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はじまり

03

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《それと、この世界には住人も呼び出せます》
「住人…?」

俺だけではなく、この場所に誰かがやって来て
一緒に開拓をしていくという事なのだろう
課金するとたまにあるお助けキャラとか
時短とかみたいなものかと認識した

《条件をクリアすることにより出てくる住人も居ますので、是非とも条件をクリアして出会ってみてくださいね》
「…へぇ、凄いな」

やり込み要素があることも俺にとっては嬉しい限りだ
ジョバンの説明を聞きつつ、俺はスマホ画面をタッチし進めていく

《操作の方はわかりましたでしょうかマスター?》
「あぁ、問題ない。」
《では、チュートリアルはこの辺で終わらせていただきます。
マスター最後まで私の説明に付き合っていただきありがとうございました》
「いやいや、こちらこそ 教えてくれてありがとうなジョバン」

いつの間にか音声でも反応してくれるようになり
俺は対話をするようにスマホに話しかけていた

《いえいえ、これが私のお仕事でしたので…
では、チュートリアル完了のアイテムをお贈りしておきますので、ポストからお取りくださいね》
「ポストね、あぁ まずは家とか置かないと駄目なんだっけ」
《はい。 私がいなくなり次第、始まりますので頑張ってください。》
「…なぁ、ジョバン」

スマホの画面に大きなはてなマークが表示された

《はい?なんでしょうか、マスター。》
「また、会えるよな?」

ここまで親切にしてもらったということもあるのだが、なんとなく一人だと心寂しいのだ
急に俺以外の声が聞こえなくなると思うと生活できるか不安になる

《はい。マスターでしたら、必ず。
…一人で心細いでしょうから私から特別にプレゼントをお贈りいたします。》
「へ?」

一人だと心細いことにバレてしまったことにも驚きつつ、まだプレゼントをくれるということにビックリした

《この世界ではマスターの動きにより、周りも影響されます。
ここに来るであろう人物はしかり、建築物や生活に欠かせないものもしかり、
そして、機械である私にも。》
「ジョバン?」
《私からマスターへの好感度はMAXです。
ですので、隠しイベントクリア品としてのプレゼントです。》

いつの間にか俺は隠しイベントをやっていて
クリアしたらしい
普通にチュートリアルをクリアしただけのはずなのだが…

《チュートリアルを飛ばさずにやる事はもちろん、話しかける、ジョバンと呼ぶ、また会えるかを訪ねる その事をクリアすることにより
私の好感度はMAXになり、隠しイベントが完了したのです。》

チュートリアルをやることは初めての人なら当たり前だと思っていたが、人によっては初めから飛ばしてしまう人がいるらしい
機械に話しかけることや名前を呼んであげることはあまりないことらしく

俺はつい、独り言でテレビとかに話しかけちゃうタイプだった為
その条件がいつの間にかクリアしてたらしい

そして、最後のまた会えるのかを聞くこと
これは、チュートリアルがめんどくさいと思った人は来ないで欲しいと思うらしく、もう会いたくないと考えるそうだ

「えっと、説明してくれてありがとう」
《いえいえ、これも私の役目の1つですから。
今はありませんが説明したとおり画面にメニューが出た際はイベントを押していただき
好感度を押していただくと好感度を見れますので》
「え?」
《では、マスター。 またお会いしましょう。》
「ちょっ、ちょっとまって! 今好感度って言ったよねぇ… 画面真っ暗になっちまったよ」

急に説明された新要素に俺は戸惑う
ほのぼの系にまさかの好感度が搭載されているとは誰が思い付くだろうか

「普通に町を作るんじゃないの…?」

先ほどまでのようにスマホに話しかけるが返事はかえってこない
勝手にスマホの画面が変わっていく

「え、牧場を経営して畑作業して好感度高めるの? 箱庭ゲームじゃないの?」

俺をおいてゲームは進んでいく
ジョバンが行っていた本編が始まろうとしている

「ちゃんと、そこは説明してくれよぉ」

好感度をあげつつも自分自身が作りたいと思っている世界ができるのかを不安に思いながら
俺は勝手に変わったホーム画面であろうスマホを見たのだった


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