帰国した王子の受難

ユウキ

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怪訝な顔でそう返せば、マーガレットは悲壮感たっぷりに、悲しげに眉を寄せる。


「だって、唯一庶子であるエリアルト様が、冷たい王宮で居場所を失い、遂には帝国へと身を寄せるようになったのでしょう?私がエリアルト様の居場所になるわっ!」

「いや、結構です」
「あれ?ああ、照れて反発しちゃっているのね?大丈夫っ、私はどんな貴方も受け止め」

「間に合ってます」
「なんでっ!こんな美少女が言ってあげているのに?!」

「はぁ?美??」


俺は王妃様を見、ユリアンナを見て、改めてマーガレットを頭の天辺から爪先まで見た。


「どの辺りがでしょうか?失礼ながら立居振る舞いは雑、礼の一つもまともに出来ない、王家への侮辱行為を繰り返していることにも気づかないお粗末さ。微塵にも美しいとは思えませんが」
「エリアルトっ貴様っ!マーガレットに何と言う!」
「そんな、エリアルト様っ」

「スヴェルト殿下、人の好みは人それぞれ。私がどう思おうと、非難される謂れはないですよ。それに、興味がないと言っているのですから、嬉しく思うべきでしょう?」
「ん?そうだ、な?」

「ところで王妃陛下…推察するに、私を呼び出すため、あの娘は騒動を起こしたという発言に聞こえましたが、これでは婿入りは難しいのでは無いでしょうか?」
「いいえ、『真実の愛に溺れたために、継承権剥奪、子爵家へと降下。ゴーダイル侯爵家とは謝罪し和解』は変わらないわ」

「そうですか。では処罰は以上ですね。
衛兵っ!王子殿下方はそれぞれの私室へ軟禁。マルベリー子爵令嬢は王妃陛下の調査が終わるまで貴族牢へ。そこの平民二名は一旦元の家送り届けてくれ」

「「「はっ」」」


俺が指示を出すと、衛兵は最後まで騒ぐ面々を引き連れて部屋を出て行った。
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