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1人暮らしを決意していた、18歳頃

ウルと日課の散歩へ

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翌朝、たぶんいつもよりも遅い時間に目が覚めたの。
だって、いつもみたいな朝霧も晴れていたし、鳥たちも声高らかに囀っていたから。

それに…
「あ、《歌姫聖女》が起きたわ。」
「今度一緒に囀り歌を歌ってくれないかしら。」
「ルルルルピュルル~…」
「♪ルルルルピュルル~」
「ありがとう、セアリア。また明日ね~ピュルリィ…」
「♪ピュルリィ~」

私、鳥の歌を歌えるようになったようです。
それに、鳥と話せるようになったみたい。

顔を洗おうと扉を開くと、階下から焼き立てのパンの匂いが…

「おはようセアリア。美味しいモノがあると察知すると、すっかり大きくなった今でもスキップするんだな。」
なんて、ニヤッと笑われ……
もちろん恥ずかしくなって、井戸まで走ったわ。
今日は引き止められなくて良かった。

戻れば、
「早く喰おうぜ。今日の糧に感謝を。いただきます。」
ウルは言うと、私が席に着く前に食べ始めた。

「ごめん。私は歌ってくるわ。」

言えばウルは右手を挙げて応える。

今日も昨夜の供物と違う果物が祭壇にのっている。
ウルが整えてくれたようだ。

私は祭壇に膝を付くと、朝の祈りの歌を女神様に捧げた。






食事を終えると、日課のため麓の村へ向かう。
ウルに声を掛けてから行こうかと考えながら扉を開けば、既に動きやすい服装のウルが扉の外に控えていた。
村娘な服装の私と連れ立って、一緒に麓へ向かったの。

まだ種蒔きより前の作業なので、『芽吹きの歌』を歌うにはまだ早くて…
『春を祝う歌』と『初春薔薇の歌』と、『祝福の歌』を歌ったの。
ウルは鼻歌で参加してたけど、なんか周りに厳しい視線を向けていることもあって…
「ウル? ウルは神官なんだから、聖騎士みたいなことはしなくても良いんじゃない?」
疑問に思っていたことを訊ねれば、
「あぁ、言ってなかったか? 俺は神官兼魔法聖騎士なんだよ。」
「魔法聖騎士?」

初めて聞く言葉だったので、聞き返してしまった。

「そ。だから、神官魔法も使えるけど、戦闘用の魔法も使える。聖騎士みたいな剣よりも魔法攻撃が得意。まぁ、剣も使えるけど。」
「いろいろ勉強したのね~!」
本当に感心して言えば、
「まぁ、な。だって守れるようになりたかったし…」

ウルはポリポリと頬を掻きながら、ボソボソと何か言った。
まぁ、後半はよく聞こえなかったけど。

「ん?」
聞き返せば、
「いや。ちゃんと守ってやるって言っただけだ。」
すごく早口の大きめの声で答えてくれた。
「ありがと。その時はよろしくね。」
「んん?あぁ任せとけ!」

大人になっても色白のウルの頬は、少し照れただけだと誤魔化していたけれど、真っ赤に見えた。


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