26 / 43
~領地改革~
ヴァルハラ
しおりを挟む
あたり一面にはくすんだ茶色の大地が広がっていた。植物が生えていないわけではないが、それは雑草か低木ぐらいで、目立った動植物は見当たらない。
「公爵家の資料で不毛だとは知っていましたけど、こうも見事に荒れているは思いませんでしたね」
「うーん。ねえ、テオ。ここって、本当にかつて都だったの?
「それでしたらむしろなぜここまで荒れてしまったのか知りたいです」
「ウル姉に一票。なんでこんなんになっちゃったんだろう?」
「どこぞの貴族領の都だったのならもっと豊かでもいいと思うんだけど。ユー様はどう思う?」
「…………」
それぞれの目でヴァルハラ地方の景色を見て、ノルンたちは口々にその荒れ果てた大地に疑問をつぶやく。
その中で、ユールは一人不思議そうに首をかしげていた。
「……ユー様?」
「………おかしい」
「…?おかしい?」
「うん。この地方は類稀に豊かな魔力に満ちている。なのになぜここの大地はこんなに不毛なんだろう?」
一行の中で、ユールは唯一魔力を感知できる神経を持っていた。そのユールからすれば、今のヴァルハラ地方はいろいろとおかしい状況にあった。
この世界の森羅万象は、それぞれで魔力を含んでいる。それは大地…土地にもある。美しい魔力をより多く含む土地であればあるほど豊かになる。実際この公爵領は、領土全体にかなり良い魔力が行き届いているから他の領地よりも豊かなのだ。
それを考えれば、このヴァルハラ地方は公爵領のどこよりも、下手したら国のどの地方よりも膨大で綺麗な魔力を持っている。これなら公爵領のどこよりも豊かであるはずなのに、この地方は非常に不毛だ。
「魔力が……食い違ってる?でもどこで……?」
「……ねえ、ウル姉さん。ユー様はなにを言ってるの?」
「さあ………?」
ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドがキョトンとしながらユールを見ている。それを見て、ノルンがその横で何か説明をしているが、ユールは今ヴァルハラの魔力をたどるのに集中していてそっちまで気が回らない。
(やっぱり大地が今持ってる魔力と、源から溢れている魔力が食い違ってる……?この地方の魔力の源はだいぶ東側にあるみたいね。海沿い……ではない。もう少し内陸にあるのかな。問題があるとすればその魔力源よね)
一人で大地の魔力を辿りながらもんもんと考える。
地方の様子をもう少し詳しく見つつ、この地方の魔力の源を目指してみよう。
「テオ、適当に街に寄りながら東を目指して」
「東、ですか?」
「うん。私の欲しい答えがあるから」
魔力の問題さえどうにかなれば、このヴァルハラ地方はもっと豊かな場所になれるはず。
「その前にユール様、グラムとグズルーンに会いに行くのではなかったのですか?」
「……テオとノルンは留守番してて」
「え?私もですか?」
「うん。ウルズたちのことも紹介してくる」
「テオは異性ですけど?」
「大丈夫でしょ。あなたたち、好き合ってるでしょ?」
「「!!!」」
わかりやすい反応をありがとう。さっさと告って付き合っちゃえばいいのに。
だってこの頃、テオとノルンは互いに挙動不審なんだもん。ちらっと目を向けて、目が合うとパッとそらす。偶然手が触れ合ったら双方真っ赤になって手を引っ込めるし。恋してるのがバレバレだ。
恋って自分ではさっぱり理解できないけど、他人の反応を見るのは得意だからね。
「じゃあ、いってくるね」
そう言ってウルズたち三姉妹を連れてゲートの魔法を開く。行き先はもちろん、冒険者の箱庭。
「ありがとうございま………ってきゃあああ!!」
「どうも」
驚かれたが、どうしたらいいかわからないので普通に返事しておいた。
「どうも、ではありませんよユール様!心臓止まるかと思いましたよ!」
「グズルーンにそんな驚かれるとは思わなかった」
「驚きますよ!お客さんを送り出したと思ったら背後にユール様ですよ?怖すぎる!」
「うん、ごめん」
とりあえず謝っておこう。
「もういいですよ……。それで、どうしたんですか?」
「いや?様子を見るついでに新しい友達を紹介しようと思って」
「お友達!?お友……フレンドが増えたんですね!」
「フレンドもお友達も同じ意味よ。なぜ言い直した」
「なんとなくです!」
「………グラムはどこに行ったの?」
話題転換しました。
『みみみみっ!』
「あ!セラならいますよ?」
「知ってるわよ。連れてきたんだから。それよりグラムは?」
「お兄ちゃんなら倉庫に行ってますよ。多分もう少しで帰って………」
「グズルーン!今戻ったよ!」
「噂をすれば!」
「ん?どうしたんだい?何かあ……ってうわっ!ユール様!?」
「やめてその反応。なんかむかつく」
なぜかムカついた。これはなんていう感情なんだろう?
