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第1章 レッツスローライフ

自給自足スタート (2)

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もうね、チートはお腹いっぱいですって言葉がある意味がわかったような気がするよ。

「ツッコミすぎて私が逆に疲れる」

いや、便利だよ?便利なんですよ?でもそこじゃないんだよ。ツッコミどころが満載すぎるところが辛いんです、わかります?

「…………もう好きにして」

しかもツッコミやめようとしても、自分がツッコミ属性だからついついツッコんじゃうからもうエンドレスだよね。

「………セコい農家になってこよ」

爽やかな朝なのに早くも疲労の色が見えてきたよ。もうほんと、異世界ってパネェわ。


◇ ◇ ◇

「ふぅ、セコかった」

別々の場所に合計10個畑を作り、私は一息つく。ああ、セコいやり方だった。

「この調子だと他にもいろいろセコいのがありそうな気がするんだよね………」

もう諦めてフラグ立てますよ!!文句あります!?

畑は全部小道の右側に作ったから、畑と畑の間を道でつなげれば楽だけどな。まあ、全部あとで考えればいいか。

「えーっと、畑に栽培する作物はっと……」

私は異次元収納から畑に植える作物を取り出す。自給自足が大前提だから草系より野菜系がいいかな?

「ハーブ系は一回おいといて、主食系の奴だと………これと、これとーーー」

そうして選び出した食品の数6個。畑に4つあまりが出た。

ちなみに作物の名前については黄金こがね翡翠(紫色のトマト)、キュピマネーズ(真っ赤なきゅうり)、シンクタケ(真っ白なキャベツ)、ドクターペピ(緑色のナス)、紅(黄色い人参)、青空太陽(黒いジャガイモ)。

「ほんとこの世界ってネーミングおかしいよね!?」

上の野菜たち見てみ?現実と名前がかすってるの一個もないよ?かろうじて黄色い人参がかすってるだけだよ?

「しかも色がまともなのが人参しかない!」

赤いきゅうりとか怖くない?不気味すぎる!黒いジャガイモとか焦げてるでしょ絶対に!ナスに至っては緑色の医者ってどういうこと?

「…………たった5日なのに」

神様のアンチキショーー!!私になんの修行させてるのよ。何、ツッコミ?ツッコミの修行なの?

この5日間で私のツッコミ能力がどんだけ上がったと思ってるんだ。

「…………とりあえず植えちゃお……」

ひとしきり庭で一人のたうちまわり、一回転して冷静に(?)なれた私は、黙々と畑に作物を埋めていく。

家庭菜園の知識とか皆無だけど、果実の中に種があるから、肥料あげて水あげてればきっと育つはず。……多分。………きっと。

「育たなかった時はどうしよう!?」

ピシャーン!考えてなかった!

「そうなったら森で毎日採集という名の逃走中をするしかないですよね!?ありがとうございます!!」

え?態度が投げやりだって?ほっといてくださいよ。これがツッコマずにやってられるか!
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