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6 新たな事件へ!

新たな事件へ! 【完結】

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「マユカ、今日はいつも以上に機嫌がいいな」
「エヘヘ、わかる?」
 学校に向かう途中の坂道で隼人にそう言われて、わたしはニヘラと笑ってしまう。
「今週末に、家族で出かけるんだよ!」
 夕食を食べに行くだけだけど、もう、何年ぶりのことなんだから!
 隼人に、親に気持ちを伝えたほうがいいといわれたその日のうちに、わたしはパパとママに電話した。
 そうしたら、パパとママが話し合ったみたいで、月に一度は家族そろって出かけること。そして学校行事も、どちらかが必ず参加するって決まったんだ。
 ママに、さみしい思いをさせちゃってごめんねって、ギュッてされた。泣いちゃったよ。へへへ。
「よかったな、マユカ」
「うん! 隼人のおかげだよ」
 あれから、朝食はわたしが作っている。少しは料理が上手くなって、レパートリーが増えたよ。もちろん、朝食は夜のうちに作ってる。
 あと、朝も五回に一回は、隼人に起こされる前に起きられるようになった。早く一人だけで起きるようにならないとね。
「マユカちゃん、隼人」
 後ろから声をかけられて振り返ると、大地センパイがいた。
 こうして歩道に生徒がずらっと並んで登校していると、大地センパイは頭一つ以上抜けていて、やっぱり背が高いんだなあと思う。
「おはようございます、大地センパイ」
 わたしと隼人は声をそろえた。
「うん、おはよう」
 大地センパイはさわやかな笑顔を浮かべた。
「さっき紫苑と会ったんだけど、名探偵に頼みたいことがあるんだってさ」
「やった! また事件ですか?」
 生徒会長の人形が取られた事件から、一週間が経っている。そろそろ、なにかしたいなあと思ってたんだ。
 文芸部が「文芸・名探偵部」になったことの周知も含めて、「謎・募集!」っていうポスターを作ろうかと、隼人と話してたの。
 部活の勧誘ポスターがはがされて、廊下の壁もスッキリしたから、今ポスターを貼ったら、きっと目立つよ!
「オレもまだ内容は聞いてないんだけどな。放課後、部室にきてくれよ。頼りにしてるよ、名探偵」
 大地センパイが、わたしと隼人の肩に手をのせた。
 隼人を見ると、ニッと笑ってうなずいた。わたしもうなずき返す。
「もちろん。わたしたちに任せて!」
 わたしはポンと胸をたたいた。

                     おわり
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感想 1

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みんなの感想(1件)

坂本 光陽
2023.08.13 坂本 光陽

会話が面白くて、とても読みやすいですね。続きを楽しみにしています。

じゅん
2023.08.14 じゅん

嬉しいコメントありがとうございます! 今月いっぱいで完結しますので、引き続きよろしくお願いします!(≧∀≦*)

解除

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