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第2章 チート街道驀進(不本意)
森とドラゴン (3)
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今、私の目の前には美しい夜色のドラゴンが横たわっている。
(私が引っ張ってたのは、このドラゴンの尻尾だったのか!!)
その事実を認知して、私はゾーッとなった。このドラゴンは尻尾が引っ張られていたことに気づいてるのかな?気づいていたら怒ってるかな?
ていうか分解失敗しなくてよかった!!これで岩じゃなくて尻尾の方に分解発動させちゃってたら、ドラゴン消えちゃうもんね!!分解スキルはモンスターに使うとイチコロだから!!そんなのもったいない!!
だって、ドラゴンとか超かっこいいじゃないですか!!ファンタジーといえばドラゴンだよ!!いや、ほかにもいろいろあるけど。
全長は10mほどはあるんじゃないだろうか?たたまれている翼も、広げればこっちも10mはありそうな気がする。全身は夜色の鱗に覆われていて、鉤爪は人一人余裕で乗れそうなほど大きい。
まぶたは閉じられていたが、その表情はものすごく苦しそうだ。
ところどころに怪我をしているようだけど、それで苦しんでいるのだろうか?
どうしよう。回復薬使ってみる?いや待って、そもそもこいつって無害?
そんなことを思っていると、ドラゴンの大きなまぶたが開いた。
「………」
『………』
目が合ってしまった。
「……えっと…ど、どうも……?」
これ以上に何を言えと!?おはようございますって言うべきだった!?それとも大丈夫ですかって言うべき!?
はっ!!私が逃げるべきだったのか!?どうする!?壁登る?
『……俺の首を取りに来たのか?』
「……はい?」
私の内心がグルグルドッカーン(つまりテンパっている)ってなっていると、ドラゴンの方が変なことを聞いてきた。
……首?
「首?どういうこと?」
『とぼけるな。俺を倒しに来た勇者なんだろ?こんなところまで追いかけてくるとは……』
「は?勇者?追いかけ?」
ちょっと待って?話が全然見えない。勇者?あのファンタジー定番の勇者?
「勇者って、誰?」
『勇者を知らぬだと?お前、本気で言ってるのか?』
「本気だけど……」
うん、まずこの森から出たことがないからなおさらわからない。
え。勇者を知らないことはおかしいことなの?私ってば、この世界ではすでに世間知らずのハンコを押されてる?
でも仕方がなくない!?転移直後から魔の樹海の外に出れていないからさ!!
『……その様子だと、嘘を言ってるようにみえないな』
「うん、嘘つく理由もないし」
『俺を油断させるための嘘でもないようだな』
「うん。だから嘘ついてないって」
『勇者どもの作戦で嘘をついてるようにもーーー』
「もうわかったって!!」
なんで!?三回言ったよ!?大事なことだったの?私ってそんなに信用ない!?まさかドラゴンにも猜疑心を向けられたーー!!
「それで、あなたは誰なの?」
『……はっ。俺を知らないとはな』
「???」
え?ドラゴンさん、そんなに有名人なの?
『俺の名はノクスルーナ』
「へぇ……」
『……なんだその反応の薄さは』
「うーん……」
だってさ、名前がカッコいい以外に、持てる感想ある?
『これでも、この世で最強のドラゴンなんだがな』
「……マジで!?」
『ああ。だから俺がその気になればーーー』
「すごい!!」
『は?』
すごい!最強のドラゴンだよ!!FFでいうバ○ムートみたいな感じだよね?いいね!憧れるわ。皆さん、強いドラゴンってかっこいいんだよ?
『恐ろしいと思わないのか?』
「いや?全然」
こんなこと言うのもなんだが、私はステータスがバグだからなのか、最近感覚が狂って来ている。世間だと絶対に"強い"認定されてるようなモンスター相手でも、「ふぅん」で終わってしまう。
ダメだ。慣れとは恐ろしいものだな。
(私が引っ張ってたのは、このドラゴンの尻尾だったのか!!)
その事実を認知して、私はゾーッとなった。このドラゴンは尻尾が引っ張られていたことに気づいてるのかな?気づいていたら怒ってるかな?
ていうか分解失敗しなくてよかった!!これで岩じゃなくて尻尾の方に分解発動させちゃってたら、ドラゴン消えちゃうもんね!!分解スキルはモンスターに使うとイチコロだから!!そんなのもったいない!!
だって、ドラゴンとか超かっこいいじゃないですか!!ファンタジーといえばドラゴンだよ!!いや、ほかにもいろいろあるけど。
全長は10mほどはあるんじゃないだろうか?たたまれている翼も、広げればこっちも10mはありそうな気がする。全身は夜色の鱗に覆われていて、鉤爪は人一人余裕で乗れそうなほど大きい。
まぶたは閉じられていたが、その表情はものすごく苦しそうだ。
ところどころに怪我をしているようだけど、それで苦しんでいるのだろうか?
どうしよう。回復薬使ってみる?いや待って、そもそもこいつって無害?
そんなことを思っていると、ドラゴンの大きなまぶたが開いた。
「………」
『………』
目が合ってしまった。
「……えっと…ど、どうも……?」
これ以上に何を言えと!?おはようございますって言うべきだった!?それとも大丈夫ですかって言うべき!?
はっ!!私が逃げるべきだったのか!?どうする!?壁登る?
『……俺の首を取りに来たのか?』
「……はい?」
私の内心がグルグルドッカーン(つまりテンパっている)ってなっていると、ドラゴンの方が変なことを聞いてきた。
……首?
「首?どういうこと?」
『とぼけるな。俺を倒しに来た勇者なんだろ?こんなところまで追いかけてくるとは……』
「は?勇者?追いかけ?」
ちょっと待って?話が全然見えない。勇者?あのファンタジー定番の勇者?
「勇者って、誰?」
『勇者を知らぬだと?お前、本気で言ってるのか?』
「本気だけど……」
うん、まずこの森から出たことがないからなおさらわからない。
え。勇者を知らないことはおかしいことなの?私ってば、この世界ではすでに世間知らずのハンコを押されてる?
でも仕方がなくない!?転移直後から魔の樹海の外に出れていないからさ!!
『……その様子だと、嘘を言ってるようにみえないな』
「うん、嘘つく理由もないし」
『俺を油断させるための嘘でもないようだな』
「うん。だから嘘ついてないって」
『勇者どもの作戦で嘘をついてるようにもーーー』
「もうわかったって!!」
なんで!?三回言ったよ!?大事なことだったの?私ってそんなに信用ない!?まさかドラゴンにも猜疑心を向けられたーー!!
「それで、あなたは誰なの?」
『……はっ。俺を知らないとはな』
「???」
え?ドラゴンさん、そんなに有名人なの?
『俺の名はノクスルーナ』
「へぇ……」
『……なんだその反応の薄さは』
「うーん……」
だってさ、名前がカッコいい以外に、持てる感想ある?
『これでも、この世で最強のドラゴンなんだがな』
「……マジで!?」
『ああ。だから俺がその気になればーーー』
「すごい!!」
『は?』
すごい!最強のドラゴンだよ!!FFでいうバ○ムートみたいな感じだよね?いいね!憧れるわ。皆さん、強いドラゴンってかっこいいんだよ?
『恐ろしいと思わないのか?』
「いや?全然」
こんなこと言うのもなんだが、私はステータスがバグだからなのか、最近感覚が狂って来ている。世間だと絶対に"強い"認定されてるようなモンスター相手でも、「ふぅん」で終わってしまう。
ダメだ。慣れとは恐ろしいものだな。
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