上 下
35 / 53
第2章 チート街道驀進(不本意)

現状確認 (1)

しおりを挟む
スローライフとかやってたとしても、結構時間が経つの早いんですね。異世界に来てから、もう3ヶ月ですよ。

この3ヶ月、私めは実に充実した日々を過ごさせてもらっていますよ。

まず、庭にあった畑にもう4つほど野菜が増えた。米はまだ見つからない。日本人としてはぜひ白米を食べたいんだが……ないんだろうか?

野菜の名前こちらになります。木霊朝日(茶色いブロッコリー)、マリーモ(金色の玉ねぎ)、エタの死神(赤い大豆)、千人竹(白いピーマン)。

もうね、いい加減ツッコむの諦めたよ。なんなのこの世界?こういう現実と名称がかけ離れた名前をつけるの好きなの?

そしてなんで野菜の色がこんな体に悪そうな色ばっかりなんだ?もう慣れたけど、最初の頃は食べるのにすごい抵抗があったよ。だって茶色いブロッコリーとか……ねえ?

ちなみに小麦粉ができる夕暮れ茸は、庭の端っこの方に森から木を何本か移植してきたからその根元で繁殖させている。

でもキノコからできる小麦粉の方が地球のより上質で、すごい複雑!!

ベランダで栽培してるハーブ系の種類も増えた。なんとオリーブオイルが作れるようになったのだ!

しかしネーミングセンスは皆無。だってリオルーだぜ?オイルから来てるんだろうけど……意味わからなすぎでしょ!?

リオルーの実を鍋で煮詰めれば、上層にオリーブオイルが浮いてくるから、製造には困らない。設備は完備されてるからね!

その設備どもを使って、私はだいぶたくさんの回復薬ポーションを作りましたよ。正確には本物の回復薬トゥルーズ・ポーションを、だけど。

天使の回復薬ハイ・ポーションを作って、じゃあこの流れで魔力回復薬マナ・ポーションを作ろう!ということになり、いろいろと試行錯誤したのですよ。

イムシロップ蜂蜜を入れても変化せずに、最初はだいぶ苦労した。植物系の素材を全部入れてみても全然反応しなかったから、やけくそになって乙女猿の瞳を入れたらできちゃったという。

あの目玉、本当に回復薬ポーションの材料だったよ!説明文に『体内に取り入れると集中力アップ』みたいなことが書いてあったからもしかして?と思ったんだが、本当にそうだった!

あれかな?魔法を使うのには集中力が必要とか、そんな感じなのかな?

レシピを出すまで時間はかかったが、新しい魔力回復薬マナ・ポーションのレシピはこちら。


悪魔の回復薬マナ・ポーション……魔力回復薬の本物の回復薬トゥルーズ・ポーション。MP1000回復。
材料:滝のクリス。乙女猿の瞳。水】


このネーミングも意味不明じゃない?天使の対になってるのはなんとなくわかるけど、なんで悪魔を選んだんだ?ものすごく邪悪なポーションみたいになっちゃってるじゃないか。

ちなみに元のレシピの必要材料は、鑑定して見たらこうなった。


シーロップ……最もポピュラーな睡眠薬の材料。少量であれば睡眠促進の効果があるが、大量に食べると永眠

虫草……普通にしていれば人畜無害だが、滝のクリスと混合すると猛毒性の気体を発生させる。吸うと3秒であの世行き

ハナの花……すり砕いて乾燥させたものは頭痛薬となるが、煮詰めると猛毒になる。煮詰めたものを食すと石化する。


まさかの命に関わるものだったというね!!なんでこんなものを回復薬ポーションに入れようと思ったの!?普通おかしいと思わないか?

しかも虫草とか見てみ?滝のクリスとこれでもかってくらい相性悪いよ?なんで入れたの?やばいに決まってるでしょ!

だけどこの世界で鑑定スキル持ってる人が少ないから、わからないのも無理はないか……。

ちなみに回復薬ポーションの入れ物のデザイン、名前の通り天使の翼と悪魔の翼にしましたよ!
しおりを挟む
感想 94

あなたにおすすめの小説

ステータス999でカンスト最強転移したけどHP10と最低ダメージ保障1の世界でスローライフが送れません!

矢立まほろ
ファンタジー
 大学を卒業してサラリーマンとして働いていた田口エイタ。  彼は来る日も来る日も仕事仕事仕事と、社蓄人生真っ只中の自分に辟易していた。  そんな時、不慮の事故に巻き込まれてしまう。  目を覚ますとそこはまったく知らない異世界だった。  転生と同時に手に入れた最強のステータス。雑魚敵を圧倒的力で葬りさるその強力さに感動し、近頃流行の『異世界でスローライフ生活』を送れるものと思っていたエイタ。  しかし、そこには大きな罠が隠されていた。  ステータスは最強だが、HP上限はまさかのたった10。  それなのに、どんな攻撃を受けてもダメージの最低保証は1。  どれだけ最強でも、たった十回殴られただけで死ぬ謎のハードモードな世界であることが発覚する。おまけに、自分の命を狙ってくる少女まで現れて――。  それでも最強ステータスを活かして念願のスローライフ生活を送りたいエイタ。  果たして彼は、右も左もわからない異世界で、夢をかなえることができるのか。  可能な限りシリアスを排除した超コメディ異世界転移生活、はじまります。

賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
 ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。  そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。  その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。  そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。  アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。  これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。  以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します) ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。 神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。 もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ 楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。 ※基本的に主人公視点で進んでいきます。 ※趣味作品ですので不定期投稿となります。 コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

外れスキル【観察記録】のせいで幼馴染に婚約破棄されたけど、最強能力と判明したので成りあがる

ファンタスティック小説家
ファンタジー
 モンスター使役学を100年単位で進めたとされる偉大な怪物学者の孫アルバート・アダンは″天才″と呼ばれていた。将来を有望な魔術師として見込まれ、大貴族で幼馴染の可憐なる令嬢を許嫁としていた。  しかし、おおくの魔術師に期待されていたアルバートは【観察記録】という、「動物の生態を詳しく観察する」だけの極めて用途の少ない″外れスキル″を先代から受け継いでしまう。それにより周囲の評価は一変した。 「もうアダン家から実績は見込めない」 「二代続いて無能が生まれた」 「劣等な血に価値はない」  アルバートは幼馴染との婚約も無かったことにされ、さらに神秘研究における最高権威:魔術協会からも追放されてしまう。こうして魔術家アダンは、力をうしない没落と破滅の運命をたどることになった。  ──だがこの時、誰も気がついていなかった。アルバートの【観察記録】は故人の残した最強スキルだということを。【観察記録】の秘められた可能性に気がついたアルバートは、最強の怪物学者としてすさまじい早さで魔術世界を成り上がっていくことになる。

スローライフとは何なのか? のんびり建国記

久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。 ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。 だけどまあ、そんな事は夢の夢。 現実は、そんな考えを許してくれなかった。 三日と置かず、騒動は降ってくる。 基本は、いちゃこらファンタジーの予定。 そんな感じで、進みます。

処理中です...