上 下
21 / 53
第1章 レッツスローライフ

自給自足スタート (1)

しおりを挟む
スローライフを送ろう!

というわけで、私は今地下室にいます。なんでかって?それはですね……。

「さっきこの辺にクワがあったよね?」

農道具の発掘ですよ。

だってスローライフをするって決めたはいいけど、食料がないとスローライフも何もないからね。

「あ、いたいた」

地下室の隅っこの方に寄せられているクワを見つけた。

しかしクワを見つけた私の感想といえば……。

「なんでクワまでかわいいの!?」

ズバリこれである。

だってパステルカラーでハートの模様が入ったクワだよ?クワにまで可愛さを追求する必要ってあったの?むしろ可愛すぎて使うのがもったいないんですけど。

「………それでも使いますけど」

こんなかわいいクワを使うとか……なんかすごい複雑。


◇ ◇ ◇

「さて、お庭にやってまいりましたよ」

クワを手に入れ、現在私は庭におります。クワのほか、地下室には肥料とジョウロもあったので一緒に持ってきた。

さっきまで気に留めてなかったけど、この庭って、家の軽く5・6倍ほどはあるっていうね。

「知れば知るほど銀キューブすげえ」

だってこの広さの土地を折りたたんだのがあいつだろ?どう頑張っても質量ガン無視だ。

「………とりあえず、畑作ろう」

クワを片手に芝生の上まで移動する。収穫とかする都合上、小道に近い方が便利だろう。

畑耕したことないけど、何事も挑戦だよ。

「よいせーーーー」

クワを振り上げて、思いっきり地面に振り下ろす。

クワが地面に触れたかと思うと、次の瞬間目の前には一辺2mぐらいの正方形の畑が出来上がっていた。

「……………」

私はクワを振り下ろした状態でフリーズした。

「…………まさか……」

私はゆーっくりと目線をクワに落とす。しばらく穴が空くほど見つめていたが、やがて意を決して鑑定を発動した。


マジカルタガヤッシー……伝説級アイテム。振り下ろした地点を起点に瞬時で極上の畑を作成する。使用頻度が上がれば、作れる畑の大きさを調整できる


「もうどこからどうツッコめばいいの!?」

嘘でしょ!?なんでクワまで?しかもクワ振り下ろすだけで極上の畑ができちゃうとかマジでなんなの?

しかもダサい。タガヤッシーとか名前がとてもダサい。なんで本体はこんな可愛いのに名前がこうもダサいの?どういうネーミング?

「ふぅ………」

そしてセコい。この農業方法はセコい。毎日汗水流して畑耕してる農家の人々にものすごく申し訳ない!

そういえば、私って異世界に来てからセコいことばっかりしてるような気が………?

例えば人の餌盗んだり、分解チートでモンスター倒したり、このクワだって………。

「良い子の皆様は真似してはいけません、絶対に!」

こんなセコい大人(まだ学生だけど)になってはいけませんからね!!
しおりを挟む
感想 94

あなたにおすすめの小説

賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
 ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。  そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。  その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。  そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。  アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。  これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。  以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します) ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。 神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。 もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ 楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。 ※基本的に主人公視点で進んでいきます。 ※趣味作品ですので不定期投稿となります。 コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜
ファンタジー
有栖佑樹はアラフォーの会社員、結城亜理須は女子高生、ある日豪雨に見舞われた二人は偶然にも大きな木の下で雨宿りする。 その木に落雷があり、ショックで気を失う。気がついた時、二人は見知らぬ山の中にいた。ここはどこだろう? と考えていたら、突如猪が襲ってきた。危ない! 咄嗟に亜理須を庇う佑樹。だがいつまで待っても衝撃は襲ってこない。 なんと猪は佑樹達の手前で壁に当たったように気絶していた。実は佑樹の絶対防御が発動していたのだ。 そんな事とは気付かず、当て所もなく山の中を歩く二人は、やがて空腹で動けなくなる。そんな時、亜理須がバイトしていたマッグのハンバーガーを食べたいとイメージする。 すると、なんと亜理須のイメージしたものが現れた。これは亜理須のイメージ転送が発動したのだ。それに気付いた佑樹は、亜理須の住んでいた家をイメージしてもらい、まずは衣食住の確保に成功する。 ホッとしたのもつかの間、今度は佑樹の体に変化が起きて... 異世界に飛ばされたオッサンと女子高生のお話。 ☆誤って消してしまった作品を再掲しています。ブックマークをして下さっていた皆さん、大変申し訳ございません。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。

朱本来未
ファンタジー
 魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。  天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。  ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。

処理中です...