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第1章 レッツスローライフ

異世界パネェ (2)

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探索前に読書をしよう。

というわけでさっき引っ張り出してきたハードカバー4冊のうち、黄色い奴を読んでみることにした。黄緑色の奴と藤色の奴は白紙だから異次元収納に放り込んでおいた。

「こ、ここでもツッコミ要素満載だったらどうしよう…………」

………………。

「そういうのをフラグを立てるっていうんだよーーー!!!」

フラグ立てんなよ私!!!

「…………もう読もう」

ツッコミ要素が出てきたら開き直ってツッコんでやるよチクショーめ!!

ペラ。


『この作品はフィクションです』


「あんたフィクションの意味わかってるの!?」

フラグ立てちゃったからしょっぱなからツッコんじゃったじゃねえか!!


『注)フィクションとは、地球から見たエンシェールを表す。この本に書かれていることは全て事実です』


「いらんわ!!そんな無駄な解説!!」

じゃあフィクションですらないじゃん!!むしろノンフィクションでしょ!!なんで地球から見た観点を上乗せしたのよ!!

「…………全部読むと長いから、一般常識の数ページだけ読も」

あ、あと瞬間記憶を発動させてから読もう。そしたらいちいち読み返す必要もないしね。


『異世界エンシェールは、12の国が存在する世界です』


「結構あるんだね」

地球からすれば少ないけど、これはこれで多いね。


『12つの国は、それぞれ別々の種族が統治している。人間族が統治するアルマリア王国、神族が統治するユグドラシル聖国、獣人族が統治するルーナ=テネブロマ帝国、魔族が統治するラグナロク共和国、妖精族が統治するエルフィーナ皇国、精霊族が統治する星の国、ハーピー族が統治するラピタ天空国、地底族が統治するエイリアン洞窟、霊族が統治する霊山リンドホルム、人魚族が統治するアクアマリン洋、植物族が統治するハロ植物園、そして妖族が統治する千本桜国』


「獣人が存在するんですって!?」

なんですと!?それはつまり、ファンタジー定番のガチ獣耳にお目にかかれるってこと!?

しかも後半の国の名前とかツッコミどころ満載なんだけど!!ハーピー族の国とか天空の城○ピュタほぼそのまんまだし、そも他諸々は国って文字すらつかないよ!?本当に国!?

他のクラスメイトたちは人間の国に転移されたのかな?しかし神族がめっちゃ強そう。


『ちなみに現在地は神国ユグドラシルです』


「まさかの神族の国だった!!」

マジで!?しょっぱなからそんなすごいところに飛ばされちゃってたの私!?


『各国の間は全て直通電車でつながっています。なお、ラピタ天空国のみは飛空艇で行く必要がある』


「ますますラ○ュタだ!!」

しかもこの世界、科学技術ないんだよね!?なんで電車が走ってるの!?


『科学技術ではなく、魔法で走らせていますから』


「だからなんで会話がかみ合うのよ!?」

神からの手紙と言い、この本と言い、なんでこの世界は文面と人間の会話が成り立っちゃってるの!?おかしくない!?
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