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第1章 レッツスローライフ

薬物はダメ、絶対に (1)

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森に出て回復薬ポーションに必要な材料を集めに森へ繰り出したのが今日の朝の出来事。

そして昼手前、相変わらずの逃走中の末に私は自分の家まで戻ってきました。

もうね、この追っかけられ体質はもうツッコまないことにしたよ。走って汗かいてダイエットにもなって、一石三鳥ではないですか、ええ。

「でもこれで回復薬ポーションが作れるようになるね。このための、食堂二階の調薬室だよ」

やっぱりあの部屋はポーション系を作る部屋だったんだね。私の予測が当たったよ。

とりあえず回復薬ポーションを作りに行く前に、手に入れた素材どもがどういう物かを見ておこうかな。

というわけで鑑定発動。


黒粉花……花が持つ黒い粉を吸い込んでしまうと、呼吸に支障が出る。しかし吸い続けているとやめられなくなる

メロップの蜜……一口舐めるだけでいろいろな幻覚が見え、楽しい気分になる。ただし食べすぎると廃人になるから注意

トカゲ草……非常に苦い。葉巻の原材料の一つで、もっとも依存性が強い葉巻。吸いすぎると寿命が30年ほど縮む


「ちょっと待てーーーー!!!!」

待って止まって?これどういうこと?この説明文の内容が本当なら、こいつら全部ドラッグじゃない?間違っても回復薬ポーションに入れていいものじゃないよね!?

「ていうかそしたら私、手を洗ってこないといけないじゃん!!」

私の手は、今思いっきり黒粉花の粉で真っ黒です。呼吸に支障が出る!依存現象が現れる前に駆除するんだ!

私は急いで家に駆け込み、キッチンに飛び込む。扉は全部蹴りで開けました。手では開けれませんからね!傷ついてたらあとで直しますよ。再構築のスキルあるし。

「ふぅ………ようやく危機が去った……」

ああー、怖かった。まさか手に入れた材料全部ドラッグだったとは。ほんっとーうに異世界パネェわ。

「こんなものばっか扱ってる薬術師って、ほんとに大丈夫なの?」

気になったので、黄色い一般常識の本で薬術師について調べてみた。


『薬術師は女性に人気な職業で手に職ではあるが、非常に人材交代が激しいジョブである。原因は、薬術師の多くが短命だからである。薬草による禁断症状で発狂したり自殺したり急死したり病気したりすることが短命の理由と考えられる』


良い子の皆さん!薬物はダメですからね?絶対に!!

「ダメじゃん!?」

人体に影響与えまくってるじゃないですか。しかも作る側の人間に。ここまで影響出てて、なんで誰も疑問に思わなかったの?

はっ!もしかしてすでにこの世界の住人みんなドラッグにやられてるとか………?

「もしそれが本当だったら私は一生ここに引きこもるからね!!!」

そんな危ない世界になんて出ないし、出たくもないよ?私は完全ノーマルだからね!

とりあえず、こやつらは燃やして地面に埋めて処分することにした。

こんなもの間違っても回復薬ポーションに入れたらアウトだろうからね!!
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