「で、ユール様はなぜここに?テオ様やノルン様はいないようですが?」
「はい、自己紹介」
「話の振り方すごい適当じゃあありません?」
「はじめまして。ウルズと申します。三姉妹の長女です。よろしくお願いします」
「私はヴェルザンディと言います。三人姉妹の次女です」
「三女のスクルドです!よろしくね~」
「グラムと言います。こっちにいるのが妹です」
「どうもこんにちは。グズルーンです。末長くよろしく!」
ユールが自己紹介を促すと、5人は各々で自己紹介を交わし、握手した。
「以上」
「いや、なにが以上なんですか。俺にも状況を理解させてくださいよ」
「だから、自己紹介したんだって」
「そりゃ知ってますよ。俺が聞きたいのはですね………」
「グラム、堅い。グズルーンを見習うのよ。フレンドリーなのが一番大事」
「ユール様はフレンドリーの意味は理解してるんですか?」
「間違った使い方はしてない………はず」
視線の先では、グズルーンがすでにヴェルザンディ、スクルドと仲良しモードに突入している。年齢が近いこともあって話が合うらしく、きゃっきゃしてる。
「ヴェルザンディもスクルドも楽しそうね」
「妹たちも、ようやく気軽に話せる同世代の友人と出会えたんです。嬉しいでしょう」
「そうね。…………グラム、その顔はやめた方がいい」
「え?そんな顔ってなんですか?」
「自覚してないの?デレデレしてた」
「してませんよ!グズルーンに友達ができて俺は嬉しいんです!」
大真面目に言い切ってるけど、さっきのあの典型的なシスコン顔のあとに言われてもあまり説得力はない。
「もしかしてグラム、店の男性客を牽制してたりする?」
「ええ。大事な妹を守るためですから」
「グズルーンと長時間しゃべってる人は許せない?」
「当たり前です。速攻で引きはがしますよ。妹が変な常識を覚えてしまったら大変ですから」
「じゃあグズルーンに言い寄ろうとしている人は?」
「言語道断です。丁重に退出していただきます」
グラムはもしかしなくても軽くシスコンなのかもしれない。
その後、若い子組がはしゃいでる横でウルズとグラムと一緒に雑談し、ヴァルハラの様子も聞かせた。店が安定したらヴァルハラに連れて行ってあげる約束もした。ついでに向こう2ヶ月分の給料も渡しておいた。
ちなみに帰り際に、グラムに「店にマスコットが欲しい」と言われたので、3ヶ月お試しで雪うさぎのセラを貸し出すことになった。店の中央のテーブルにおいてあるポプリに潜り込んで、頭だけぴょこっと出している真っ白で赤い目の雪うさぎなんて、マスコット以外のなんでもないでしょう。
ヴァルハラに戻ると、そこではノルンとテオが協力してカバンの中身を整理していた。ノルンはうっすらほっぺを赤く染め、テオは照れ臭そうに頬を掻いている。
こっちもこっちで何かの話がついたらしい
「公爵家の資料で不毛だとは知っていましたけど、こうも見事に荒れているは思いませんでしたね」
「うーん。ねえ、テオ。ここって、本当にかつて都だったの?
