落ちない点がありました。

昨夜のバルトルとの初夜で、バルトルがぼそぼそと呟いていた内容と、今弟君のサルエル様が苦手なピクルスに立ち向かう時の言葉が同じに聞こえたのです。

もしかしてバルトルは本当は私との婚姻が嫌で、気持ちを奮い立たせて勢いをつけなければ初夜に挑めなかったのではないのか、と。

この件は、私の中で抜けない棘のように、心の中に居座り続けるのでした。


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