「それでしたらむしろなぜここまで荒れてしまったのか知りたいです」
「ウル姉に一票。なんでこんなんになっちゃったんだろう?」
「どこぞの貴族領の都だったのならもっと豊かでもいいと思うんだけど。ユー様はどう思う?」
「…………」
それぞれの目でヴァルハラ地方の景色を見て、ノルンたちは口々にその荒れ果てた大地に疑問をつぶやく。
その中で、ユールは一人不思議そうに首をかしげていた。
「……ユー様?」
「………おかしい」
「…?おかしい?」
「うん。この地方は類稀に豊かな魔力に満ちている。なのになぜここの大地はこんなに不毛なんだろう?」
一行の中で、ユールは唯一魔力を感知できる神経を持っていた。そのユールからすれば、今のヴァルハラ地方はいろいろとおかしい状況にあった。
この世界の森羅万象は、それぞれで魔力を含んでいる。それは大地…土地にもある。美しい魔力をより多く含む土地であればあるほど豊かになる。実際この公爵領は、領土全体にかなり良い魔力が行き届いているから他の領地よりも豊かなのだ。
それを考えれば、このヴァルハラ地方は公爵領のどこよりも、下手したら国のどの地方よりも膨大で綺麗な魔力を持っている。これなら公爵領のどこよりも豊かであるはずなのに、この地方は非常に不毛だ。
「魔力が……食い違ってる?でもどこで……?」
「……ねえ、ウル姉さん。ユー様はなにを言ってるの?」
「さあ………?」
ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドがキョトンとしながらユールを見ている。それを見て、ノルンがその横で何か説明をしているが、ユールは今ヴァルハラの魔力をたどるのに集中していてそっちまで気が回らない。
(やっぱり大地が今持ってる魔力と、源から溢れている魔力が食い違ってる……?この地方の魔力の源はだいぶ東側にあるみたいね。海沿い……ではない。もう少し内陸にあるのかな。問題があるとすればその魔力源よね)
一人で大地の魔力を辿りながらもんもんと考える。
地方の様子をもう少し詳しく見つつ、この地方の魔力の源を目指してみよう。
「テオ、適当に街に寄りながら東を目指して」
「東、ですか?」
「うん。私の欲しい答えがあるから」
魔力の問題さえどうにかなれば、このヴァルハラ地方はもっと豊かな場所になれるはず。
「その前にユール様、グラムとグズルーンに会いに行くのではなかったのですか?」
「……テオとノルンは留守番してて」
「え?私もですか?」
「うん。ウルズたちのことも紹介してくる」
「テオは異性ですけど?」
「大丈夫でしょ。あなたたち、好き合ってるでしょ?」
「「!!!」」
わかりやすい反応をありがとう。さっさと告って付き合っちゃえばいいのに。
だってこの頃、テオとノルンは互いに挙動不審なんだもん。ちらっと目を向けて、目が合うとパッとそらす。偶然手が触れ合ったら双方真っ赤になって手を引っ込めるし。恋してるのがバレバレだ。
恋って自分ではさっぱり理解できないけど、他人の反応を見るのは得意だからね。
「じゃあ、いってくるね」
そう言ってウルズたち三姉妹を連れてゲートの魔法を開く。行き先はもちろん、冒険者の箱庭。
「ありがとうございま………ってきゃあああ!!」
「どうも」
驚かれたが、どうしたらいいかわからないので普通に返事しておいた。
「どうも、ではありませんよユール様!心臓止まるかと思いましたよ!」
「グズルーンにそんな驚かれるとは思わなかった」
「驚きますよ!お客さんを送り出したと思ったら背後にユール様ですよ?怖すぎる!」
「うん、ごめん」
とりあえず謝っておこう。
「もういいですよ……。それで、どうしたんですか?」
「いや?様子を見るついでに新しい友達を紹介しようと思って」
「お友達!?お友……フレンドが増えたんですね!」
「フレンドもお友達も同じ意味よ。なぜ言い直した」
「なんとなくです!」
「………グラムはどこに行ったの?」
話題転換しました。
『みみみみっ!』
「あ!セラならいますよ?」
「知ってるわよ。連れてきたんだから。それよりグラムは?」
「お兄ちゃんなら倉庫に行ってますよ。多分もう少しで帰って………」
「グズルーン!今戻ったよ!」
「噂をすれば!」
「ん?どうしたんだい?何かあ……ってうわっ!ユール様!?」
「やめてその反応。なんかむかつく」
なぜかムカついた。これはなんていう感情なんだろう?
「で、ユール様はなぜここに?テオ様やノルン様はいないようですが?」
「はい、自己紹介」
「話の振り方すごい適当じゃあありません?」
「はじめまして。ウルズと申します。三姉妹の長女です。よろしくお願いします」
「私はヴェルザンディと言います。三人姉妹の次女です」
「三女のスクルドです!よろしくね~」
「グラムと言います。こっちにいるのが妹です」
「どうもこんにちは。グズルーンです。末長くよろしく!」
ユールが自己紹介を促すと、5人は各々で自己紹介を交わし、握手した。
「以上」
「いや、なにが以上なんですか。俺にも状況を理解させてくださいよ」
「だから、自己紹介したんだって」
「そりゃ知ってますよ。俺が聞きたいのはですね………」
「グラム、堅い。グズルーンを見習うのよ。フレンドリーなのが一番大事」
「ユール様はフレンドリーの意味は理解してるんですか?」
「間違った使い方はしてない………はず」
視線の先では、グズルーンがすでにヴェルザンディ、スクルドと仲良しモードに突入している。年齢が近いこともあって話が合うらしく、きゃっきゃしてる。
「ヴェルザンディもスクルドも楽しそうね」
「妹たちも、ようやく気軽に話せる同世代の友人と出会えたんです。嬉しいでしょう」
「そうね。…………グラム、その顔はやめた方がいい」
「え?そんな顔ってなんですか?」
「自覚してないの?デレデレしてた」
「してませんよ!グズルーンに友達ができて俺は嬉しいんです!」
大真面目に言い切ってるけど、さっきのあの典型的なシスコン顔のあとに言われてもあまり説得力はない。
「もしかしてグラム、店の男性客を牽制してたりする?」
「ええ。大事な妹を守るためですから」
「グズルーンと長時間しゃべってる人は許せない?」
「当たり前です。速攻で引きはがしますよ。妹が変な常識を覚えてしまったら大変ですから」
「じゃあグズルーンに言い寄ろうとしている人は?」
「言語道断です。丁重に退出していただきます」
グラムはもしかしなくても軽くシスコンなのかもしれない。
その後、若い子組がはしゃいでる横でウルズとグラムと一緒に雑談し、ヴァルハラの様子も聞かせた。店が安定したらヴァルハラに連れて行ってあげる約束もした。ついでに向こう2ヶ月分の給料も渡しておいた。
ちなみに帰り際に、グラムに「店にマスコットが欲しい」と言われたので、3ヶ月お試しで雪うさぎのセラを貸し出すことになった。店の中央のテーブルにおいてあるポプリに潜り込んで、頭だけぴょこっと出している真っ白で赤い目の雪うさぎなんて、マスコット以外のなんでもないでしょう。
ヴァルハラに戻ると、そこではノルンとテオが協力してカバンの中身を整理していた。ノルンはうっすらほっぺを赤く染め、テオは照れ臭そうに頬を掻いている。
こっちもこっちで何かの話がついたらしい
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる